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肺がんの原因に女性ホルモンがかかわっている!?/Dr.根来の体内向上プロジェクト

根来秀行

根来秀行

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

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いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。

ハーバード大学医学部根来秀行教授のweb講座「肺年齢を若返らせる!」です。前回はタバコ病〝COPD〟についてのお話でしたが、今回は肺がんについて根来教授に伺いますよ。

 

 

根来 こんにちは。根来秀行です。
がん死の中でも肺がんによる死亡は男性が1位、女性は2位なんですよね。

 

 

いし 女性にも多くてびっくりしました。

Dr.negoro_Ill

 

 

根来 近年、肺がんの中でも〝肺腺がん〟が増えているのですが、男性より女性に多いんですよ。

 

 

いし えーっ、喫煙者は男性のほうが多いのになぜ!?

 

 

根来 肺腺がんは肺の奥の粘液などを分泌する細胞にできるがんで、喫煙の影響はあるもののそれほど大きくないといわれています。

 

 

いし では考えられる原因は何?

 

 

根来 近年、肺腺がんの発症にエストロゲンがかかわっているという研究が発表されています。

 

 

いし 女性ホルモンですか!?

 

 

根来 はい。月経の期間が長い女性や、エストロゲン補充療法を受けたことのある女性に、肺腺がんの発症率が高いこともわかってきています。

 

 

いし HRT(ホルモン補充療法)は乳がんのみならず、肺腺がんのリスクも上げるんですね。ナチュラルホルモン補充療法なら安全?

 

 

根来 いえ、リスクは同じです。僕は、HRTはすすめませんが、もしするなら期間限定にしたほうがいいでしょう。

 

 

いし はーい。わかりました。

根来 また、大都市や工業化の進んだ都市は、肺がんの発生率が高いのですが、これは空気中の有害物質に触れる機会が多いからです。

 

 

いし なるほど。大気汚染ですね。

 

 

根来 イギリスの最新の研究では、公園でのウォーキングは心肺機能を高めましたが、排気ガスの多い幹線道路沿いでは、逆に妨げられたという報告があります。

 

 

いし 公園や緑地を歩いて、肺に新鮮な空気をバンバン送り込みます!

 

Dr.negoro_Ill

 

根来 それがいいですね。
できるだけ空気中の有害物質を体内に入れないようにするには、風邪など呼吸器系の病気に気をつける、受動喫煙を避けることも大切です。

 

 

いし 気をつけますー。

 

 

 

それではみなさん、今日も素敵な1日を!

 

Dr.negoro_photo

 

 

 

(次回は、「のどの筋トレで肺炎を予防!」です。お楽しみに!)

 

取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン

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