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幻の果実、ヤマモモのシロップで可愛いおにぎり

山田玲子

山田玲子

料理研究家

浜田山・麹町にて料理教室「Salon de R」を主宰。女性の美と健康を考えた、おしゃれなメニューを数多く提案する。

また、「食することは人の輪なり」をモットーに、国内はもとより、NYやヒューストン、スペイン、韓国、シンガポールなど、海外でもレッスンを開催。各地で食を通じて人々と交流を深めている。

近著に全文英訳付きレシピ本『おにぎりレシピ101』(ポット出版)がある。

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みなさん、「ヤマモモ(山桃)」という果実をご存じでしょうか? 名前の由来はその字が表す通り、「山の桃」。山に自生し、食べられる果実がなるということから名づけられたそうです。街路樹に用いられたり、公園にも植樹されたりしているので、知らないうちに目にしているかもしれませんね。

 

 

昔は、あちこちになっていたようで、私の母などは子どもの頃、服や顔を赤く汚して帰ってくると、母親に『ヤマモモを食べて来たのね!』とすぐにわかってしまったそうです。最近は、食べたことがあるという方は、少なくなっているかもしれませんね。

 

 

私もヤマモモの存在は知っていましたが、食して、そのおいしさをよく知るようになったのは、最近のこと。近年参加している「熱中小学校」プロジェクトの活動を通してでした。

 

 

「熱中小学校」とは、廃校になった学校を「大人の学び舎」として活用し、様々な職業 ・地域の人々が、生徒として集い、学び、交流するというプロジェクト。新たな地方発の価値創造活動を展開しています。2015年にスタート。現在は国内に15校(海外に1校)あり、そのうちの1校が、和歌山県の口熊野(くちくまの)にあります。そして、口熊野の上富田町の町木がヤマモモです。

 

 

桃より少しすっぱいですが、すっぱいと言っても柑橘系のような前面に出てくるような強い酸味ではなく、「甘みに中にほんのりとした酸味がある」といった味わいです。大きさは直径1.5~2cm程度で大きめのサクランボといった感じ。サクランボのようなツルンとした表皮ではなく、表皮は粒状です。

 

 

収穫の時期は6月中旬~7月中旬の約1カ月。日本では収穫時期が梅雨と重なるので、雨にあたって実が水っぽくなってしまったり、収穫前に傷んでしまったりするものもあります。また、収穫後は傷みが早く、日持ちがしないので、食べ頃は6月中旬~7月中旬のひと月足らず。本当にごく短い期間しかおいしく食べることができません。こうしたことからヤマモモは『幻の果実』または『赤い宝石』などと言われています。

 

 

ヤマモモの実は深い赤色ですが、その色を作り出しているのは「アントシアニン」と呼ばれる色素成分だそうです。「アントシアニン」はポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持っていることでよく知られていますよね。皆さんがいちばん気になる老化予防に効果があると言われている成分です。

 

 

また、独特の酸味を生み出しているのはクエン酸。クエン酸には疲労回復効果があると言われています。クエン酸を体に取り込むと、効率的にエネルギー生産が行われるようになり、疲労の回復をサポートしてくれるそうです。

 

なかなか市場に出回ることが少ないので、生を食する機会はあまりないかと思いますが、口熊野では、ヤマモモをシロップに加工した「熊野やまももしろっぷ」が生産・販売されています。

山田玲子さん連載_やまももしろっぷ

 

これは、「口熊野かんとんだ山桃会」が商品化したもので、ヤマモモならではの爽やかな酸味とやさしい甘みを存分に楽しめます。その独特の風味を生かして、ドレッシングにしたり、肉や魚のソースにしたり。私は、すし酢としてご飯に混ぜるのがお気に入りです。きれいなピンク色のご飯に仕上がります。

 

今回は、お米に加えて炊いて、桜色のおこわを作ってみました! 甘酸っぱい、やさしい味のおこわになりますよ。おにぎりにすると可愛らしいですね。

山田玲子さん連載_ヤマモモシロップのおにぎり

【材料】
米(うるち米)…2合
米(もち米)……大さじ1
水……400ml
ヤマモモのシロップ……大さじ2
塩……小さじ1/2

 

【作り方】
①洗った米に、水とヤマモモのシロップを加えて混ぜ、炊く。
②炊きあがったらへらでふんわりと空気を入れ、塩を加えて混ぜる。
③好きな形に握る。好みで桜の塩漬け(材料外)を飾る。

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