ソラノイロNIPPONのベジラーメン
こんにちは！ 野菜料理家の庄司いずみです。
東京のベジタリアンラーメン事情についてのコラムや、麵屋武蔵さんのベジラーメンのコラムでも書きましたが、今、ラーメン界ではベジタリアンラーメンが大きなブームとなりつつあります。
そのブームをひっぱっているのは、ラーメン店として初めてミシュランで星をとるなど、大注目のソラノイロさん。
スープは動物性ですが野菜がたっぷり、見た目にも美しいベジソバから始まって、海外での反響に応えて生まれたというヴィーガンベジソバ（こちらは植物性100％）、さらに最近ではHappy Veggie Holidayと題し、祝日はソラノイロ本店は動物性素材を使わないラーメンやサラダ、スムージー、デリなど、ヴィーガンメニューのみで展開。
私も一度訪れましたが、ヴィーガンラーメンはもちろん、ベジカフェさながらのデリ盛り合わせがなんともお洒落。
実を言うと……。「ラーメン店でベジメニューのみなんて、祝日とはいえ大丈夫？」とも思ったのですが、私が食事をしている短い間にも次から次へと来客が。ラーメンマニアらしい男性客も多いのですが、外国の方や女性客が多いのにも驚きました。
そのソラノイロさんの待望の３号店がついにスタート！
場所は日本の真ん中、東京駅。八重洲地下街に人気ラーメン店が軒を連ねるラーメンストリートがありますが、そのリニューアルオープンの目玉として、ソラノイロNIPPONという店名で6月18日にオープンしたのです。
こちら、ラーメンストリートに入っているお店を紹介するコーナー。ソラノイロNIPPONは一番目立つ場所にドーンと！ これひとつとっても注目度と期待の高さがわかります。
おまずはこちらで券を買いますが、人気の中華ソバと並んでベジソバ（ヴィーガン）の文字が。 ソラノイロNIPPONのベジラーメンは、ベジソバだけでなく坦坦麵もあり、これもものすごーく気になっているのですが、それは次回にゆずるとして、まずはベジソバにトライ！
ベジソバを待つ間に店内を見渡すと……。ラーメン店とは思えないほど、おしゃれな空間なのです。東京駅というと1人で入る方も多いと思われますが、ラーメン店での相席は居心地の悪いもの。
ところがソラノイロNIPPONでは、大人数がかけられるテーブルの中央にはおしゃれな棚があり、向かいの人と目は合いません。お一人さまランチにはこれは嬉しい心配りです。
ほかに、椅子の下のかごにバッグが置けるようになっていたり、長い髪をまとめられる髪ゴムが置いてあるなど、細かなところにまで気配りが。なんて素敵！
来ました、これがベジソバです！
ソラノイロ本店のヴィーガンベジソバと似た雰囲気ではありますが、スープの色も具材も違います。
まずはスープ。オレンジ色のスープにはにんじんの優しい甘みがギュッ！ 従来のヴィーガンベジソバのスープより、さらに濃厚に野菜の味を感じます。
麵は赤。スープにはにんじんの甘みがあるため、パプリカを練り込んだピリ辛の麵を合わせたのだとか。
そしてトッピング。これが本当に素晴らしいのです。
色とりどりの野菜たちに心躍りますが、それぞれがとても丁寧に下ごしらえされていて感心するばかり。
れんこんやにんにくはカリカリに揚げてあり、ミニトマトはフレッシュなものを。ズッキーニはソテーしてあるようです。細切りのにんじんもたっぷり。バジルソースの茹で麦までトッピングしてあるのには驚きましたが、プチプチした食感がとてもいいのです。
ビックリしたのがラーメンにはつきもののキャベツ。
ほんのり酸味があって、最初「まさか浅漬け？」と驚きましたが、どうやらマリネしてあるよう。お店の方に伺うとレモンとオイルでマリネしてあるとか。レモンの酸味が甘みのあるにんじんのスープととてもよく合い、クセになるおいしさでした。
赤い柚子胡椒は「途中から混ぜてください」とのことだったので、その言葉に従いました。
柚子胡椒なしだと、野菜の甘み、うまみがストレートに味わえて、芯から癒されるような優しい味わい。
途中から柚子胡椒を混ぜると、ガツンとパンチのある味に変わり、それもおいしい。ピリ辛好みや男性なら、柚子胡椒を混ぜた味のほうが好みかもしれません。
こちら、ソラノイロ店主の宮崎千尋さん。最初にお会いしたのが昨年10月、あるイベントの時でした。
定番のヴィーガンベジソバだけでなく、期間限定のベジタリアンラーメンや、一日限定のものなど、実験的に色々取り組んでおられるので、宮崎さんの生み出すベジタリアンラーメンをいくつかいただきましたが……。
定番にはなってないヴィーガンのしょうゆラーメンやみそラーメンは、よい意味で普通のラーメンでした。植物性素材のみでも、おなじみのラーメンに引けを取らないおいしさ。「それなら鶏ガラなどはいらないのでは」と、ある意味衝撃を受けました。
一方、ソラノイロならではのベジタリアンラーメン、つまり本店のヴィーガンベジソバや、ソラノイロNIPPONのベジソバはというと……。野菜の甘み、うまみがたっぷりつまったトロリとしたポタージュのようなスープ、パスタに負けないコシのある麵、それぞれが丁寧に下ごしらえされた色とりどりのトッピングの野菜たち。
こちらは唯一無二、どこにもない味、新しい味、驚きの味。
ラーメン好きな私としては前者の味も見逃せないし、ベジタリアンで野菜好きの私としては後者の味もたまらなく魅力的。
これからもやっぱり、ソラノイロさんの生み出す味から目が離せません。
庄司いずみ
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