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手遅れにならないための認知症の見つけ方と予防法⑦MCIと認知症を予防する4つの生活習慣

ミーナ

ミーナ

MyAge/OurAge編集

「チーム健活」 メンバー

南の島のビーチで読書、が至福のとき。

よく遊び、よく寝る、のが病気知らずのモト。

ストイックにならずに健康でいる方法を模索中。

身近なウォーキングからスタート?

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前回の「MCIが心配なもの忘れ」のチェックテストをやってみたミーナ、どうやらセーフ! 年齢なりのもの忘れといえそう、と自分には甘いのです。これからでも遅くはない、生活習慣の改善で認知症は予防できるそうなので、みなさんも今回の記事をぜひご参考に。

 

 

 

もしも家族が認知症になったら。

そして、自分も。

 

認知症にならないために

50代から始めること

 

 

OurAge世代にとって、認知症による親の介護は身近な問題。夫や自分自身が認知症になるのでは!? という不安とも直面しています。2014年に発表された、団塊の世代が75歳を超える2025年には認知症人口が約700万人、65歳以上の5人に1人が認知症という推定値を聞けば、なおさら。何か対策を始めるのが賢明です。

 

認知症の根本的な治療法や予防法が確立されていない今、何よりも大切なのが早期発見、早期治療、そして予防。ここでは、手遅れにならないための認知症の見つけ方と予防法を、認知症の専門医の奥村 歩さんが伝授します。

 

今回は、MCI(軽度認知障害)と認知症を予防する4つの生活習慣をご紹介します。

 

 

 

 

 

奥村 歩さん Ayumi Okumura

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1961年生まれ。「医療法人三歩会 おくむらメモリークリニック」院長。

脳神経外科医の視点から「もの忘れ外来」を中心とした認知症診療を展開。

全国から毎日平均100人が受診。

多数の著書の出版や講演、メディア出演で認知症の予防、早期発見、治療を啓蒙中。

近著に『認知症にならない! 「もの忘れ外来」徹底ガイド』(日本文芸社)

 

 

 

 

 

MCI(軽度認知障害)の早期発見で認知症は防げる!

 

最近、にわかに注目を集めているMCIをご存じですか?

ひと言で言えば「認知症予備軍」の状態です。

MCIを早期発見し、先手を打って対応することが、認知症を予防する道となります。

 

 

 

生活習慣の改善で
認知症から逃げきる

 

 

「MCI(軽度認知障害)とは、認知症の種が原因による、悪性のもの忘れが出はじめた状態です。単に年のせいということで済まされない、激しいもの忘れがあり、自覚的にも客観的にも、〝記憶力に問題あり〞とわかる記憶障害です。

 

ここで勘違いしてはいけないのが、MCIは〝軽度の認知症〞ではないということ。いくらもの忘れが激しくても、残っている認知機能で、記憶障害から生じる生活の支障をカバーして、自立した生活を送ることができるのです。

 

 

「認知症になった場合、残念ながらその進行を確実に止める術はありませんが、MCIの人は自らの症状を自覚でき、思考力や判断力も問題ありません。私たちの認知機能を低下させ、MCIから認知症に進ませてしまう犯人は、加齢や遺伝だけではなく、生活習慣も大きくかかわっています。つまり、MCIを知って早期発見し、認知症を発症しない生活習慣を実践することで、認知症は防ぐことができるのです」

 

 

次ページでは、MCIと認知症の予防に効果のある、4つの生活習慣をご紹介します。

MCIと認知症を予防する4つの生活習慣

 

 

■GI値の低い食品で食後の高血糖を防ぎ、危険因子の蓄積を回避

 

食後に高血糖が続き、インスリン分解酵素が体だけで消費されてしまうと、脳内の老廃物で認知症の最大の危険因子となるアミロイドベータの掃除に手が回らず、危険因子が蓄積されてしまいます。それを回避するには、食後の高血糖を防ぐことがカギに。GI値が低いタンパク質、同じくGI値が低い複合炭水化物、脂質ではオレイン酸、オメガ3脂肪酸を中心にとることが、最善の抗認知症食になります。

 

 

■運動は認知症予防の切り札。人とかかわる知的活動&運動が◎

 

認知症の予防方法の中でも、運動は最も重要な柱。認知症の攻撃因子を軽減しながら、防御因子を高めるというWの効果があるからです。なかでも理想的な認知症予防運動は「知的活動」「運動」「人とかかわる」という3つの要素が一体となったもの。例えば他人と一緒にする社交ダンスやゴルフ、バレーボールなどは、一人でするウォーキングや水泳などよりも認知症になりにくい効果があると言われています。

 

 

■脳内を活性化させ認知予備力を鍛えるニューロビクス

 

ニューロン(神経)とエアロビクスを組み合わせた言葉で「新・頭の体操」と呼ばれることも。脳の中では、神経細胞同士の接続を担う神経伝達物質によって、脳内ネットワークがダイナミックに変動しますが、変動のカギとなる認知予備力を鍛える活動が、ニューロビクスです。同じ頭の体操でも、クロスワードパズルより、「人とのかかわり」が生じるチェスのほうが抗認知症効果が高くなります。

 

 

■医療と上手につき合い、認知症の原因となる生活習慣病を改善

 

認知症は、脳のゴミであるアミロイドベータ、動脈硬化、炎症、ストレスなどが原因で発症しますが、高血圧や糖尿病、メタボなどの危険因子が複合的に絡み合って、やがて認知症を引き起こすことも。まずは、高血圧、糖尿病の有無を健診などで定期的にチェックし、もし見つかれば日常生活を改め、病状の改善に努めましょう。また、ストレスによるうつや不眠症も、しっかりと治療することが大切です。

 

 

 

COLUMN

注目! 中鎖脂肪酸が認知症を予防する!

 

 

アルツハイマー型認知症の脳細胞を
ココナッツ油が救う!?

 

近年、健康と美容に有効な食材として、注目のオイル。今、新たにココナッツオイルやパーム油、母乳、乳製品などに含まれる中鎖脂肪酸が、アルツハイマー型認知症の予防や改善に有効であると言われ、話題になっています。

 

アルツハイマー型認知症の脳は、グルコース(ブドウ糖)のエネルギーをうまく利用できなくなりますが、中鎖脂肪酸が肝臓で分解されて作られるケトン体であれば、エネルギーとして利用できることが判明。

 

中鎖脂肪酸が認知機能低下に及ぼす影響を8年間調査した結果(下図)でも、「認知機能に好ましい影響を与えた」と論文で発表されるなど、予防、改善効果が国内外で実証されはじめています。

 

 

※MMSE:認知症の疑いがある被験者に対して行われるテスト。Mini Mental State Examination(ミニメンタルステート検査)の略。  出典:日本栄養・食糧学会誌 第68巻 第3号 101-111(2015)

※MMSE:認知症の疑いがある被験者に対して行われるテスト。Mini Mental State Examination(ミニメンタルステート検査)の略。 
出典:日本栄養・食糧学会誌 第68巻 第3号 101-111(2015)

 

 

 

 

 

取材・文/蕨 康子 グラフ製作/ビーワークス

 

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