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免疫を上げるためには、どのような食事がいいの?/根来教授の特別講座⑨

根来秀行

根来秀行

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

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新型コロナに対抗する力をつけるために食事はとても重要です。そこで、どのような食事をとればいいのか、ハーバード&ソルボンヌ大学医学部・根来秀行教授に詳しく伺いました。

 

 

免疫力アップには、抗酸化&低GI食材で血管を守り、バランスのよい食事を規則正しく!

新型コロナに対抗するために、免疫力を高めるといわれる食べものが注目されていますね。
ただ、いくら免疫力を高めるといわれる食材をたくさん食べても、食事の内容が偏っていたり、不規則な食生活では意味がありません。

 

免疫的には、バランスのよい食事を3食規則正しく食べるという、ごく当たり前の視点が重要なのです。そのほうが、体内時計や自律神経が整い、ウイルスに対抗する力もつきます。

 

僕は海外とのやりとりで真夜中に仕事をすることがありますが、だからこそ、食事の時間はなるべく朝8時、昼12時、夜20時と決めて、バランスよく食べることを心がけています。これによって、サーカディアンリズムが整いやすくなります。

免疫力アップの食材 緑の濃い野菜、紅鮭

毛細血管の劣化を防ぐという意味では、抗酸化力の高いファイトケミカルが豊富な、旬の食材を取り入れるのはいいですね。

 

トマトの赤はリコピン、鮭のピンクはアスタキサンチンなど、抗酸化成分はカラフルなものが多く、食材を選ぶ際の目印になります。

 

血液中の糖が過剰になると血管内の内皮細胞がダメージを受けます。
この連載の第122回でもお伝えしたように、新型コロナウイルスは血管の血液が流れる部分に面した内皮細胞に感染する傾向にあるので、糖質のとりすぎには要注意です。

 

糖質の取りすぎで起きる「糖化」は、別名「体のコゲ」とも言われ、老化促進物質「AGEs(エージーイー)」を作り出します。AGEsは、1度できると細胞にとどまり続け、血管や骨をもろくし、結果的に、内臓機能を低下させたり、肌のくすみやたるみ、しわを引き起こしたりと、老化を加速させます。

 

とはいえ、糖質はヒトが生きていくうえで大切なエネルギー源で、細胞の修復に必要なタンパク質の働きを助けるものです。糖質制限ダイエットも流行っていますが、ある栄養素だけ極端に抜くことは、特定の栄養素をとりすぎるのと同様に、代謝プロセスを混乱させ、結果的に細胞を取り巻く内部環境を悪化させ、免疫低下につながります。

 

糖質をとりすぎて血管に負荷をかけないようにするには、血糖値を上げにくい低GI食品を意識的にとるといいでしょう。食べ過ぎず、三大栄養素をバランスよく、タイミングよく食べるという基本を押さえたうえで、葉野菜やきのこ、肉、魚、海藻、大豆製品、チーズ、ナッツ類などの低GI食品を上手に取り入れるといいですね。

 

毛細血管の劣化を防ぎ、コロナを悪化させる因子を抑制することにつながります。

 

皆さん今日も素敵な一日を!

 

Dr.negoro_根来先生写真

根来秀行さん
Hideyuki Negoro

1967年生まれ。医師、医学博士。ハーバード大学医学部PKD Center Visiting Professor、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授、社会情報大学理事。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。本連載から生まれた『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業「毛細血管」は増やすが勝ち!』『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』(ともに集英社)が好評発売中

 

 

 

撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン 取材・原文/石丸久美子

 

 

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