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認知症ごく初期の自覚症状とは?/自分ごととして学んでおきたい予備知識(前編)

うっかり忘れた? あれ? こうじゃなかったっけ…。予備知識として学んでおきたい認知症の始まりを、東京慈恵会医科大学精神医学講座教授の繁田雅弘先生に解説していただきました。

 

教えてくれた人

繁田雅弘さん 東京慈恵会医科大学精神医学講座教授。同大学付属病院精神神経科・メモリークリニック診療部長

繁田雅弘さん
Masahiro Shigeta

東京慈恵会医科大学精神医学講座教授。同大学付属病院精神神経科・メモリークリニック診療部長。症状よりも「人」を診ることをモットーとし、問診を重視した診療を行う。著書に『認知症の精神療法』(HOUSE出版)、監修『気持ちが楽になる認知症の家族との暮らし方』(池田書店)

 

 

64歳以下で発症する若年性
高齢者の認知症の違いは?

 

若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症のこと。東京都健康長寿医療センターの推計では、若年性認知症の人は全国で約3万5000人。子育て、介護、仕事など悩みが多岐にわたり、人生に与えるインパクトは高齢者より大きい、と繁田雅弘先生は言います。

 

「一番の課題は就労。働き盛りで一家を支えているのに、退職を余儀なくされ、経済的に困窮する人が少なくありません」

 

自分で異変に気づいて、若年性認知症の初期で診断される人も増えていますが、そこにも課題が。

 

「診断前後から介護保険サービスの対象とされるまでの支援が未整備。“空白の期間”と呼ばれ、大きな問題になっています」

 

認知機能の低下に伴う本人の心理状態

 

 

単なるもの忘れ? 認知症?
自己診断する方法はありません。

 

もの忘れが続くと、認知症ではと不安になることが多いけれど…。

 

「単なるもの忘れと認知症の違いを、自分で判断する方法はありません。しいて言えば、もの忘れが年単位にひどくなっていたら、認知症の可能性があるかもしれません」

 

認知症のごく初期には、下記のような自覚症状もよく見られます。

 

「もちろん、これらの症状があったからといって認知症とは限りません。ただ、認知症の心配が出てきた段階にあるとはいえます。疲れや体調の変化に注意して、気になる症状が続くようなら医療機関に相談してみてください。最近は、自分で異変に気づき、一人で受診する人が本当に増えていますよ」

 

ごく初期の自覚症状

 

ごく初期の自覚症状

 

 

もしかして…と思ったら、信頼できる友人
「私、どう?」とまずは聞いてみる

 

もしも自分で不安に思ったとき、最初に相談するなら家族よりも他人のほうがいい、と繁田雅弘先生。

 

「家族は関係が近すぎるから、“わ、大変だ!”と冷静さを欠くことが多いんです。本人の不安や混乱している気持ちそっちのけで、一刻も早く医療機関に連れて行かねばと焦ってしまいがち。

 

その点、距離感のある他人は冷静です。信頼のおける昔からの友人なら変化にも気づきやすいし、正直に教えてくれるはず。友人に付き添ってもらって受診する人もいますよ」

 

認知症の原因となる疾患が直接関係して起きる脳の機能低下(中核症状)はまわりも観察できます。

 

「同じことを何度も話す・尋ねる、忘れものや置き忘れが目立つ、仕事や家事が以前のようにできなくなっているなど、今までとは違う少し不思議な様子が見られます」

 

 

取材・原文/石丸久美子

 

 

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