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[チェックリスト] 睡眠を自己診断。眠っても疲れが取れない原因は?

梶本修身さん

梶本修身さん

1962年生まれ。大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長。疲れと眠りの研究と治療にあたりながら、テレビや雑誌などでも啓蒙活動を行う。著書多数

こんな人は要チェック!

眠りには無自覚でも、日中なんとなく眠くなる、
風邪を引きやすい…といった状態も、実は睡眠が原因かも。
あなたはこのチェックポイント、はたしていくつ当てはまりますか?

 

 

"睡眠の質" を上げると

体にこんないいことが!

 

では、疲れを取るための"上質な睡眠"を邪魔しているのは、どんなことなのでしょうか?

「実は、質の悪い睡眠を取っている人の中には、それを自らが招いているという自覚がないことも多々あります」(梶本先生)
ここに挙げた項目に心当たりはあり ませんか?  これらを回避することで、睡眠の質が高まり、疲れが解消され、体にさまざまな"いいこと"が。

 

①細胞が修復されて「疲れにくくなる」、②免疫力が上がり「病気にかかりにくくなる」、③脳内が整理されて「記憶力がアップ」、④「仕事や作業効率が高まる」、⑤「生活習慣病のリスクが低下する」、⑥体の酸化を防ぎ「美容&アンチエイジング効果を高める」、⑦ストレスが減り「情緒が安定する」など、まさにいいことずくめ!

以下のチェックリストで当てはまる 項目が多かった人は、睡眠の質に問題ありです。

 

 

□いびきをかく

自分のいびきで目が覚めてしまうこともある“いびき"は、悪い睡眠の代表格。

「いびきは、気道が狭くなっているために呼吸で摩擦が生じている音です。酸素不足に陥りやすく、脳への酸素供給を維持するため、血圧や心拍を上昇させます。つまり、本来は休ませるはずの睡眠時に、自律神経を残業させているわけで、これが疲労を解消できない原因のひとつに。いびきが悪化すると、呼吸が停止する睡眠時無呼吸症候群になることもあるので注意が必要です」(梶本先生)

 

□寝汗をたくさんかく

「睡眠中は誰でも汗をかきます。発汗して深部体温を下げることで、睡眠の質を上げることができるので、ある程度は必要です。とはいえ通常は手のひらや足の裏からの不感蒸泄(発汗以外の皮膚や呼気からの水分喪失)で十分。全身から大量に寝汗をかくのは、熱すぎる体温調整のためで、寝ている間も自律神経を疲れさせてしまいます。寝室や布団の中の温度調整が必要です」

 

□ベッドに入るとすぐに眠りに落ちる

え? それは不眠の人からしたら、うらやましい現象では…と思いがちですが、実は悪い睡眠の可能性があります。

「本来、睡眠に入るときは、 10 分ほどかけて覚醒から睡眠状態に少しずつ入ります。それが、瞬時に眠りに落ちるのは、いわゆる“寝落ち"。日々の睡眠の質が悪かったり、慢性的に睡眠不足だからです。つまり、心身が疲労困憊である証拠で、このタイプは途中で何度も目が覚めるケースが多く、疲労を十分に回復できていないかもしれません」

 

□目覚ましで起きる

目覚まし時計で起きるのは、きわめて普通のこと…と思いがちですが、実はこれも悪い睡眠を助長している可能性が。

「本来なら光とともに、自然に目覚めるのが理想です。これを無理に、突然大きな音で起きるのは、睡眠という副交感神経優位のリラックス状態から、いきなり交感神経優位の戦闘態勢になること。これでは、一日の始まりから自律神経を酷使することになります」

 

□朝起きると体に痛みを感じる

目覚めた直後に首や肩、腰などに痛みを感じるなら、寝具に問題があるかも。

「合わない寝具を使い続けると、当然睡眠の質は下がります。枕は高すぎても、低すぎてもNG。マットレスや布団は、腰が沈みすぎないものを。硬すぎるのも、接触部位を疲れさせる原因に。寝返りがしやすいことも寝具選びには大切です」
睡眠の専門家がいる寝具店や売り場で、自分に最適なものを選びましょう。

 

 

 

 

□起きて4時間以内に眠気を感じる

「たとえ良質な睡眠を取っていても、午後2時頃には眠気を感じることがありますが、これは問題ありません。しかし、起床後4時間以内での眠気は問題です。体内リズムからいうと、この時間帯はしっかり目覚めて、活動態勢になっているはず。しかし、悪い睡眠だと、この時間ですら、眠気を感じてしまうのです。悪い睡眠が慢性化すると、日中のパフォーマンスの低下を自覚しにくくなります。睡眠の質のチェックに、この“4時間以内の眠気"をひとつの目安に!」

 

□昼間、注意力散漫でミスが多い

「睡眠不足、質の悪い睡眠が続くと、注意力が低下して、ミスが多くなります」

海外の大学で行われた研究では、6時間睡眠が 10 日を超えると、徹夜明けと同じくらい認知機能が低下する結果が。これは酎ハイ7~8杯を飲酒した状態とか。

「睡眠の適正時間は人によって違うので、6時間睡眠の人がみんなそうなるわけではありませんが、確かに睡眠不足が認知機能を低下させる傾向はあります」

 

□血糖値や血圧が高い

「血糖値や血圧が高い生活習慣病の原因というと真っ先に食習慣を思い浮かべますが、実は睡眠も大きく関係しています」
睡眠の質が悪いと、疲労がたまる→自律神経の機能が低下→交感神経が優位になり、インスリンの分泌が抑制される→血糖値が上昇=「糖尿病のリスクが高まる」という図式です。

「血圧や心拍数の上昇も、さまざまな要因があるので一概には言えませんが、睡眠の質が慢性的に低下すると高血圧症の原因になります。

 

□うたた寝をよくする

会議中についウトウト、家のソファでうっかり“寝落ち"…。そんなことが頻繁に起こる場合は、悪い睡眠のサイン!

「日中に眠気を感じるのは、睡眠の質が悪いから。また、うたた寝をすることで、夜は眠れなくなるという悪循環を招いている可能性もあります。この状態が強い人は、睡眠時無呼吸症候群や、昼間激しい眠気に襲われるナルコレプシーという病気の場合もあるので専門医に相談を」

 

□気分が沈みがち

「最新の研究では、たった5日間睡眠不足が続くことで、情緒不安定やうつ症状が強まるという結果が。これは、睡眠不足により、脳にある扁桃体という感情の動きをコントロールする部分が過剰に反応するようになるからです」

特に影響を受けやすいのが子ども。子どもはただでさえ感情のコントロールがうまくできないので、寝不足は大きく影響します。感情の起伏が激しいのは性格の問題ではなく、実は睡眠が原因かも。

 

□風邪を引きやすくなった

「ウイルスが体内に侵入すると、それを撃退するために免疫機能が働き、一時的にだるくなることがあります。体のほかの機能を休息させて、ウイルスの撃退に集中させるためです。しかし、慢性的に睡眠の質が悪く、自律神経の働きが低下した状態、もしくは休ませたいのにそれが不十分だと、こうした免疫機能がうまく働かず、結果、風邪やインフルエンザを引きやすく、長引かせることに」

 

□休みの日は寝だめする

休日にたくさん寝て、平日の睡眠不足(=睡眠負債)を解消しようとする人が多いようです。特に平日と休日で起床時間の差が2時間以上ある場合は要注意!

「月曜からまた平日のリズムに戻すことが自律神経への大きな負担になり、結果、疲労がたまります。日々の睡眠不足を休日にある程度補うことはできますが、毎日、同じ時間に起きて、睡眠リズムを整えることのほうが重要です」

 

 

 

次回は、「疲れが取れる」睡眠を得るための生活習慣20カ条をご紹介します。

 

 

イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子

 

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