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SDGsの風も吹いてる! 美と迫力の集英社出版四賞授賞式にワクワク

オチャリーナ

オチャリーナ

お茶好き、カフェ好きで、お茶のんで仲間とおしゃべりするのが至福。
コリ症、冷え性なので、鍼とかお灸で癒しています。
由紀さおりさん、十朱幸代さんと、本を担当したセンパイ女性たちの
美と健康の実践に刺激を受けつつ、つい「明日からやろう」とナマケがち(汗)

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こんなにカッコいい大人の女性たちを一度に目にすることって、なかなかないぞ! と、最近珍しくオチャリーナが興奮したのは、先日行われた小社の四つの文芸賞、柴田錬三郎賞、すばる文学賞、小説すばる新人賞、開高健ノンフィクション賞の、贈賞式でのこと。
 
自社のことゆえお手盛りかと思われそうですが、マジで感激したので、イチ読者目線で書かせていただきます。

 

贈賞式に続くパーティも、華やかに盛り上がっていました! 

 

今年の受賞作は、それぞれに話題の作品とあって、楽しみにしつつ式の末席に参列したワタクシ。賞の贈呈、各賞の選考委員からの選評と式は続きます。そして、第32回柴田錬三郎賞の選考委員を代表して最初に登壇された篠田節子さんのお話が始まると、目も耳も釘付けに。

 

まず篠田さんの凛とした輝きにドキドキ! そして、私も既に読んで圧倒された今年の受賞作、姫野カオルコさんの小説『彼女は頭が悪いから』の選評が進むにつれ、なぜこの作品を選んだか、この作品がどんなふうに優れているかを、真摯に語られる内容とご様子に胸打たれたからです。

 

柴田錬三郎賞選考委員を代表して選評を語る篠田節子さん。シャンパーニュ色のドレスに気品が漂います

 

ちょっとギョッとする受賞作のタイトルは、作品のモデルになった強制わいせつ事件の加害者が、実際に法廷で語った言葉。
 
裕福な家に育った超一流大学の学生が、「平凡な女子大生」を相手に起こした事件。しかしその報道が出ると、不当にも被害者の女性のほうを非難する声がネットなどで盛り上がるという事態に。ゆえに、その事件を題材に小説にしたこの作品にもやはり、異論や反論、逆風もあったといわれます。
 
しかし、そうなることも予測されながら、あえて姫野さんが本作を書いたことについて「作者の心意気を感じた」としたうえで、続けて、とても鮮やかにこの作品の魅力と意義を指摘されました。

 

「この作品の背景にあるのは格差が拡大されていった社会。

階層的に上位のものが、下のものに対して行ったのは、女性に対する性的暴力だけでなく、人をモノとして玩ぶもの。

それが、事件化したときには、周りのわかりやすく雑な議論、というより中傷、に巻き込まれている。

この作品では、(そうした中傷に対して)

『いや、そういうものではない』、

ということを、1人の作家として丁寧に丁寧に描いて、事実の向こう側にある真実を描き出している。」

 

うかがっていて「ほんとに、そういう作品だった!」とヒザをバンバン打つ思い。この作品に賞が贈られたことをあらためて嬉しく思いました。

 

そして、受賞者である姫野カオルコさんは、イケメン(受賞作に感動して長い手紙を著者に送られたという、22歳の俳優、原沢侑高さん)にエスコートされて登場。
姫野さんは、繊細そうでありつつも、ピンとしっかりとした筋が通っているようなたたずまいがカッコイイ女性。
 
スピーチをうかがってびっくりしたのは、なんと高校時代、姫野さんは柴田錬三郎の小説が大好きだったというのです。しかも、「手紙を書いていた」「生徒手帳に写真を入れる」というほどの。そんな(しかもちょっと懐かしいディテールの)伏線がリアルにあったとは、さすが作家!と驚かされました。

 

姫野さんの受賞の言葉と、選考委員全員の選評は、現在発売中の『小説すばる』12月号 に掲載されていますのでぜひチェックを。(以下にご紹介の書籍・雑誌等も、イチ読者としてのオススメです)

 

ステキな笑顔の姫野さん。プーマのジャージ姿もおしゃれです!

 

文中で選考委員の林真理子さんは本作を「平成の最も重要な本」とし、桐野夏生さんは「そのディテールから、登場人物が意識していない人間の本性とでも言うべきものが浮かび上がる」と書いていらっしゃいました。伊集院静さん、逢坂剛さんも、それぞれに鋭い言葉で評価する言葉を寄せていらして、そのどれもに深くうなずきます。

 

そんな受賞作『彼女は頭が悪いから』(文藝春秋)こそ、ぜひ読んでいただきたい。「今の社会」の一端が見えて興味深く、すごく考えさせられると思います。題材が題材だけに、「スカッと爽やか」な本ではないと思いますが、「見たくないものも見つめると、いろんな現実や、さらにその先の何かを考えるものなんだなぁ」と、しみじみ思わされた作品でした。

 

ベストセラーにもなった話題作。帯のフレーズは、事件当時に被害者にかけられた非難の言葉に由来

 

で、ふと気がつけば、今年から5名の選考委員のうち、3名が女性と、男性優勢でない構成は同賞では初めてかも?

たまたまのタイミングとはいえ、その構成で初めて選ばれるのに、これ以上ふさわしい作品もないだろうな、と感じました。

 

昨今よく聞く言葉に、「SDGs」(2015年に国連が採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」)というのがあります。その「2030年までに達成を目指す17の国際目標)」のひとつが「ゴール3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上」。日本でその「SDGs」が盛んに語られるようになったのと時を同じくして、しかも世界的に女性の生き方を考える「フェミニスト文学」が隆盛の中、この作品が受賞したこともまさに今年らしい結果かもしれません。

当日来場された受賞作家や選考委員のみなさんは、男女問わず品格も風格もおありなのですが、やっぱり気になるのは、同世代や先輩の女性作家さんたち。姫野さん、篠田さんを始め、桐野夏生さん、林真理子さんもアワエイジ世代~ですが、それぞれに迫力のあるたたずまいと装いに、ほれぼれ。

作品を通して人間や社会を見つめてきた方々の、凄みと柔らかさが同居したようなホンモノの美しさを、つい目で追ってしまうワタクシでした。「やっぱり本を読まなくてはね」、と思った次第。

 

もちろん同時授賞の3賞の受賞者4名(今回の「小説すばる新人賞」は、激論の末、珍しい2作受賞となったため4作受賞)のみなさんと、選考委員の先生方にもステキな女性たちが勢ぞろい。受賞者が全員女性、というのは昨今は他の文学賞でも珍しくないようですが、またこれがチカラのある作品揃いらしく・・・。まだ読んでいないのですが、それぞれの受賞の言葉や選評が、やはりすばらしく、「読まねば」と思うものばかり。

なかでもやはり選考委員代表でスピーチされた田中優子さんの、「今まで見たこともない世界が開かれていく思いがした」「読んだことのないノンフィクション」という選評に強く惹かれた開高健ノンフィクション賞受賞作『聖なるズー』は、これまたスリリングな読書になりそうですが、読まねばと思っています。

 

 「すばる」11月号はバックナンバーですが、ウェブから購入可能。 

 

「小説すばる」12月号は、発売中。(写真は、祝賀パーティでの展示から)

 

小説すばる新人賞の宮部みゆきさんの選評、登壇された選考委員&著者中の「黒」一点、すばる文学賞の選評をされた高橋源一郎さんの選評にもうならされましたが、長くなるのでこのへんで。

各賞の選評は、すばる文学賞は「すばる」11月号(受賞作全文掲載)、小説すばる新人賞は「小説すばる」12月号(受賞作2点の抄録も掲載。柴田錬三郎賞発表と同じ号です。お得!)に。開高健ノンフィクション賞選評は集英社「Kotoba」秋号で読めます。

 

田中優子さんが絶賛された『聖なるズー』。単行本が発売されたばかりです

 

ということで、どちらかというと選考委員のみなさまにフォーカスしたつぶやきになりましたが、受賞者のみなさんのご発言については、各種メディア、なかでも朝日新聞社の読書メディア『好書好日』に詳しく報道されていますので、ご興味あればぜひご覧くださいねー。

 

「文学賞」というと、ちょっとスノッブでとっつきにくいと思っていた私ですが、ドキドキ、ワクワクするものなんだ!と、今回は発見した気分。「読書の秋」から冬にさしかかるこのごろですが、文学と社会の「旬」を味わう気分で、各作品をじっくり読んで会場で見つけた「ホンモノの美しさ」に一歩でも近づけたら、と思います。

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