磯村勇斗さんの演技の振り幅にびっくり！（インタビュー／前編）

純朴な好青年から金髪ヤンキー、小悪魔的な同性愛者などなど、次から次へと幅広い役柄を好演し、若い女性から大人まで、多くのファンを「沼」に引きずり込んでいる。

そんな磯村勇斗さんが新作映画『ヤクザと家族 The Family』で挑戦しているのが、地方都市に住む半グレ集団のリーダー、翼。

令和バージョンの新しい、だけど本格的なヤクザ映画の中で多くの先輩俳優に囲まれながら、くっきりと存在感を発揮した。

1月29日の公開を前に今、彼が思うのは･･･。

撮影／萩庭桂太　ヘア＆メイク／佐藤友勝　スタイリスト／齋藤良介　取材・文／岡本麻佑

磯村勇斗さん
Profile

いそむら・はやと●1992年9月11日、静岡県生まれ。2015年、『仮面ライダーゴースト』に出演。2017年にはNHK連続テレビ小説『ひよっこ』でヒロイン(有村架純)の相手役を演じ注目を集める。ドラマ『今日から俺は!!』(18 )や『恋する母たち』(20)での好演も話題を呼んだ。主な映画出演作に『覆面ノイズ』(17)、『恋は雨上がりのように』(18)、『ういらぶ。』(18)、『春待つ僕ら』(18)、『今日から俺は!!劇場版』(20)、『新解釈・三國志』(20 )、公開待機作に『東京リベンジャーズ』、劇場版『きのう何食べた？』などがある。

綾野剛さん、舘ひろしさん、

先輩方の圧がすごかった

「この翼という役は、運命的なものを感じて、どうしても自分がやりたいと思ったんです。ロケ地が僕の地元の静岡・沼津と聞いて、使命感のようなものも感じましたし。

もともと昭和の任侠映画とか、好きなんです。菅原文太さんとか松方弘樹さんとか、大スターの方たちが、今とは全然違うカッコ良さ、渋さで時代を築いてきた。もちろん今回の映画は現代のヤクザとその家族をテーマにしていますから、テイストが少し違いますけどね。

あの『新聞記者』を撮った藤井道人監督が、綾野剛さん主演でヤクザ映画を撮ると聞いて、とにかく参加したいと思いました」

仮面ライダーから朝ドラという、いわば若手俳優のエリートコースを順調に歩んできた磯村勇斗さん。その後の活躍がまた、スゴイことになっている。

『今日から俺は!!』の卑劣な金髪ヤンキー・相良猛(さがらたけし)、サウナを愛する男たちをスケッチした『サ道』のイケメン蒸し男(むしお)、ドラマが大好評で映画版の公開が待たれる『きのう何食べた？』では恋人(山本耕史)を翻弄する美少年ジルベール、そして昨年12月に終わったばかりの『恋する母たち』では家庭を持つ女性上司(吉田羊)に真っ直ぐに想いを寄せる赤坂クン･･･。

演じる役の振り幅が大きいのは、どんな役でも自分のものにしてしまう、卓越した演技力があればこそ。

今回の作品では、ヤクザが社会から疎外されていくのを間近で見ながら、新たに台頭する半グレ集団のリーダーを演じている。役柄のイメージのまま、この日の撮影に臨んだ彼の姿は、新鮮かつ魅力的だ。