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滋賀県の旅<前編 >延暦寺と比叡山を歩こう

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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滋賀県の旅 前編

延暦寺と比叡山を歩こう

 

 

こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。

全国各地のお寺と神社を旅して、

お役立ち情報をお伝えしています。

今回は、滋賀県の琵琶湖の西岸を中心とした

寺社巡りと絶景巡りの旅をご紹介します。

前編は、延暦寺と比叡山を巡ります。

 

 

延暦寺は、滋賀県と京都府の県境にそびえる比叡山にあり、

1200年の歴史と伝統を誇る仏教の聖地です。

しかし、「延暦寺」というひとつのお堂があるわけではなく、

比叡山の山内にある500ヘクタールの境内地に点在する約150ほどの堂塔の総称です。

吉田_延暦寺_1

 

比叡山に登るには、滋賀県側から、京都側から、

ケーブル、バス、車など、いくつかの方法があります。

山上にはバスが走り、堂塔のある地域を巡っています。

大きく分けて次の三つのエリアがあり、それぞれに本堂があります。

 

 

東塔(とうどう)

延暦寺発祥の地。伝教大師最澄が延暦寺を開いた場所であり、総本堂である根本中堂をはじめ各宗各派の宗祖を祀る大講堂など重要な建物があります。京都側からのバス、滋賀県側からのケーブルなどもここに着きます。今回宿泊する宿坊「延暦寺会館」もこのエリアにあります。

 

根本中堂

吉田_延暦寺_2

延暦寺の総本堂。本尊は薬師如来です。

延暦寺を開いた伝教大師最澄が延暦7年(788)に創建した一乗止観院(いちじょうしかんいん)が元で、その後何回も災害に遭いましたが、そのたびに復興されました。現在の姿は徳川家光の命によって、寛永19年(1642)に竣工したものです。ご本尊の前には、1200年間灯り続けている「不滅の法灯」も安置されています。延暦寺会館に宿泊すると、このお堂の中で行われる朝のお勤めに参列できます。

 

大講堂

吉田_延暦寺_3

本尊は大日如来で、その左右には比叡山で修行した各宗派の宗祖の木像が祀られています。日本の宗派の開祖の多くがここ比叡山で修行をし、その後山を下りてそれぞれの宗派を開いたのです。また、外陣には釈迦を始めとして仏教及び天台宗ゆかりの高僧の肖像画がかかっています。仏教の歴史を学ぶことができる貴重なお堂です。

 

見どころは次のページにも続きます。

●西塔(さいとう)

本堂にあたる釈迦堂を中心とする区域です。

 

釈迦堂

ご本尊は釈迦如来。延暦寺に現存する建築では最古のもので、もとは琵琶湖のほとりにある三井(みい)寺(園城寺)の金堂でしたが、豊臣秀吉が文禄四年(1596年)に、こちらに移築しました。

吉田_延暦寺_4

にない堂(常行堂、法華堂)

吉田_延暦寺_5

二つの同じような形のお堂が渡り廊下によってつながれています。

向かって左が常行堂で右が法華堂です。

どちらも僧侶の方が厳しい修行に使われる建物で、

普段、一般の人は内部を拝観することができません。

源義経の従者、武蔵坊弁慶が両堂をつなぐ廊下に肩を入れて担ったと言われるため、にない堂とも呼ばれています。と言っても、実際には、人間が担げるようなサイズではありませんが、弁慶力持ち伝説のひとつです。

 

 

 

横川(よかわ)

三代目の天台座主、慈覚大師円仁によって開かれた地域です。

 

横川中堂

吉田_延暦寺_6

舞台造りで、海に浮かぶ船のように見えるのが特徴です。遣唐使船をモデルにしたということです。特に、階段の下からこのように見上げた角度が美しいです。

 

元三大師堂

吉田_延暦寺_7

慈恵大師というお坊さん(1月3日に生まれたということで元三大師とも呼ばれる)の住居跡と伝えられます。この方は「おみくじ」の元祖とも言われ、こちらのお堂の中で、特別なおみくじを授与していただけます。

吉田_延暦寺_8

元三大師は、「角大師」とも呼ばれています。

疫病が流行し、元三大師は、人々を救うために大きな鏡に自分の姿を映して静かに禅定に入られました。すると、元三大師は骨と皮だけの鬼の姿となりました。その姿をお札に刷って家の戸口に貼ると、疫病が退散しました。そのため、今もこの角大師のお札を貼る家があります。ちょっとユーモラスでかわいい感じもしますね。

 

延暦寺のホームページ

http://www.hieizan.or.jp/

 

さて、比叡山でのお泊まり、食事は…宿坊のご紹介は次のページで!

比叡山でのお泊りは、ぜひ、宿坊の延暦寺会館で。

宿坊と言ってもちょっとした高級旅館並みの設備で、とても快適です。

今回泊めていただいたのはベッドのお部屋。広々として、バス・トイレも完備です。

吉田_延暦寺_9

 

お食事は精進料理です。

かなり豪華でボリュームもあり、デザートにフルーツやスイーツもついてます。

比叡山は水道がひかれておらず、お山の湧き水を使っているため、

ごはんも飲み水もおいしいです。

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お寺で精進料理をいただく際、それが修行体験の中のひとつであれば、細かな部分までお作法があり、きちんと守らねばなりません。

今回は修行体験ではないので普通にいただけばよいですが、食前と食後に手を合わせ、「いただきます」と「ごちそうさま」は忘れずに。箸の袋の裏側に、食前と食後の祈りの言葉が書かれていますので、唱えてみるのもよいですね。

 

事前の申し込みが必要ですが、写経や坐禅止観(ざぜんしかん)の修行体験もできます。

今回は、赤松光仁僧侶にご指導いただきました。

吉田_延暦寺_13

※この写真のお堂では、通常は坐禅止観体験はできません。

但し、「比叡のさくら」の期間中は特別に対応していただけます。

その他の日は、延暦寺会館内で行われます。(予約要)

 

 

すべての部屋がそうではありませんが、

琵琶湖の眺望がすばらしい部屋もあります。

昼間、夜景、朝、それぞれに美しいです。

吉田_延暦寺_14

早起きしてご来光を見たあとは、根本中堂まで歩いて行き、

朝のお勤めに参列します。

さまざまな鳥の声を聴きながら、誰もいない早朝の延暦寺の雰囲気を楽しみましょう。

 

延暦寺会館のホームページ

http://syukubo.jp/

 

その他の立ち寄りどころについても、次のページでご紹介します。

比叡山内、その他の立ち寄りどころ

 

山内をドライブしていると、あちこちに絶景ポイントが見つかります。

その中でももっともおすすめなのが、比叡山峰道(みねみち)レストランからの眺めです。

眺望だけでなく、お料理もなかなかおいしく、わたしは特に、このカツカレーが気に入りました。カレーの味にとても深みがあったので、料理長さんに作り方を聞いたところ、「秘密です」とのこと。なんでも、たくさんの野菜が煮込まれているようですよ。

吉田_延暦寺_15

比叡山峰道レストランのホームページ

http://www.hieizan.co.jp/restaurant/restaurant.html

 

 

 

比叡山は「和」のイメージの強いところですが、

洋風の素敵な庭園を楽しめるガーデンミュージアム比叡という施設もあります。

広い園内には季節の花が咲き乱れ、まるでフランスの田舎に来たような気分。

吉田_延暦寺_16

ところどころに、モネ、ルノアールなど、印象派の画家たちの代表作の複製画も立てられ、雰囲気を盛り上げています。この絵は陶板に描かれているため、野外に置いてあっても劣化しないのだとか。敷地内には、京都を見晴らす展望台、カフェ、素敵なグッズ満載のミュージアムショップもあって、そぞろ歩きをしているうちに時間を忘れてしまいそうです。

 

ガーデンミュージアム比叡のホームページ

http://www.garden-museum-hiei.co.jp/

 

 

 

 

吉田さらさ 

公式サイト

http://home.c01.itscom.net/sarasa/

個人Facebook

https://www.facebook.com/yoshidasarasa

イベントのお知らせページ

https://www.facebook.com/yoshidasarasa2

 

 

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