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イタリア料理とミネラル水の選び方

竹村和花

竹村和花

ミネラル水鑑定士協会(イタリア)公認水ソムリエ&水鑑定士(n.2689
2004年より 社)日本温泉協会にて6年間温泉コラムを連載。取材活動を通して日本の温泉が抱える源泉問題を知る。
2008年EUの地下水源の実情と法環境を取材調査するため現地に活動拠点を移す。
2019年フィレンツェ大学法学部で就学後、一時帰国中にミラノがロックダウン。
現在は日本からイタリアの生活で培った情報を発信中。
【所属】 社)日本旅行作家協会・正会員、温泉学会・理事

 

 

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イタリア料理とミネラル水の選び方

ボン・ジョルノ!こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。

イタリアの晩秋の味覚というとトリュフ、そして新ワインに新オリーブ・オイル。

そこで今回はイタリア料理をテーマに「お料理に合ったミネラル水の選び方」についてお届けしていきたいと思います。

 

<旬を食べるイタリアの暮らし方>

日本だけでなく世界中で人気のイタリア食材。

お土産として選ばれる食材の定番は?というとドライ・トマトやポルチーニ、パスタ、それにパスタソースなどなど。

今も人々の暮らしのごく身近な場所として“市場”が生きているイタリアでは、その季節ならではの旬の食材を食べることがベースになっています。

また太陽の光りを浴びて熟した“露地もの”野菜も基本。

そのため、この時期目にするトマトなどの夏野菜やフルーツなどは南イタリアやアフリカなど真冬でも太陽のチカラで育った野菜が入ってきます。

なので、色だけ赤くて味のしないトマトというのはありません。

 

またフィレンツェのように海から離れた町では、スーパーマーケットなどの鮮魚コーナーはとても小さいのが特徴です。

つまり地理的な事情から伝統的に魚を食べる習慣の少ない町では、今でもむりやり魚をそろえたり、魚を売ろうとは考えないのがイタリアです。

そういう点では、イタリアの人々の暮しは今も時代の流れに関係なく、昔ながらの暮しのスタイルを固持しているといえます。

季節のものを、家族や友人と一緒に楽しく美味しく食べる。

それが一番自然で、お値段も安くて、美味しい暮らし方――エコで持続可能な生き方なのだと感じさせられます。

 

<イタリア料理とは家庭料理>

さてこうした伝統的な暮らしのスタイルを変えようとしないイタリアですが、彼らの愛するイタリア料理とはどのようなものなのでしょう?

イタリアを紹介する旅行ガイドブックでは『イタリアには、イタリア料理というのは存在しない。イタリアにあるのは郷土料理だけ』といった表現を目にします。

それもそう、確かにイタリアでは郷土料理がイタリア料理の代表のように語られます。

でも。

イタリア人にとってホンモノのイタリア料理とは「マンマの味」以外にはありません。

それは時には郷土料理として紹介されるメニュー(料理名)のひとつなのですが、実際には彼らが小さい頃から食べて育った「家庭料理」なのです。

 

日本人の多くが「イタリア料理」だと思っているものやイメージしているレストラン。

その大半は幻想で、それらは旅行を通しては味わうことのできないものがほとんどです。

イタリアの家庭料理――それは、週末やヴァカンスに久しぶりに帰ってくる息子や娘夫婦のために、家の台所を預かる主が“彼らの顔を思い浮かべ”、“彼らのためだけに作る”手料理の数々――。

 

ゆえにフランスの伝説的な料理人は、このような素晴らしい名言を残しています。

「今日、レストラン産業が大きな世界市場と化してゆく中で、真の食卓の豊かさと言うのは失われつつあり、それは既に絶滅の危機に瀕していると言ってもよい。

もし我々が、本当の食卓、ほんもののテーブルの持つ豊かさに触れようとするなら、それはイタリアの田舎に行き、大家族を迎える時にその家の祖父母らが作る手料理の中でしか味わうことはできないだろう」

と。

 

 

次ページに続きます。

<お料理の味を引き立てるミネラル水の選び方>

さて最後に、こうした独自の文化を固持するイタリア料理とミネラル水のコーディネイトについて紹介したいと思います。

 

晩秋のイタリアではポルチーニや栗、トリュフ、そして新ワインに新オリーブ・オイルと、この時期ならではの旬の食材が次々と登場します。

この時期は、日本の輸入食品店やネットショップなどでも、旬のイタリア食材が手に入りやすいシーズン。

本格的な冬が始まる前に、ぜひイアリアの人達のように家族や友だちを招いての「旬を楽しむ」週末ご飯を企画してみてはいかがでしょうか。

そして自宅で本格的なお料理をふるまう時には、ワインだけでなく是非お料理に合ったミネラル水もコーディネイトしてみましょう。

 

ミネラル水のコーディネイトは、日本ではまだまだ一般的ではありません。

でも旬の食材の味をより深く味わう工夫として、ミネラル水の選び方を覚えておくと、より楽しいテーブル・トークが楽しめると思います。

というのも、旬の食材や野菜などの繊細でやわらかな味わいはとてもデリケート。

取合わせの飲みものによっては、せっかくの風味が押し殺されてしまうからです。

特に炭酸入りのミネラル水は、舌への刺激が強すぎて生野菜の甘味や風味を存分に味わうには不向きです。

こういった繊細な味わいの食材には、無発泡タイプのスチールウォーターを野菜庫で冷やして取合わせるのがおすすめです。

逆にトリュフなどの濃厚なソースでお料理を楽しむなら、ミネラルのしっかり入った(普段なら)飲みにくいミネラル水の方が、お料理の味を引き立ててくれます。

またこってりとした煮込み料理なら、炭酸などでお口の中をさっぱりさせることもテーブル・コーディネイトのポイントになります。

 

 

今月のおすすめ銘柄 

FONTE VIVA(フォンテ・ヴィーヴァ)

源泉はトスカーナ州のマッサ・カッラーラ。ミネラル水の中に含まれている成分の総量は49.6mg/L。同じ成分総量の基準としては、日本の水道水質基準が500mg/L以下ですので、日本人の口には飲みやすい条件になっています。それでも味が心配という方には、炭酸(発泡)タイプを冷やして飲むことをおすすめします。

【水タイプ】

産地泉源:イタリア/トスカーナ州

湧水温度:10.7℃

水タイプ:発泡/無発泡

知覚ほか:無臭/pH6.4

ミネラル:重炭酸:31.0mg,カルシウム:7.7mg,ナトリウム:4.7mg,マグネシウム:2.6mg,塩化物:10.8mg,炭酸:24.0mgほか ※イタリアでの分析による(per.L)

 

【水ソムリエの飲み方レシピ】

ミネラル水のテーブル・コーディネイトでは、生野菜や繊細な味わいを楽しむには成分総量の少ないスチールウォーター。味わいのしっかりしたものには炭酸(発泡)タイプを合わせるのが基本になります。もしどうしても苦手という方がおられる時には、微発泡のミネラル水を合わせていきましょう。

 

<ショップ情報> アマゾンなどインターネット販売,リカーショップ,輸入食材店ほか

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