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「私の人生、面白い!」南果歩さんの毎日(インタビュー/後編)

本格的に舞台に立つのは、数年ぶり。

揺れながら、闘いながら、南果歩さんは

『オイディプスREXXX』(オイディプスレックス)の初日を迎えようとしている。

相変わらず身体を鍛え、食事に気を配り、マインドも充実。

大事なのは歩き出すこと、手を伸ばすこと、明日を信じること。

 

(舞台への思いを語った、インタビュー前編はコチラ

 

撮影/萩庭桂太 ヘア&メイク/黒田啓蔵(Three PEACE) スタイリスト/中井綾子(Crêpe) 取材・文/岡本麻佑

南果歩さん

Profile

みなみかほ●1964年1月20日、兵庫県生まれ。1984年に映画『伽倻子のために』(小栗康平監督)の主役でデビュー。『夢見通りの人々』(89)でエランドール新人賞、同作と『螢』(89)でブルーリボン賞助演女優賞、『お父さんのバックドロップ』(04)で高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞。近年の主な出演作に、舞台『パーマ屋スミレ』(12、16)、ドラマ『定年女子』(17)、映画『オー・ルーシー!』(18)などがある。オムニバス映画『21世紀の女の子』は2019年新春公開予定。

 

 

私の人生、面白い!

「ああ、私、ここから始まるな」って

 

舞台を前に、体力作りも万全だ。

 

「稽古に入る前、しばらくアメリカにいたんです。語学学校に行って、あとは身体トレーニングをしていました。

今、西海岸で『Barre3』(バースリー)というワークアウトがすごく流行っていて、それがとても素晴らしいんです! とにかくコア(体幹)を鍛えて、下半身強化。太もも、ヒップ、脚力を鍛えるんですけど、すごくキツイ。足がビリビリになるくらい、でも身体が喜ぶんです」

 

日本未上陸の『Barre3』、どうやって出会ったかというと、

 

「滞在先で、近所のワークアウトスタジオをネットで調べて、あとは動物的勘です。行き当たりばったり、内容を知らないまま行くんです。だって予期せぬ事って、楽しくないですか?

行ってみたら『Barre3』をやっていて、しかもすごく良い先生と出会えたので、週に4回くらい通いましたね。めっちゃ身体を作ってきました(笑)」

 

積極的で自由自在。なんか、カッコイイ。

食事は基本、和食中心。

 

「たとえば今朝は、ご飯と味噌汁、昨日の肉じゃがの残りと、ほうれん草と梅干しでした。

舞台のときは、朝からがっつり肉食です。ガソリンだと思って食べるんです。で、本番前にもぎゅうぎゅうに詰めたお弁当を食べますね。炭水化物をしっかり摂ると、声の出もいいんです。

毎食、ご飯は絶対に抜きませんから、飽きないように、日によって五分づきにしたり、玄米食べたり。精米機があるので、その日によって変えています。

あ、スムージーも飲みます。材料は果物、野菜、ショウガと、甘酒はマスト、ですね」

 

身体を鍛え、バランスの良い食事をとっている、だけじゃない。愛犬、トイプードルのシャンティの存在が、元気と笑顔の素になっている。

「3年前に、友達からもらって飼い始めました。シャンティという名前は、長年やっているヨガから。ワークアウトの仕上げにいつもインストラクターの方が”シャンティ、シャンティ、シャンティ”って3回言うんです。

感謝とか至福とか、そういう意味のサンスクリット語の言葉らしいんですけど。ひとつ目は自分自身に、ふたつ目は自分のまわりにいる人たちに、みっつ目はすべての人に。素敵な言葉ですよね」

さらには最近、気分が晴れ渡る、こんなことがあったという。

 

「アメリカを旅行中、ニューヨークではブロードウエイで演劇やミュージカルも観に行きました。トニー賞を獲った『バンズ・ヴィジット』、素晴らしかったです。

その後、たまたま何の予定もない夜があって、ひとりで久しぶりに『ファントム』を観たんです。当日のチケットを安く買える窓口TKTSに並んで、1枚だけ買ったんですけど、それがなんと、最前列の真ん中の席だったんです!

実はずっと前、20代前半の頃もブロードウエイで、当時大注目だった『ファントム』を観たんですけど、そのときはプラチナチケットで、定価の8倍も出して観たんですよ(笑)。

それから30年近く経て、たまたま買った半額チケットが最前列とは! しかも『ファントム』はやっぱり素晴らしい作品で、最初に観たときと同じくらい感動しました」

 

劇場を後に、夜風に当たりながら歩いたとき、こんなふうに思ったという。

 

「私の人生って、本当に面白い! いったいどういうことかしら?って(笑)。ああ、私、始まるな、本当に始まるんだここからって」

 

それはきっと、神様の贈り物。一生懸命生きる人には、人生のお楽しみが待っている。

 

「とにかく外に出て、行って、見て、人と会うのが大事だと思います。ドキドキしたり疲れたり、大変だったりするけれど、でもそのほうが面白いことが起こるんです、きっと」

 

 

『オイディプスREXXX』(オイディプスレックス)

ソポクレス作のギリシャ悲劇を気鋭の若手演出家・杉原邦生が手がける注目の舞台。

2018年12月12日(水)~24日(月・休)

KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉

出演:中村橋之助、南果歩、宮崎吐夢ほか

公式HP:http://www.kaat.jp/d/oedipusrexxx

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