ピアノコンクールに若き天才たちが挑む、 満足度100%の感動巨編

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出版社勤務を経て、ライターに。『MORE』『COSMOPOLITAN』『MAQUIA』でブックスコラムを担当したのち、現在『eclat』『青春と読書』などで書評や著者インタビューを手がける。

前回小説をご紹介したので(『八月の六日間』)違うジャンルのものを、と思っていたのですが、夕食を忘れるほど興奮させられる1冊に出会ったので、今回も小説を。
「今年のマイベスト3に入る!」と確信した、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』です。
これは恩田さんの得意ジャンルとも言える青春小説で、特徴は若き天才たちが挑むピアノコンクールの模様がとてもリアルに描かれていること。
辻井伸行さんのドキュメンタリーや、ドラマ&映画も大ヒットした漫画『のだめカンタービレ』を思い出しました。

 

 

レベルが違いすぎる話で恐縮なのですが、私は一昨年40年ぶりにピアノのレッスンを再開し、亀のような歩みで継続中。
そこで痛感しているのは、曲を理解して気持ちをふくらませ、指に伝えることの難しさです。

 

 

練習ギライのダメ生徒だったので(今も!?)、肝心なところで頭を抱えているわけですが、練習しているとそれなりにうまくいくこともあって。

 

 

ちょっぴり快感を覚えつつ、「私でもこんな気持ちになれるのだから、天才と言われる人たちの場合はどうなんだろう。演奏中からだと頭はどんな状態になっている?」とつねづね思っていたこともあって、この本に飛びつきました。

書評_photo

『蜜蜂と遠雷』
恩田陸 幻冬舎 ¥1800(税別)
三年ごとに開催される芳ヶ江ピアノコンクールは「制した者は世界最高峰のピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあり、注目を集めていた。そのエントリーから本選までを時系列で描きつつ、課題曲や主役級の四人が弾いた曲のリストも掲載したこの小説は、読みながら“聴きたくなる”1冊

 

 

主役級の登場人物は男性三人、女性ひとりの四人。コンクールの進行を主軸にしつつ、彼らの人となりや音楽の個性、演奏のとき脳内に広がるイメージなどが、緻密にドラマティックに描かれていきます。

 

 

こんなふうに書くと「クラシックの知識がないとダメ?」と思われるかもしれませんが、全然大丈夫!(知っている曲が出てきたらもちろん楽しいけれど)

 

 

そんなことより、天才たちが互いをリスペクトしながら自分の個性を発揮し、ベストを尽くしていい音楽を奏でようとする姿に感動させられるというか、そんな彼らの姿や魂が尊く見えてきて、胸が熱くなるのです。

 

 

恋という言葉でも友情という言葉でも表せないような感情がある男女の間に生まれて、その行方も気になったんですけどね!
もちろん、コンクールならではの緊張感も痛いほど伝わってきて、「誰が予選を通過できるの? 本選の結果は?」とハラハラドキドキ。
そのせいか、ページをめくる指が時折震え気味だったのには、我ながら苦笑してしまいました。

 

 

さて主役級の四人をざっと紹介すると……

 

第31回
ピアノコンクールに若き天才たちが挑む、 満足度100%の感動巨編

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