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暮しの中の水文化

竹村和花

竹村和花

ミネラル水鑑定士協会(イタリア)公認水ソムリエ&水鑑定士(n.2689
2004年より 社)日本温泉協会にて6年間温泉コラムを連載。取材活動を通して日本の温泉が抱える源泉問題を知る。
2008年EUの地下水源の実情と法環境を取材調査するため現地に活動拠点を移す。
2019年フィレンツェ大学法学部で就学後、一時帰国中にミラノがロックダウン。
現在は日本からイタリアの生活で培った情報を発信中。
【所属】 社)日本旅行作家協会・正会員、温泉学会・理事

 

 

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竹村和花
新年おめでとうございます、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
年末年始の帰国で一番幸せを感じるのは、空の明るさ。
お天気の日には早朝から夕方まで、家の中に太陽の陽が差し込んできます。
こんな時、冬のヨーロッパの長く暗い朝を思い出し、日本ってなんてまばゆい光の国なのだろう!と感じます。
今回は「暮らしの中の水文化」をテーマに、日本ならではの冬のエッセンスをお届けしたいと思います。

 

 

<日本の冬と水文化>

竹村和花
日本では、新年の訪れとともに各神社でさまざまな神事が行われます。
天武天皇白鳳4年(675)に奉斎された日本最古の水の神を祀る古社・奈良の丹生川上(にうかわかみ)神社下社をはじめ、水の神を祀る京都・貴船神社など関西には多くの水の神を祀る神社があります。
大阪・住吉大社は海の神を祀る神社ですが、こちらでも元旦には「若水の儀・元旦祭」がとり行われています。
「若水の儀」は、宮司みずからが神井から御神水を汲み上げ、各本宮にお供えする神事です。
この神井から汲み上げた御神水は「若水」と呼ばれ、邪気を除く若返り水として信仰されてきました。
水は命の源であることから、1年の初めに汲み上げられた若水はとても神聖なものとされてきたのです。
神社に限らず、家庭の神棚にも元旦には神棚に新しい「お神酒」と「御水」「御米/御飯」「御塩」などを供えられますよね。
こういった日本の伝統的な慣習に触れるたびに、水は自然神やさまざまな信仰と結びついて、私たちの暮らし文化に深く溶けこんでいることに気づかされます。

 

 

<日本の自然と水が育む美食美酒>

竹村和花
また、日本の清らかな水と美味しいお米が生みだす日本酒も、暮らしを彩る水文化のひとつです。
寒さのつのるこの季節、年初めからは日本酒の中でも最高級の大吟醸酒が出そろいます。
日本の自然気候が生んだ日本酒において、水は最も重要なファクターのひとつです。

寒い冬の中にも、日本の自然や気候・風土が生んだ暮らしの中の豊かな水文化は沢山あります。
まろやかな日本の水は、独自の水タイプから出汁という最高の調味料を生み出し「和食」文化を育んできました。
お正月料理に登場する根菜の炊き合わせなど、多くの煮物料理も出汁なくしては語れないお料理ばかり。
中でも、日本独自の水タイプによって生まれた最もシンプルな日本料理は、お吸い物と白御飯。
この2つは、水の美味しさがダイレクトに影響するものではないでしょうか。

 

 

<寒い日は、あったか粕汁でほっこり>

竹村和花
帰国期間中、関西で過ごすことの多い私にとって冬の家庭料理の定番といえば“粕汁”。
神戸・灘や京都・伏見の酒蔵が近いことから、年始以降は大手スーパーにも大吟醸の“搾りかす”が登場します。
酒粕は甘酒で頂く方も多いでしょうが、寒い日にはカラダの芯まで温まる“具だくさんの粕汁”もおすすめです。
作り方はとてもカンタン。
大根・人参・ゴボウ・コンニャク・薄揚げ・細切れ豚肉など、豚汁用の食材に酒粕をプラスするだけです。
ポイントは、中医学でもカラダを温める働きがあるとされる土の中で育つ野菜・根菜類を沢山いれること。
それから、お味噌を入れる前に出汁と酒粕だけでしっかり煮込むこと、です。
酒粕は風味が豊かで、御味噌汁に比べ塩分量を抑えられるほか、色々なお料理に加えてアレンジできる優秀な調味料です。
腸内細菌を育てる発酵食品のひとつですので、この冬はぜひ“あったか粕汁”のレシピを増やして頂きたいと思います。

 

 

つづいて、水ソムリエがおすすめする今月のミネラルウォーターと飲み方レシピをご紹介します。

 

<今月のおすすめ銘柄>

竹村和花

GOCCIABLU(ゴッチアブルー)
イタリア中部・マルケ州の首都アンコナから65kmほど西にあるフラサッシ鍾乳洞が水源のミネラルウォーターです。鍾乳洞が水源地だけにカルシウムが多いのが特徴です。また重炭酸が300mg以上含まれており、無発泡タイプでも比較的飲みやすい味です。ブランド名の「GOCCIA」はイタリア語で“しずく”の意。ボトル・デザインも水のしずくをイメージして作られています。

 

【水タイプ】
産地泉源:イタリア/マルケ州(アンコナ)
湧水温度:未記載
水タイプ:発泡/無発泡
知覚ほか:無臭/pH 7.39
ミネラル:ナトリウム18.4mg,カリウム2.2mg,カルシウム98.2mg,マグネシウム3.8mg,シリカ11.3mg,重炭酸309mg,硫酸塩3.7mg,塩化物20.0mg※イタリア国内での分析による(per.L)

 

【水ソムリエの飲み方レシピ】

竹村和花
お正月が明けたころからは寒さが増し、暦の上でも5日には「小寒」、1月20日には「大寒」となります。本格的な冬の冷え込みはここから。こんな時は、寒さをしのぐと同時に風邪に強いカラダづくりを意識し、ミネラルだけでなく冬のフルーツでビタミン補給も意識していきましょう。
無発泡タイプは水そのものの味が出ますので“生姜酢”や“”フルーツ酢”の割に水に使って頂くとよいと思います。また冬場ですので、温ためて紅茶用を入れるお湯に使うのも手。自家製ジャムを加えたフルーツ紅茶なら、ビタミンやミネラルの補給もできて理想的です。写真は紅茶に生姜酢にパイナップル、オリゴ糖を加えたもの。フルーツ酵素とオリゴ糖がお腹にやさしく働きます。

 

<ショップ情報> 
アマゾン・インターネットショップ、リカーショップなど

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