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腎臓のために塩分にどう気をつける?/Dr.根来の体内向上プロジェクト

根来秀行

根来秀行

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

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いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
腎臓の専門医でもある根来教授による「腎臓よろず相談室」ですよ。

今回の質問は福島県いわき市のIさんより、「腎臓のためにどれくらい塩分に気をつけるべき?」というご質問です。

 

 

根来 こんにちは。根来秀行です。腎硬化症のように高血圧が原因の腎臓病もあり、血圧を下げるためには塩分コントロールはやはり大切です。

 

 

いし 1日の塩分摂取量の目安は?

 

 

根来 日本人の1日の平均塩分摂取量は12〜13gといわれますが、高血圧予防には1日10g以下が目安ですね。高血圧や糖尿病になっている人は1日7g、腎臓病食の場合は1日3〜6gが目安になりますが、健康な人がそこまでしたら、かえってストレスになります。

 

Dr.negoro_Ill

 

いし しょっぱい食べものって、おいしいですしね。
普段食べている食品にどれくらい塩分が含まれているか見てみると、おおよそですが、ハム3枚に2g。たくあん2切れに1.5g。梅干し1個で2g。ちくわ1本1.3g。味噌汁1杯で1.5g。塩鮭辛口1切れ5g。
あっという間に10gになりそうです。上手な減塩のコツはありますか?

 

根来 ポイントは大きく4つあります。

 

 

1つめは、加工食品を控える
加工食品は製造の過程で食塩が使われていることが多いのです。

 

 

2つめは、味噌汁に野菜をたくさん入れること
味噌は、塩、しょうゆに次いで塩分の多い調味料です。野菜の持っている味わいを生かせば、味噌の量を減らすことができますし、野菜自体に血圧を下げる効果があります。

 

 

3つめは、カリウムを多く含む食材をとる
カリウムには、体内の余分な塩分を排出してくれる働きがあります。カリウムは野菜や果物に豊富に含まれています。
ただし、慢性腎臓病が進行して、腎機能が低下すると、カリウムを排出する機能が低下して、血中カリウム濃度が高くなり、不整脈などの原因となる高カリウム血症体のリスクが高まります。その場合、逆にカリウムを減らす必要があります。

 

 

4つめは、外食や中食はなるべく控えること
外食や中食は、塩分だけでなく、脂質、糖質全て過多になりがち。家で調理法を工夫して食べるほうが安心です。スパイスやハーブ、レモンなどの柑橘系の果実の酸味などを利用するといいですね。

 

 

いし 塩分だけでなく、脂質や糖質のとり過ぎにも注意が必要ってことですね。

 

 

根来 はい。脂質や糖質のとり過ぎは肥満や糖尿病を招き、腎機能低下につながる可能性があります。血糖値を上げにくい低GI食材を心がけ、食べる順番はベジファーストを心掛けるといいですね。
また三食規則正しく食べることは、体内時計を整え、腎臓の毛細血管の働きをスムーズにする上でも大切。朝食抜きは体内時計を乱し、体をためこみモードにして体重増加につながるのでやめましょう。

 

 

いし 気をつけます!

 

 

 

根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!

 

Dr.negoro_photo

 

取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン

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