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更年期には副腎機能も落ちやすい!/Dr.根来の体内向上プロジェクト

根来秀行

根来秀行

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

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いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
ハーバード大学医学部教授・根来秀行ドクターによるカラダ年齢若返り企画第7弾「副腎年齢を若返らせる!」の2回目ですよ。

 

 

根来 こんにちは。根来秀行です。
前回予告した通り、ストレスと副腎の関係についてお話したいと思います。

 

 

いし 肉体的にも精神的にもストレスフルな更年期世代は、副腎環境が悪化しやすいのでは?

 

 

根来 そうですね。自律神経的にも、40代頃からリラックスに導く副交感神経が上がりにくくなり、興奮を促す交感神経が優位になるため副腎にも負荷がかかりがち。副腎がホルモン制御しにくい状態に陥りやすいのは確かです。

 

 

いし やっぱり。

 

Dr.negoro_Ill

 

 

根来 ストレスで副腎機能が低下している状態を、アメリカでは「アドレナル・ファティーグ」といいます。

 

 

いし アドレナル・ファティーグ?

 

 

根来 日本語に訳すと「副腎疲労」です。ちなみに、副腎は英語でアドレナル・グランド、「アデレナリンの分泌腺」という意味です。

 

 

いし へぇー、初めて聞きました。副腎機能が低下するということは、副腎で作られるホルモンに影響が出てくるということ?

 

 

根来 ええ。特に問題なのはコルチゾールです。

 

 

いし コルチゾールは抗ストレスホルモンですね。

 

 

根来 そうです。慢性的にストレスがかかったり、体に炎症が起きたりすると、副腎は体を守るためにコルチゾールを出し続けなければならず、副腎に大きな負荷がかかります。そして厄介なことに、コルチゾールが分泌されると、老化の原因となるフリーラジカルが大量発生するのです。

 

 

いし 体がさびついちゃう。

 

根来 ただ、体はよくできたもので、副腎皮質からはコルチゾールとセットで強力な抗酸化作用を持つDHEAも分泌され、体を酸化から守ってくれるんです。

 

 

いし DHEAは性ホルモンのもとになるマザーホルモン。閉経後はDHEAから変換されるエストロゲンが、更年期をサポートしてくれるんですよね!

 

 

根来 その通りですが、40歳を過ぎるとDHEAの量も低下してきます。
なので、慢性的にストレスが続くとDHEAも枯渇してきて、コルチゾールの分泌を抑制できず、体の酸化が進んでしまいます。

 

 

いし ひゃあ、老化が加速する〜。

 

 

根来 コルチゾールの大量分泌に連動して、アドレナリンやノルアドレナリンも過剰に分泌されます。そのため、ますます緊張や興奮が極まって、イライラして怒りっぽくなったり、寝つきが悪くなったりと悪循環に。ほかにも、高血圧、高血糖、胃潰瘍、筋力の低下、脳の海馬の萎縮なども招きます。

 

 

いし 記憶力を司る海馬が萎縮すると、認知症のリスクが高まるのでは?

 

 

根来 はい。さらに進むとコルチゾールが枯渇してエネルギーを作れず、ストレスと闘うことも逃げることもできません。気力を失い、強い疲労感で今まで通りの生活が送れなくなることもあります。

 

 

いし うわ〜、そうなったら大変。どうしたら副腎を守れますか?

 

 

根来 ホルモンは自律神経と連携して働いているので、自律神経の働きが落ちると、副腎のホルモン分泌も乱れます。
ストレスをためず、規則正しい生活を送って、自律神経を安定させることが、副腎機能を上げる大きな鍵となります。

 

 

いし 次回は「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」について、さらに詳しく教えていただきます。

 

 

 

 

 

それではみなさん、今日も素敵な1日を!

 

Dr.negoro_photo

 

取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン

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