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心臓の筋肉細胞は老化しない!?/Dr.根来の体内向上プロジェクト

根来秀行教授

根来秀行教授

1967年、東京都生まれ。『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業「毛細血管」は増やすが勝ち!』(集英社)は版を重ね、台湾、韓国でも翻訳され好評発売中! ハーバード大学医学部Lecturer on Medicine、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。

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いし こんにちは。ハーバード大学医学部教授・根来秀行ドクターによる最先端医学に基づく体年齢若返り企画担当のぐうたらライターいしまるこです。

記録的な寒さにげんなりした冬でしたが、風邪ひとつひかなかったのは、この連載のおかげです! さて第8弾は、満を持して「心臓年齢を若返らせる!」ですよ。

 

 

根来 こんにちは。根来秀行です。いよいよ心臓ですね。
心臓病は、日本人の三大死因のひとつ。健やかに長生きするために、まずは心臓について知ることから始めましょう。

 

 

いし はーい。では質問! 心臓は本当にハートの形をしているの?

 

Dr.negoro_Ill

 

根来 心臓はハート形に似た円錐形をしています。左右の肺にはさまれ、胸の真ん中にある大動脈にぶら下がっています。

 

 

いし 心臓は左胸にあるんですよね?

 

 

根来 どちらかといえば、胸の中央からやや左寄りです。

 

 

いし どれくらいの大きさなんですか?

 

 

根来 にぎりこぶしくらいで重さは300gほどです。

 

 

いし にぎりこぶしほどの大きさの臓器が、24時間休まず、全身に血液を送り出しているのですねぇ。

 

 

根来 まったく、心臓の働きぶりは驚異的ですよ。
全身を流れる血液量は、50kgの成人女性の場合で約3.5L、60kgの成人男性の場合で約5Lです。心臓はこの大量の血液を、血管を通じて体中に循環させているわけですが、その距離は毛細血管だけで全長9万9000km、動脈と静脈を合わせると約10万km、地球2周半にも及ぶ道のりです。

 

 

いし そんな途方もない長さの細い管に、心臓は日々大量の血液を送っているわけですよね?

 

 

根来 しかも、たった20〜60秒ほどで全身を循環させているのです。

 

 

いし すごいパワー! ところで、心臓って筋肉でできているんですよね?

 

根来 はい。心臓は「心筋」という筋肉でできています。

 

 

いし あっ、「心筋梗塞」の「心筋」ですね!

 

根来 そうです。心筋は収縮と拡張を繰り返してポンプ機能の役割をして、全身に血液を送っています。

 

Dr.negoro_Ill
●心臓の拍動システム
(左)心臓が拡張する (中)心室が収縮する (右)心房が収縮する

 

右のポンプは肺へ、左のポンプは全身へ
心臓には4つの部屋があり、左右が完全に分離しています。右の2部屋(右心房・右心室)は全身から運ばれた二酸化炭素や老廃物で汚れた静脈血を肺に送り出すポンプ。左の2部屋(左心房・左心室)は肺の毛細血管でガス交換された新鮮で酸素をたっぷり含んだ動脈血を受け取り全身に送り出すポンプ。この左右のポンプが合体して、1回の収縮で肺と全身に同時に血液を送り、拡張時には肺と全身から血液を受け取る仕組みになっています。心臓には4つの弁があり、血液が逆流するのを防いでいます。

 

 

根来 心臓が1回拍動するときに押し出す血液量(心拍出量)は70〜100mlです。
安静時の心拍数は1分間に平均60〜80回ほどで、1日あたりでは約9〜12万回も拍動を繰り返し、約6〜12tもの血液を送り出します。

 

 

いし 心臓の筋肉ポンプは、血液を全身に循環させるために、不眠不休で猛烈に働いているんですねえ。
心臓の筋肉は不眠不休で過酷な労働を強いられて、筋肉痛にならないの?

 

 

根来 筋肉痛を起こす原因は、筋肉内に乳酸がたまるからですが、心筋細胞はその乳酸をもエネルギーとして使用するんです。

 

 

いし へぇ〜、よくできているんですね。

 

 

根来 筋肉は細胞分裂をしないので、心筋細胞は増えないんですよ。

 

 

いし えっ、ずっと同じ細胞ががんばり続けているということですか?

 

根来 そうですね。細胞が異常増殖することもないので、心臓のがんは極めてまれです。健康な状態であれば、心筋細胞自体は130年くらいはもつだろうといわれています。

 

 

いし タフな細胞ですね! 心筋は老化しないってこと?

 

 

根来 年とともにそれなりに衰えはするものの、ほかに問題がなければ100歳を超えても、拍出力を維持できるだけのポテンシャルを持っています。

 

 

いし 確かに今や100歳越えのご長寿は珍しくないですもんねぇ。
とはいえ死因の上位は、相変わらず心臓病ですよね。

 

 

根来 では、次回は心臓を弱らせる原因について解説致しましょう。

 

 

それではみなさん、今日も素敵な1日を!

 

Dr.negoro_photo

 

 

次回は、「タフな心臓をも弱らせる冠動脈の老化」です。お楽しみに!

 

取材・文/石丸久美子 撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン

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