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第4章 ミラクル免疫力をつける生活習慣と食べ方②認知症予防・寝たきり予防・美肌を保つ

白澤卓二

白澤卓二

白澤抗加齢医学研究所 所長 医学博士

 

1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。

 

東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科 加齢制御医学講座 教授。

 

専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。米国ミシガン大学医学部神経学客員教授、獨協医科大学医学部生理学(生体情報)講座 特任教授、バイオフィリアリハビリテーション学会理事長、日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCSO、ライフ・レングス®社(本社マドリッド)科学顧問。

 

著書は『100歳までボケない101の方法』『老いに克つ』『免疫力をアップする、塩麹のおかず』『100歳までボケない手指体操』『100歳までサビない生き方』『「砂糖」をやめれば10歳若返る!』『ココナッツオイルでボケずに健康!』など200冊を超える。

ミラクル免疫力をつけると、老けない!

 

この連載では、書籍『ミラクル免疫力をつけると、老けない!』(白澤卓二著・小田真規子メニュー製作、集英社刊)から、免疫力をアップしてアンチエイジングライフを叶える食べ方やレシピなどをお伝えしてきました。最終章では、ミラクル免疫力をつける生活習慣をご紹介します。

 

 

第4章

ミラクル免疫力! をつける生活習慣

 

 

■認知症を予防する食べ方について■

脳の老化を促進する高脂肪・高カロリー食はNG!

 

認知症には大きく2種類あり、ひとつはアミロイドベータの蓄積(老人斑)が原因といわれている「アルツハイマー型認知症」。もうひとつは、脳梗塞などが原因で脳の血流が悪くなり障害が起こる「脳血管性認知症」。近年、日本では「アルツハイマー型認知症」が増加し、現在も世界中で認知症予防に有効な食品の研究がなされています。

 

認知症を予防するには、体中を酸化させ、脳の老化を促進する高脂肪・高カロリー食をやめて、抗酸化力の強い新鮮な野菜や果物、豆類、生ナッツ類、種子類などが中心の食事、つまり、ミラクル免疫力をつける食事に切り替えるのがベストです

 

認知症を予防する食材としては、脳内コレステロールの酸化を防ぐ生アーモンド、記憶力の衰えを防ぐココナッツミルクやココナッツオイル、老人斑を分解するクルクミンを含むターメリック、脳の活性酸素や老人斑を減らすカテキンを含む緑茶、脳の炎症を修復するオレオカンタールを含むエクストラバージンオリーブオイルなどがあります。野菜や果物も老化防止の観点から積極的に摂りたい食品。抗酸化力の強いポリフェノールを高濃度で含むざくろや、血管が若返り記憶力がアップするレスベラトロールを皮の部分に含む紫のぶどうも認知症予防に有効な食材です。

ミラクル免疫力第4章②アーモンド

 

 

 

■寝たきりを予防する食べ方について■

カルシウムは、生ナッツ類・種子類、大豆製品、小松菜、パセリから

 

加齢により骨がもろくなり、転倒による骨折や圧迫骨折が原因で寝たきりになってしまうケースが非常に多いのです。寝たきりにならないために、まずは骨粗鬆症の予防と改善を心がけましょう。また、一日15分程度の軽度の運動が骨を強くします

 

日本人にとって慢性的に不足しがちなカルシウムは、吸収が難しい栄養素。カルシウムの摂取には、小魚や乳製品を思い浮かべる人が多いと思いますが、もともと日本人の中には体質的に乳製品があまり合わない人がいます。牛乳を飲むと下痢をする人が無理に牛乳を飲む必要はないのです。日本人に最適なカルシウム補給源としては、納豆、豆腐などの大豆製品、生ナッツ類・種子類があります。小松菜やパセリなど、一部の野菜にもカルシウムは含まれています。カルシウムの吸収にはビタミンDが必要で、太陽の光を浴びることでビタミンDは活性化されます。一日20分程度、太陽の光を浴びましょう。ビタミンDに限っては、信頼できるサプリメントで補うのもおすすめです。

 

加工食品に多く含まれるリンは、カルシウムの吸収を妨げ、骨からカルシウムを溶かし出します。加工食品の過剰摂取には注意してください。ナトリウム、カフェイン、アルコールもカルシウムを排出する働きがあるので、できるだけ控えましょう。

 

 

■老けない美しい肌を作る食べ方について■

動物性脂肪、砂糖、アルコールは肌の大敵!

 

多くの女性が最も気にするのが肌の老化。その肌も免疫器管のひとつで、ウィルスや細菌などの病原体から体を守る城塞のような役割を担っています。体全体の免疫力が低下すると、肌の代謝も低下し免疫器管として機能しなくなります。

 

古くから「肌は内臓の鏡」といわれるように、内臓と肌には密接な関係があります。肌が美しい人の内臓は本当にきれいで、特に腸内環境はすこぶる良好。つまり、肌だけ若返ることは不可能で、免疫力を上げ、腸内環境をよくして体内から健康を作らないと美肌にはなれないということです。この「ミラクル免疫力をつけると、老けない!」の連載第1113回で述べたミラクル免疫力をつける食べ方ルールを参考に、食事を組み立ててください。また、腸内環境をよくするには、プロバイオティクスの技術で作られた善玉菌の錠剤を利用するのもよい方法です。

 

動物性脂肪、砂糖、アルコールのとり過ぎは、肌の大敵。これらの食品は、悪玉菌を増やし免疫力を弱めるので、肌の状態がよくない人は、これらの食品の摂取を減らしましょう。また、加齢とともに減少するコラーゲンは食事で補給。コラーゲンを肌に塗っても真皮までは届かないといわれています。時にはフカヒレ、カレイ、鮭、アンコウなどコラーゲン豊富な食品を。コラーゲン生成にはビタミンCが必要なので、必ず一緒に摂りましょう。

 

 

 

今回でこの連載は終了です。まとめて読みたい方は、下記の単行本を!

『ミラクル免疫力をつけると、老けない!』(集英社 1,100円+税)

http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-333127-5&mode=1

 

 

撮影/奥谷 仁 編集・構成/遠藤励子

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