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健康のバロメーター「うんち」のあれこれQ&A③うんちの理想の頻度は?

辨野義己(べんのよしみ)さん

辨野義己(べんのよしみ)さん

理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室特別招聘研究員。40年以上にわたり、腸内細菌学・微生物分野学の研究に取り組む。

著書に『免疫力は腸で決まる!』(KADOKAWA)、『腸を整えれば病気にならない』(廣済堂出版)など多数

美腸ケア9

うんちは健康のバロメーター

 

これって大丈夫!? うんちのあれこれ

 

 

毎日いいうんちをしていますか? 実はうんちには私たちの体内の情報が詰まっています。まさにうんちは健康のバロメーター。しっかりチェックする習慣を!

 

ここでは、Q&A形式でうんちのあれこれについてご紹介していきます。

今回は、便意を催す仕組み、理想の頻度、なぜ下痢になるのか? の3つのQ&Aです。

 

 

 

 

 

 

うんちは体からの

お便りです

 

 

「私たちが食べて、生きていく限りは、大便は必ず作られます。しかもそこには、大変貴重な情報が詰まっています」とは、世界から約6000人分の大便を集め、その腸内細菌を研究している、その名も辨野(べんの )義己先生。

 

「うんちは単なる食べカスではありません。大便1g中、6000億~1兆個もの腸内細菌が含まれています。腸内細菌の構成バランスは人それぞれに違い、これを分析すると、食事や生活習慣、ストレスのたまり具合までわかります」

 

だから毎日のうんちを観察することはとても大事。もちろん毎日細菌検査まではできませんが、形状やニオイなどから、腸内の状態がある程度わかります。

 

「腸内の善玉菌が多く、大腸の働きがよければ、うんちは発酵しますが、悪玉菌が多く、働きが悪ければ腐敗します。腐敗したうんちは臭く、病気の原因にも。まさに、うんちはその人の健康状態を知らせてくれる“お便り”。いい知らせが届くように、“いいうんちを育てる生活”をすることが健康の第一歩です」

 

 

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Q 便意を催す仕組みは?

 

 

A 直腸内の圧力が高まることで起こります。

 

私たちの食べた物は、胃から小腸、大腸へと送られます。大腸に入った内容物は、上行結腸→横行結腸→下行結腸と進むにつれて、水分が吸収されて半流動体から徐々に半固形状へと固まっていきます。そしてS状結腸から直腸に便が到着し、直腸内の圧力が30~40mmHgになると、直腸反射が起こり「うんちが到着!」という信号が大脳に伝わって便意が起こります。

 

通常、排便を促す腸のぜん動運動が起こるのは1日1~2回。その知らせを無視し、我慢してしまったり、過度なストレス、自分の都合で下剤を使って無理やり便意を促すことを続けていると、やがて便意そのものが起こらなくなり慢性的な便秘に。

 

体の自然な反応に逆らわず、腸に従った生活を心がけましょう。(辨野先生・以下同)

 

 

 

 

Q うんちの頻度の理想は?

 

 

A 毎日出るのが理想。3日以上出ないと便秘!

 

みんなどのくらいの頻度で排便をしているのでしょうか?

 

なかなか他人のうんち事情を聞く機会はありませんが、日本人の平均は日に1~2回といわれています。しかし、これには個人差があり、毎食後という人もいるし、2日に1回という人もいるでしょう。食物繊維をたくさんとる人は量が多くなるので、回数も多くなるかもしれません。

 

要は理想的なうんちが気持ちよく出ていれば、回数はあまり気にすることはありません。ただし3日以上出ない場合は便秘です。日本人女性の48%が便秘に悩んでいるという統計があり、なかには下剤に頼っている人も多いようですが、少しずつでも"よいうんちを育てる"生活習慣で、自然なお通じを取り戻したいものです。

 

 

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Q 下痢はどうして起こる?

 

 

A 水分過多、冷え、ストレスなどがおもな原因。

 

 

食中毒や細菌感染などの一過性の下痢のほか、最近多いのが1カ月以上続く慢性的な下痢です。水分のとりすぎ、お腹の冷え、ストレスなどで、腸の運動が過剰になり、水分の吸収が追いつかない状態です。

 

特に最近急増しているストレスによる過敏性腸症候群には大きく4タイプがあります。下痢と便秘を交互に繰り返す「不安定型」、不安を感じると下る「慢性下痢型」、強い腹痛と大量の粘膜が排泄される「分泌型」、おならが漏れることに不安を感じる「ガス型」です。

 

症状がひどい場合の改善策は、消化管運動調整薬、止痢剤、整腸剤、抗不安薬などの投薬療法が。何より腸内環境を整える、生活スタイルの改善が必須です。

 

 

 

 

 

次回は、便秘について、快便の秘訣などの3つのQ&Aをご紹介します。

 

 

 

撮影/鈴木正美 小山志麻〈辨野先生〉 立体ラテアート作製/じょーじ(原宿リシュー)

監修/辨野義己 取材・原文/山村浩子

 

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