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ワクチンとPCR検査の充実で、復興が進むNYの街と人々

杉本佳子

杉本佳子

杉本佳子
ファッションジャーナリスト兼美容食研究家
1988年よりニューヨーク在住。1989年よりファッションジャーナリストとしてファッション、ファッションビジネス、小売りビジネスについて執筆。2013年より美容食研究家としても活動し始め、ブログ「YOSHIKOlicious Beauty」とインスタグラムを通じて、美肌効果の高い食材をなるべく使い、美味しくて見た目がお洒落な料理紹介している。見た目がきれいだと気分が上がり、食べて美味しいので嬉しくなり、美容と健康にいいのでさらにハッピーになる「3回ハッピーになる料理」がモットー。ファーマーズマーケットなどで買う生命力のあるオーガニックの食材をなるべく使う。食材の意外な組み合わせでも定評がある。

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yoshiko@yoshikoliciousbeauty.com

 

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ニューヨークでは今、コロナからの復興が着々と進んでいます。

6月11日の時点で、ニューヨーク市の直近7日間平均のコロナ感染者数は1日あたり231人、コロナ死亡者数は6人になりました。ビル・デブラジオ市長は、6月1日の記者会見で、「陽性率は0.83%になり、パンデミックがニューヨークで広がって検査を開始して以来最低になった。これはマイルストーンだ」と、意気揚々と語りました。会見翌日の6月2日の7日平均感染者数は1日あたり291人でしたので、それ以降も順調に感染数は減っているようです。

 

アメリカ政府は、7月4日の独立記念日までに18歳以上の人が最低1回ワクチンを受けた割合を70%にすることを目標としています。ニューヨーク州のクオモ知事は6月7日の記者会見で、「ニューヨーク州ではその割合が68・8%になり、あと8日で(すなわち今週前半には)70%を達成できると思う」と語りました。70%に達したら、大方の規制を撤廃するとのことで、コロナに関してはだいぶ安心して生活できる状況になってきたと感じています。

 

ニューヨーク州全体で1日500人以上がコロナで亡くなっていた昨春は、感染拡大の速さにおののいておりましたが(昨年4月の本コラムで当時の状況をお知らせしたのが思い出されます)、今年の春は瞬く間に進んだワクチン接種普及とPCR検査所の充実ぶりに目を見張るばかりです。

 

去年3月半ば、ニューヨークのクオモ州知事はエッセンシャルビジネス以外すべて営業禁止にし、感染者数や死亡者数などが低い数値に下がるまで数か月にわたり、営業再開を認めませんでした。そのために廃業せざるを得なかった店やレストランなどは多く、かなりの犠牲が伴いました。でも、自粛の適用を期間で定めずに数値目標を基準としたこと、そしてPCR検査とワクチンを短期間に急速に大勢の人々が受けられる体制を整えたことが、今の復興に繋がったと確信しています。

 

ワクチン接種の機会は、病院、薬局、アメリカ自然史博物館、コンベンションセンター、ターミナル駅、野球場など、ありとあらゆるところで提供されてきています。中にはバスの中で受けられる移動式ワクチン接種所「ワクチンバス」も出現していたり。

 

カラフルに彩られた大型バスが、ワクチン接種会場に。マスクを付けた自由の女神がモチーフ! 明るくポジティブなイメージがいいですね!

 

受けたい人はだいたい接種済み。「集団免疫」獲得のために懐疑派も巻き込もうと、あの手この手のワクチン勧誘作戦も!

ちなみに現在NYでは、12歳以上は誰でも予約なしでワクチンを受けることが可能です。ニューヨーク州に住んでいなくても、観光客でも受けられるのですよ! 6月2日の時点で、ニューヨーク州民の461%がワクチン接種を完了し、最低1回受けた人の割合は538%に及びました18歳以上に限れば573%が既にワクチン接種を完了し、最低1回受けた人の割合は655%に到達するとのこと。集団免疫を得るには70〜85%の人がワクチン接種をするか感染によって抗体をもっている状況になる必要があると言われています。そこまでいくには、もう少し時間がかかりそうですが、それでも確実にそこに近づきつつあると言えるでしょう。

 

ただ現在、ワクチンを受けたい人たちは一通り受けたので、ワクチン接種率の伸びが鈍ってきています。体質的にワクチン接種に不安のある人もいますが、それとは別にワクチン接種を忌避する人もいます。アメリカではマスク着用義務が発生した時、共和党支持者たちがマスクをつけたがりませんでしたが、ワクチン接種への賛否も、マスク同様、政治的分断と関係しています。共和党支持者たちは、政府の指示に従うよりは、「個人の自由」を優先したい人が多いのです。アメリカ公共放送PBSニュースアワー/NPR/マリストポールが3月に発表した調査結果によると、共和党支持者の少なくとも41%がワクチン接種を受けるつもりがないと答えたそうです。

 

さらに、黒人とヒスパニック系の接種率が白人など他の人種に比べて低いことも、集団免疫に向けての障壁になっています。アメリカでは1930年代から1970年代にかけて梅毒の臨床研究で黒人が人体実験に利用されたという負の歴史がありました。それが黒人とヒスパニック系の人々のワクチンへの警戒感に繋がっていると言われています。

一方で、コロナは黒人とヒスパニック系市民の間に特に広がったというのも事実であり、行政としては黒人とヒスパニック系に是非ともワクチンを受けてもらいたいところでしょう。

 

そのようなワクチン接種への忌避感を払拭するため、州も市もさまざまな試みを展開しています。例えば接種した人に提供されるものとして、1等500万ドル(5億4400万円以上!)が当たる宝くじ、7日間地下鉄乗り放題のメトロカード、野球観戦チケット、州内の大学の授業が無料になる奨学金、州立公園の無料入場券などなど。さまざまなインセンティブを次から次へと期間限定で提供して、ワクチン接種率向上に躍起になっています。

 

PCR検査も、以前にも増して多くの仮設検査場があちこちにできています。冬の間、寒さに震えながら長蛇の列に並んで検査を受けたことが、今となっては遠い昔話のよう。

 

 

今は、検査を受けるために並んでいる人を見かけることはめったになくなりました。心なしか検査場もリラックスした雰囲気

ニューヨーカーには意外に多い「ワクチン受けてもマスク派」。お店やレストランの対応にもグラデーションが

 

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が「ワクチンが完了した人は、公共交通機関、高齢者施設、病院など一部の場所を除き、大方の室内・屋外でマスクをしなくていい」というガイドラインを出したことを受けて、ニューヨーク州も5月17日からその方針に準ずると発表しました。アメリカ人は元々マスクをする習慣がなかったので、ワクチン接種が済んだらさっさとマスクを外すかと思っていたのですが、意外にもストリートでは今も、「本当にマスク外して大丈夫? もうしばらくマスクした方が安心だよね」とばかり、マスクをしている人が多いです。感染して亡くなった人が特に多かったニューヨークですので、慎重には慎重を期したい人が多いのでしょう。

 

CDCはガイドラインを出したものの、規制の運用に関しては各州や個々の施設の判断に任せるとしています。スポーツイベントやコンサートの会場として有名なマジソンスクエアガーデンは、ワクチン接種完了証明、または抗原検査あるいはPCR検査の陰性証明がないと入れません。野球場は、ワクチン接種完了者は従来通りにスタンド席に座りますが、接種をしていない人は別のエリアで距離をとって座ります。オペラやバレエが上映されるリンカーンセンターは、その中庭に芝生が敷き詰められ、5月10日から「リスタート・ステージ」として市民に開放されていますが、ここは屋外にもかかわらず、マスクをすることが求められています。ちなみに、リンカーンセンター、カーネギーホール、ブロードウエイは9月に再開される予定です。

 

優雅な芝生の上で寛ぐニューヨーカーたち。よく見るとマスクを外している人たちもチラホラ。少しずつ警戒も緩んできているのかもしれません

 

お店も、ほとんどが「マスク着用必須」のサインを入り口に付けたままで、実際店内では販売員もお客さんも全員がマスクをつけています。スペイン食材専門店の「デスパーニャ」は、「マスクは(まだ)必須です」のサインを掲げています。レストランも、店内で食事をする場合は、ワクチン接種完了証明あるいは検査結果の陰性証明の提示を求めるところが出てきています。アウトドアダイニングは、この夏も人気が続くことでしょう。

 

ワクチンの接種済か否かは見た目ではわからないことを考えると、不特定多数のお客さんを迎え入れる側は慎重にならざるを得ません。特に長い間緊張感を保ってきたNYのお店ともなれば、なおさらでしょう 

 

 

私が以前から通っているユニオンスクエアのファーマーズマーケットは屋外ですが、昨春のこの連載でもお知らせしたように、昨年3月にはいち早く規制テープを張って、商品の野菜などに触れないよう措置を取りました。その後しばらくはマーケット自体が休みになりましたが、感染状況が落ち着くと共に開場。今はワクチン接種も進行し、野菜が豊富な季節ということもあって賑わいも戻りつつありますが、感染対策についてはやはり慎重派と楽観派が混在し、過渡期にあると感じます。現時点では今まで通り、規制線を張り、お客に商品を直接触らせないベンダーさんが多いです。でも、入り口に置いてある消毒液で手を消毒したら、自分で野菜などをとっていいとしているベンダーさんもいました。

 

テープの中には入れないようになっている慎重派のお店がまだまだ一般的。それでも緑の野菜が並ぶ様子には、恐れや悲しみが深かった去年の同じ時期より、ずっと明るく感じます

 

中には野菜を自由に取っていいよ、というところも。もちろん、事前に手指の消毒をすることがマストです

 

立派なトマトを売っているこのベンダーさんは、「マスクしててもしてなくても、みんな歓迎です!」と呼びかけています

 

 

ナチュラル系の人気スーパーマーケット「ホールフーズマーケット」では、セルフサービスのお惣菜コーナーが復活! コロナが広がっていた頃はずっと、お惣菜のトレイが空っぽだったので、この光景は復活の1つの象徴のように感じます。

 

空っぽだった同様の店のトレイ(写真下・昨年3月の本コラム番外編より)にお惣菜が満たされているのを見たら、少し胸が熱くなる思いでした。長い間、みんないろんなものを「我慢」して耐えてきたのです

 

 買い物かごや買い物カートを消毒ワイプで拭きたい人のためのコーナーもあります。コロナが広がっていた時期は、消毒されたカートやかごが用意されていましたが、今は、気になる人は自分で拭いてください、という感じなのですね

 

 

 

アジア系女性は今や自衛が必須に。人種間の緊張がコロナと共に去る日を待ち望む

 

ということで、コロナに関してはだいぶ心配が減りました。ただ一方、今一番気になるのはやっぱり治安! NYでは犯罪が急増していて、今冬からじわじわと増え続けているアジア系市民に対するいわれなき暴力=「ヘイトクライム(憎悪犯罪)」も相変わらず多いのです。トランプ前大統領が任期中、コロナのことを「チャイナウイルス」と何度も発言したことで、アジア系の人々に憎悪の矛先を向ける人々が後を絶ちません。

 

私は、防犯ブザーをバッグの目立つところに付けて出かけるようになりました。ペッパースプレーを持ち歩いている人もいますが、私は紐を引っ張るだけの方がいざとなったら使い勝手がいいのではないかと思って、これにしました。地下鉄は特に犯罪が多くなっており、緊張します。最近は、ニューヨーク在住の日本人に向けた、護身術を学ぶワークショップがZOOMで行われました。ニューヨークに住んで33年になりますが、ここまで気を付けて出かけるようになっているのは初めてです。

 

NYだけでなく、全米の各地でアジア人(特に女性と高齢者)への暴力が起きているのは悲しいことです。コロナ禍からの復興とともに分断やヘイトの嵐が去ってくれることを願うばかりです

 

街を歩けば、閉店して空き家になったままの店舗スペースが目立ちますし、ストリートでも後ろから変な人がついてきていないか、常に気を配りながら歩いています。それでも、そんなニューヨーカーたちを癒すスペースが新たに出てきていて、この街の逞しさと底力を感じます。5月21日には、ハドソン川に浮かぶ水上公園、「リトルアイランド」がオープンしました。初日は早速たくさんの人々が訪れ、芝生でくつろいでいました。屋外イベント会場もあり、6月半ば以降9月まで500以上のイベントが予定されているそうで、この夏の楽しみが増えました!

 

今見るとちょっと「密?」な気もする一角ですが、遠からず集団免疫が達成され、より安全になれば、そんなことも気にならなくなるかも。夏の楽しみが期待できる新・人気スポット「リトルアイランド」 

 

このまま順調にワクチン接種率が上がり、感染率が下がってくれたら、この街もさらに息を吹き返して今年の夏を明るい気分で過ごせるようになるのでは、と期待してやみません。

 

 

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