戸隠山の空気を吸って~戸隠大根と十割そば~

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温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト
温泉旅で心も体もきれいになる
“ビューティツーリズム”を提唱。
トラベルジャーナリストとして取材執筆・
温泉の講演などで、年200日全国を旅する。

戸隠山(とがくしやま)の空気を吸って~戸隠大根と十割そば~

 

春まだ浅い長野市・戸隠の森。戸隠神社奥社の参道へと続く大鳥居の道もまだ雪がたくさん積もっていました。

石井宏子温泉

「わあ、戸隠山の迫力がすごい。」参道の向こうに切り立つ岩壁が迫ってくるようです。この景色は冬しか見られない御山のお姿、緑が茂ると森の中に隠れてしまうからです。「随神門までは行ける」と知り、長靴を履いて進みます。参道の積雪はまだ2mくらいはあるでしょうか?雪の上を歩くと普段の季節よりは高い位置を歩くことになり、いつもなら遥か見上げる木立が少し近いように感じます。
木は生きていて、呼吸をしているので、春になると木の周りからゆっくりと雪が溶けていきます。木の周りだけぽっこりと空いた穴は「根開き」といって春の季語。溶けかけの雪に足を取られないように慎重にサクサクサクと雪を踏みしめながら歩きます。気が付いてみると、野鳥の声が響き、小さな虫たちも動き始めて、もうすぐ戸隠の森にも春がやってくるのを感じました。

石井宏子温泉

随神門に到着。茅葺屋根の赤い門の両側に仁王様。荘厳な門をくぐると奥社の参道です。凛とした空気が漂い、はっきりと結界をくぐったことを実感します。巨木の杉木立で戸隠さまのパワーをいただき、浄化されました。

石井宏子温泉

戸隠といえば、今日の旅ごはんは、もちろん「お蕎麦」です。戸隠神社奥社への参道から中社へと向かう途中の鏡池入り口にある「戸隠 蕎麦処 そばの実」へ。暖簾の横には「新そば」の印が下がっていました。
このお蕎麦屋さんのHPに書かれている文章を読んでとても心魅かれました。その言葉は・・・「戸隠山の麓、ぴんと澄んだ朝の空気の中で打ちはじめる蕎麦は、同じ空気を吸い、感じて応えます。出来上がる蕎麦からは自然のことばが伝わり、ひかえめに今日という日の味わいをささやいています。」ね。すごく深いですよね。その日のその時の戸隠山の空気を吸い、同じ呼吸をしたお蕎麦を山懐でいただく。これぞ、精進というものではないでしょうか。

石井宏子温泉

メニューはいろいろあるのですが、石臼で挽くところから手打ちされるお蕎麦の「十割そば」をいただいてみました。そばを打つ水は戸隠山の伏流水、ミネラルを多く含んだ冷たい水が、蕎麦をきゅっと締め、コシを出すのだそうです。
風味豊かな十割そばは、塩とつゆの両方が添えられます。そばに塩をぱらりとのせていただくと、そばの実の甘さが引き出されます。甘すぎず、辛すぎず、絶妙な出汁のつゆ。さらに、薬味に添えられた大根おろしが感動的に美味しい。この大根おろしは戸隠大根。信州伝統野菜で一度は消えてしまいそうになった地大根を地元農家さんたちが蘇らせて守り育てているそうです。辛さの中に甘さがあり、むしゃむしゃとそのままいただいてしまいました。この戸隠大根は、戸隠神社の宿坊では江戸時代から蕎麦の薬味として使われていた記録があるそうです。
戸隠の凛とした空気、十割でこんなに繊細に細切りそばが作れるの?と、驚きの十割そばをいただいて、心も体もすっきりの旅ごはんでした。

 

 

戸隠 蕎麦処 そばの実
http://www.sobanomi.co.jp/

 

 

取材・文・写真
石井宏子

第75回
戸隠山の空気を吸って~戸隠大根と十割そば~

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