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全米一住みたい街ポートランドの街づくりを伝える、OurAge世代の日本人女性

小野アムスデン道子

小野アムスデン道子

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、旅の楽しみ方を中心としたフリーランス・ライターへ。

旅と食や文化、アートなどライフスタイルについての執筆や編集、翻訳多数。

日本旅行作家協会会員。

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こんにちは小野アムスデン道子です。全米で一番住みたい街に上がることが多いポートランド。私にとっては、家族がいる街。環境を考えたサステイナブルなライフスタイル、ローカルに根ざした心地よい暮らしが、流行最先端都市とはまた違った魅力を放つのだと思います。そんなポートランドの大学で、住民主体の行政のあり方について教鞭を取るのは、なんとOurAge世代の日本女性!どういうきっかけで?どんなことを教えておられるのか?興味津々でうかがって来ました。

ポートランドは、成田からデルタ航空の直行便を利用すると往路は9時間ほど。

自然に囲まれた街の中央にウィラメット川が流れ、晴れればオレゴン州最高峰で日系人からオレゴン富士と呼ばれたフッド山が美しい姿を見せます。

 

緑多いダウンタウンにあるポートランド州立大学(通称PSU)。ここで、行政や公共問題について研究し、教壇に立っているのが西芝雅美准教授。日々の大学生対象の授業だけではなく、ポートランド市やオレゴン州の事例を日本から学びに来る人向けに「JaLoGoMa(Japanese Local Government Managers Training Program)」というプログラムも主宰されています。

JaLoGoMaは、元々、東京財団の日本の市区町村職員人材育成プログラムの一環で、住民主体の自治にフォーカスした事例を日本語で学ぶプログラムとして、2004年より年に1回夏に実施されていたもの。2016年に東京財団の下の実施が終了後、この住民主体の政策やコミュニティのあり方を日本でいろいろな方に参考にしてもらうべく、2017年からは門戸を一般にも広げ、参加者を公募で実施されています。

2017年は、市町村職員だけではなく、企業勤めの方や教職者、ケアマネージャー、企画型の雑貨店経営者、県会議員や町長など多彩な参加者が19名、5日間みっちりとポートランドの街づくりの様々な事例を見て歩くというので、私も1日参加。ホームレスの女性や子供達が恒久的な住居を探すまでの間の住宅を提供している「ケントン女性村」の見学に同行することに。

ポートランドでは空港から市内へも含めて、車がなくても公共交通機関を利用してかなりの移動が容易。この日も大学に参加者が集まり、事前の討議をした後、路面電車で移動。

 

 

次ページに続きます。

ポートランド市の北部、ケントン・ネイバーフッドに到着し、腹ごしらえのランチが芝生の上というのがいかにもポートランド的。緑いっぱいの公園で、とても気持ちよく、参加者の話も弾みます。

ここで西芝先生に、PSUで教鞭を取るにいたるお話もうかがうことに。初めてポートランドに来られたのは1991年。日本では、同時通訳者としてマイクロソフト社のビル・ゲイツ氏はじめ数々のVIP通訳を担当されたそう。しかし、駐在者の奥様でポートランドに来たので、当初は仕事ができないビザでした。

 

そこで、大学院に入り、PSUで出会った異文化コミュニケ−ションでリサーチの面白さに目覚め、博士課程に進学。その後、リサーチが生かせる行政学部で教授助手が求められていたことから現在の住民行政を追求することに。博士過程が終了する頃に、東京財団からポートランドでの研修受け入れの話が来て、毎夏のプログラムを主宰するにいたったそう。

西芝先生の心を捉えたのはポートランドの住みやすさで、アウトドアスポーツも身近で気軽に楽しめる点。日本では全く縁のなかったスキー、ロッククライミング、フライフィッシングなど、上手下手関係なく楽しければいいと仲間にいれてくれる友人や同僚に恵まれ、離れられなくなってしまったそう。

 

語学の実力も含め、ちょっと眩しいぐらいのご経歴ですが、2度の大きな闘病や私生活の荒波も越え、研究を続けてアメリカで准教授の地位を勝ち取られるまでは、たいへんだったろうと想像ができます。

 

JaLoGoMaのプログラムは、大学の職員だけではなく、通訳や事務方など在住の主婦の方も含めて多くのボランティアに支えられています。元は自治体職員だった方もいて住民の力が街の魅力となっていることを発信するのはとてもやりがいがあるようです。

 

 

「ケントン女性村」は、不景気で急増したホームレス問題に対応するユニークなホームレス施設と言えます。寝床と棚だけの小さな家をPSUの建築学部の学生が設計。キッチンやバスは共同。プライバシーの点から遠景しか撮影できませんが、本当に小さな家が並んでいます。

 

開村するまでにボランティアを住民から募るなど、エリアを巻き込み、中に農園を造って農業訓練を通して自立の助けをするなど、さまざまな取り組みがされています。

 

ケントンのコミュニティセンターで、そんなお話をうかがった後、ノース・ミシシッピ地区にある「リビルディング・センター」という、廃材リサイクルセンターへ。ここは、以前は治安のよくないエリアでしたが、85%の建築廃材を回収し、生かすというこのセンターが無職の人への雇用の場にもなり、町が活性化したのでした。

ドアや棚板、ノブなどの金具など部位別にきれいに整理されて並びます、1924年創立という歴史ある地元高校のドアなどもここに回収されて、再利用を待っていました。

洒落たシャンデリアの数々も20ドルほどと値札を見てびっくり。古い資材でしか得られないデザインや質の高さもあり、それが安く入手できるとあって、平日でも購入者が多く訪れていました。

 

住民自身の力によって、古くなったり不要になったエリアのプロパティを生き返らせているプロジェクトは、素晴らしいなと思いました。そんなポートランドの取り組みは、発信する西芝先生や生き生きとお手伝いをするボランティアの方々にも輝きをもたらしているのでした。

 

 

JaLoGoMa

https://www.pdx.edu/japan-gov-training/about-jalogoma-0

https://www.pdx.edu/cps/o-jalogoma-open-japanese-local-governance-and-management-training-program

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