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がんの基礎知識 ①がんは遺伝子のコピーミスで出来た細胞です

日本では年々、がんにかかる人が増え続け、今や2人に1人はがんになるといわれています。もう、あなたにとっても、他人事ではありません。
そこで、がんに関する基礎知識、検診や治療について、情報の集め方などを総チェック!

がんになってから慌てないためにも、正しい知識を身につけておきたいものですね。

 

 

 

今回、お話を伺ったのは、

中川恵一さん

1960年生まれ。東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア 診療部長。厚生労働省「がん対策 推進協議会」委員も務める

 


 

対処するには正しい知識が必要です

「がん」のこと、

きちんと知っていますか?

 

 

Qそもそもがんって何?

A遺伝子のコピーミスでできた細胞です。

私たちの体は約37兆個の細胞からできており、毎日1~2%の細胞が死に、新しい細胞が分裂しています。この細胞分裂の際に、その設計図である遺伝子のコピーミスが起きることがあります。突然変異した細胞の多くは生きていけませんが、中には細胞が死ぬことなく、止めどなく分裂を繰り返してしまうことがあります。この"死なない細胞"こそが、がん細胞です。どんどん増え続け、やがて塊となり「がん」へと変貌。ほかの臓器の機能を阻害するようになっていきます。(中川先生)

 

 

Q「良性」「悪性」の違いはなんですか?

A悪性は浸潤、転移して増えていきます。

実は健康な人でも、毎日、がん細胞が生まれています。その数は1,000個以上ともいわれるほど。しかし免疫細胞の働きで、がんへと発展しないよう、水際で退治してくれているのです。その見落としにより、増えて塊になった細胞(腫瘍)でも、その場にとどまっていれば「良性」と呼びます。一方、「悪性」は正常な組織を破壊しながら広がっていきます。これを「浸潤(しんじゅん)する」といいます。やがて血管やリンパ管に入り、その流れに乗って、ほかの臓器へ。これが「転移」です。悪性とは浸潤と転移をするものをいいます。(中川先生)

 

Q日本人は2人に1人はがんになるって本当?

A日本はがん大国。誰でもなる可能性はあります。

現在、日本人の死因第1位ががん。1981年頃から急増しています。国民の2人に1人はがんにかかり、そのうち3人に1人ががんで命を落としている計算です。その理由のひとつは長生きになったから。日本人の平均寿命は、明治時代では35歳、現在は87歳です。遺伝子のコピーミスは年齢とともに増え、がん細胞を退治する免疫力も年齢とともに衰えるため、がんの発生が増えるのです。また女性特有のがんは働き盛りの若い世代に多く、いわば誰でも罹患する可能性はあります。(中川先生)

 

 

以前は脳血管疾患が多かったが、1981年を境にがんによる死亡 率が1位に。出典/厚生労働省「人口動態統計月報年計」(概数)

 

 

 

女性のがんは20~40代の若い世代に多く、50代から男性がぐんと多 くなります。出典/国立がん研究センターがん対策情報センター

 

 

 

 

次回も引き続き、がんの基礎知識をご紹介します。

 

 

イラスト/浅生ハルミン 構成・原文/山村浩子

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