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がんに関して、50代女性がこれから備えておくべきこと

これまで、がんの基礎知識や予防・検査と治療法についてみてきました。今回は、OurAge世代が、がんについて備えておくべきことを医療ジャーナリスト増田美加さんにお伺いします。 備えあれば患いなし! ご自身が乳がんサバイバーであるという増田さんの説得力あるお言葉は必読です。

 

増田美加さん

1962年生まれ。女性医療ジャーナ リスト。エビデンスに基づく健康 情報&患者視点の医療情報を発信。 乳がんサバイバーでもある

 

 

Qがん治療にはどれだけの費用がかかるの?

A高額療養費制度を利用すればそれほど高額にはなりません。

治療費は高額療養費制度を使えば、自己負担は69歳以下の一般的な収入の人で、最初の3カ月はひと月9万円程度。それ以降は4~5万円ほどです。早期ならそれほど費用はかかりません。しかし、病院の窓口で払う治療費以外にケア用品、交通費、入院時の食事、差額のベッド代などは別途かかります。また進行したがんが見つかると、治療が長引き、先進医療を受けるとなれば、数十~数百万円かかることもあります。治療により休職して、その減収まで考慮すると、お金の備えはそれなりにしておく必要があるかもしれません。(増田さん)

 

 

Q任意のがん保険は必要ですか?

Aその人の考え方次第でしょう。

定期的にがん検診を受け、早期がんで発見できれば、高額療養費制度の活用で、月約9万円で済みますので、任意のがん保険でなくてもいい気がします。しかし生活習慣が悪く、検診の未受診、がんリスクの高い人などは、がん保険に入っておいてもいいかもしれません。最近は、通院治療に対応したもの、今まで通りに働けなくなったときのために、生活サポートまでしてくれる保険もあるようです。入るのなら、それらを網羅したものが賢明かもしれません。(増田さん)

 

 

Q仕事は辞めるべき? 辞めないほうがいい?

A安易に辞めてはいけません!

厚生労働省の調査では、がんと診断されると、約4%の人が解雇され、約30%の人が依願退職しているというデータが。多くの人が、体力の低下や会社に迷惑がかかることを考慮して、仕事を辞めることを考えるようです。しかし、仕事を続けることは、経済面だけでなく、生きがいにもなります。最近のがん治療は長期入院から通院型へとシフトしており、仕事を続けることも十分可能。がん患者の3人に1人は働き盛りの年代。働きながら、安心して治療のできる社会が求められています。就労に関する悩みは支援機関に相談を!<次の設問の答えを参照>(増田さん)

 

 

Qがん治療の情報収集はどこですればいいの?

A相談支援センターなどが役に立ちます。

全国のがん診療連携拠点病院には、がん相談窓口が設置されていますので、困ったことは相談を。国立がん研究センターのサイトでは、この拠点病院が探せたり、がんに関する基礎知識から診断や治療法、費用などについて、検索することができます。ほかに、就労に関する悩みの相談窓口など、さまざまな支援サービスがあります。ぜひ活用を!(増田さん)

 

窓口&ウェブサイト

●国立がん研究センター/がん対策情報センター

がん情報サービス

http://ganjoho.jp/public/index.html

がん情報サービスサポートセンター 0570-02-3410(平日10〜15時)

 

日本対がん協会

http://www.jcancer.jp/

がん相談ホットライン 03-3562-7830(10〜18時 祝日を除く)

 

一般社団法人CSRプロジェクト(がん患者の就労に関する相談)

http://workingsurvivors.org/

 

 

Qサイコオンコロジーとはなんのことですか?

Aがん患者と家族を精神的に支える医療です。

私自身も乳がんサバイバーですが、実際にがんと告知されて、手術で完治すると言われているにもかかわらず、胃潰瘍になったほど、精神的ショックがありました。そんな、がん患者さんとその家族の心のケアをしてくれるのが、サイコオンコロジー(精神腫瘍学)です。疾病や治療に関する適切な情報提供、不眠や不安、気分の落ち込みといった精神面、孤立しないようなサポートをしてくれます。最近ではこうした支援を行う専門医も増えています。一人で考え込まないで、プロに相談することが大事。全国のがん診療連携拠点病院にも、徐々に広がっているようです。(増田さん)

 

 

 

次回は、がんの「早期発見、早期治療」ばかりが推奨される現状に対して警鐘を鳴らす医療ジャーナリスト鳥集 徹さんの提言に耳を傾けたいと思います。

 

 

イラスト/浅生ハルミン 構成・原文/山村浩子

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