ヒマなカフェで展開される、心温まる人間模様

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カフェオーナー。ライター、編集者として活躍中の2008年、古民家を改装した1号店「イリヤプラスカフェ」、その後、倉庫を改装した2号店「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」をオープン。料理上手なスタッフに囲まれ、食べること、インテリア、アートなどなど、大好きなコト、モノをぜーんぶ集めて、持続的におニューで、わくわく感のあるカフェを目指して試行錯誤の日々。http://www.imadoworks.com/iriyaplus/

私は、「かもめ食堂」という映画が大好きで、でも、
これは映画だから、いろんなことが起こるのよね、と
思っていたのですが、カフェを始めてみると、毎日がドラマチック!
「ようこそ、カフェな日々へ」と言われたような気がしました。

 

しかし、オープンしたものの、訪れる客は、1日、わずか数名。
カフェの中身は薄いし、宣伝もしていない。
もっともな話ですが、ここまでヒマなのはなぜ?と頭の中はぐるぐる。

 

オープンを示す看板

オープンしたときの告知はこれだけ。これじゃあ、誰も来ませんよね。

オープン日の夕方の様子

オープン当日の夕暮れ。がらん~。

 

 

そんな中、ご近所の会社員二人組が、オープン当日、
午後3時くらいに、ふらりとカフェに入ってきて、その日以来、
毎日のようにバナナミルクを注文してくれるのが、心の支えでした。
あっ、今日も来てくれた、よかったあ〜、と。

 

「バナナミルク2つ」
「はいっ!」

 

毎日、繰り返される短いやりとり。これだけ。
スーツ姿のふたりのサラリーマンとバナナミルクの組み合わせ。
微笑ましくもあり、そして、ちょっとフシギ???
毎日来てくれて、バナナミルクなワケをできれば知りたい。
いいとこ、伸ばしたいし・・・。←私の心の声、です。
でも、会話は生まれない。
「どうしてカフェ、オープンしたの?」とか、
一度も聞かれたことはありませんでした。静かなふたり。

 

バナナミルク

これがバナナミルク。バナナ1本と牛乳120ccをミキサーにかけてつくります。確実においしい!

 

アイスバナナモカ

これはアイスバナナモカ。コーヒーやエスプレッソとバナナミルクもよく合います。アイスコーヒーと氷を入れて、氷の上にバナナミルクをゆっくりとそそぐと、きれいな2層に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店内の様子

閑散とした店内。オープン当時は、奥にカウンターがあって、ここでコーヒーを入れていたので、カウンター越しにお客さまと会話することも。

 

 

 

オープン当初は、客席のすぐ近くに細長いカウンターがあり、

ここでドリンクを作っていました。

ある日のこと、ふたりの男性が、

カウンターの前のソフォー席に腰をおろしました。

 

「コーヒーとカフェオレ、お願いします」

「はい!」と返事をしたそのすぐあと、

「兄貴は、もごもご話すから、店の音楽にかき消されて、

なに言ってるか、わかんないんだよ。もっとはっきり話して」

と言う、(たぶん)弟さんの声が。

あわわわわ、こめんなさい、と思って、私は、あわててスピーカーの

リモコンをとりに行って、ボリュームを落としたのでした。

 

その日もヒマで静かな店内。カウンターで私がコーヒーをいれていると、

「兄貴、クリスマスまでにやせるって約束したよね」という

問いつめるような弟さんの声が、耳に飛び込んできました。

 

きっと、弟さんは、お兄さんの健康を考えて、

兄弟でクリスマスの約束をかわしていたのね、

あ〜、仲がいいんだなぁ、と私は勝手に想像して、

あったかい気持ちになったのでした。

 

ふたりは、ドリンクをおかわりしてくれて、

そのオーダーをとりにいったときも、

「オレはコーヒーお願いします。兄貴、2杯目、何にするか早く決めて」

と弟さんがお兄さんをせかします。

あっ、うちのカフェ、急いでいませんから、ヒマですから、

ゆっくりでいいですから。←これも、私の心の声。

しかし、帰り際は、二人分の代金をささっとお兄さんが

払ってくれたのでした。

 

 

 

カフェ外観

オープンして1週間ほど。白のA看板を買いました。

 

 

 

オープン当初から来てくださっている、

80歳くらいの、ご近所のモダンな女性もいらっしゃいます。

このお客さまは、食べ物の好き嫌いが激しい。
うちのカフェで食べられるメニューは、バニラアイスくらい。

 

ほぼ毎回、「なにがあるの?」と聞かれ、説明します。
「今日は少しお腹がすいているの」という日は、
スープはどうでしょう、今日のスープは・・・と説明したのですが、
「野菜は嫌いなの。子どもの頃からほとんど食べたことがないの」
「え、えっ!?」
↑スープといえば野菜スープですし、
野菜全体がキライという人に始めて出会いました、私。
ということで、大抵、いつもバニラアイスにおさまるのでした。

 

 

2008年は、梅雨が長い年でした。←店がヒマすぎてそう感じたのかも。

 

で、このお客さまが、ある日、
「おたくがオープンしてから、雨ばっかりねぇ」とつぶやかれた時は、
長い梅雨ってか、もしや私にとって氷河期到来?!と思ったものです。

 

 

 

カモメ食堂とイリヤプラスカフェの大きな違い、
それは、うちのカフェの場合は、
お客さまが少ない、ヒマ、という状態が長~く続いたことでした。

 

次回は、ヒマのいろいろな段階とか、
ヒマを乗り切る、私なりの工夫!みないなお話をしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします!

 

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  • コメント(2)

    にこりさん、いつもコメント、ありがとうございます。2層に挑戦、ぜひ!2層がきれいにできると、それだけで嬉しいものです。
    接客は、ほんと難しく、常に大きな課題です。
    「昨日は忙しかったから、笑顔にかけていたかも」とか、「顔が焦っててたかも」とか、
    スタッフみんな、反省したり、悩んだり、喜んだりしながら日々、前に進んです感じです。
    今後ともよろしくお願いします!。

    今村ナオミ - 2014年10月9日 15:00

    わたしもバナナミルク、大好きです。
    冷凍バナナのふわふわが大好きでして。

    そして、今朝はコーヒーを冷凍にして
    昼にジューサーへ。フラペチーノ~なんて
    やってました。

    次は二層に挑戦してみたいと思います♪

    お客様は、いろんな方がいろんな趣向をもってらっしゃいますね。
    カフェって適度にほっておいてくれる感じが心地よく、
    完全にほっておかれると感じがわるく、
    でも、人気のイリヤプラスカフェはきっとその間合いの良さが繁盛されてるひとつの理由なのでしょうね。

    にこり - 2014年7月18日 18:07
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