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“削らない””抜かない”、最新の歯の治療法とは!?

虫歯が見つかったらどうしますか?これまでは、虫歯があったら削って、ダメな歯は神経を抜いて、というのが常識でした。でも、歯科医療も進んでいます。将来いかに歯を残せるかを考えて、削らない、抜かない治療が注目されはじめています。今回は、天野聖志先生が推奨する、OurAge世代からの"削らない""抜かない"治療について、お話を伺っていきます。

 

 

Kiyoshi Amano
天野聖志さん

天野歯科医院院長、歯科医師。米国歯学修了、米国補綴歯科学会認定医、ドックベストセメント認定医、国際歯科学士会フェロー。メディアにも数多く登場。『歯を削らない、抜かない、だから痛くない、むし歯・歯周病の治し方』(現代書林)も話題。https://amanodental.com/

 

 

 

 

今ある歯は徹底して守る!
歯を傷つけない治療を

最近、“削らない、抜かない歯科医療”が、普及しつつあります。

 

 

「といっても、まだまだ日本では、削って抜いてという治療が一般的です。でも、歯は一度削ったり抜いたりすれば、当然元には戻りません。その後、治療をして詰め物やかぶせ物を施すため、元に戻ったような感覚になるかもしれませんが、それは間違いです。歯は削るほど弱くもろくなります。また、詰め物やかぶせ物などの修復物は、必ず劣化します。こうした治療をするほど、虫歯や歯周病ができやすくなることがわかってきています」

 

と言うのは、削らない、抜かない治療を以前から積極的に行っている天野先生。削ると歯のエナメル質に見えないひびが入ってしまい、そこから虫歯菌が入り込みやすくなるといいます。

 

「また、虫歯が進行すると、神経にまで虫歯菌が侵食します。こうなると、神経を抜く“抜髄治療”が行われます。でも、神経を抜いた歯はいうなれば、枯れ木と同じです。形はありますが、かろうじて歯肉に生えている状態なので、何かあったらすぐに倒れてしまう状態なのです。アワエイジ世代は、今と違い子どもの頃からこうした古いタイプの歯科治療を行ってきた世代なので、今、歯が痛くなくても、よく見るともろい歯がたくさんある場合も少なくありません」

 

と天野先生から衝撃的なお話が…!確かに私たちの世代は、子どもの頃から今まで、削って詰める、痛いのが続いたら神経を抜く、それでも悪さが続いたら歯を抜く、という治療が主体でした。でも、今からでも治療への意識は変えたほうがいいと天野先生。

 

「8020運動という80歳で20本歯を残そうという運動がありますが、高齢で歯のあるないは、要介護などにも大きく影響します。体の健康はもちろん、おいしくものが食べられるということは心にも大きく影響します。でも、要介護になってから歯をどうにかしたい、と思っても残念ながら間に合いません。でも、50代前後の今ならば、まだ可能です。現在、枯れ木になっていない歯はどれだけあるのか確認して、問題のあるところは削ったり、抜いたりしない治療も含め選択していく。また、過去に治療した歯も削らない治療で再メンテナンスをして、これ以上存在している歯をもろくしない。50代からのケアにはとても重要なことなのです」

 

 

 

削らない、抜かない虫歯治療とは?

今までの歯科治療とは異なる削らない、抜かない治療※。いったいどうやって虫歯を治療するのか。虫歯の状況による、代表的な3つの方法をご紹介しましょう!
※日本では未承認の新しい治療法。現時点では保険適用外の自費治療になります。

 

 

ヒールオゾン

痛みも一切なく、
40~60秒で治療も完了

初期虫歯と呼ばれるC1の虫歯に対して行われる治療法です。虫歯はエナメル層にとどまっている状態。ここに殺菌力が強いオゾンという気体を当てて虫歯部分を殺菌していきます。オゾン発生器のキャップを歯にかぶせて、40~60秒オゾンを当てるだけで終了。

 

 

カリソルブ

象牙質まで到達した虫歯も
神経を抜かずに治療

虫歯がエナメル質から象牙質に進行したC2と呼ばれる虫歯に対応する治療。

1 虫歯で穴があいた部分にカリソルブというジェル薬剤を塗布し、虫歯部をやわらかくします。

2 虫歯部を特殊な器具で除去。これを繰り返します。

3修復物を入れ、閉じて完了。

 

 

 

ドックベストセメント

進行した虫歯でも
神経を抜かずに維持できる

痛みが出るC3と呼ばれる虫歯の治療。

1 プラズマレーザーで麻酔をかけて、虫歯部分に次亜塩素酸電解水の殺菌水をかけます。その後、プラズマレーザーをかけてさらに殺菌。

2 殺菌効果があるドックベストセメントを塗布し、固まったら修復物でふたをして完了。

 

 

次回は、”口内劣化”を食い止めるために、今からすぐに実践できることをご紹介します。

 

 

イラスト/内藤しなこ 取材・原文/伊藤まなび

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