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医療と美容の最先端!? 「毛細血管ケア」がますます重要な理由/前編 45歳を境に老化が進み、全身の不調につながります

増田美加さん

増田美加さん

1962年生まれ。女性医療ジャーナリスト。30年にわたり女性の医療、ヘルスケアを取材。自身が乳がんに罹患してからは、がん啓発活動を積極的に行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための患者力』(講談社)ほか多数。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員

医療ジャーナリスト 増田美加さんの更年期女性の医療知識 アップデート講座

 

この連載では、MyAge/OurAge世代の女性が知っておきたい最新の医療知識をご紹介しています。教えてくださるのは、医療ジャーナリストの増田美加さんです。

 

医療と美容の最先端!? 「毛細血管ケア」がますます重要な理由(前編)

45歳から急激に毛細血管は老化する!

ここ2~3年、健康、医療業界のメディアで注目され大きなキーワードとなっているのが“毛細血管”です。これまで、動脈や静脈などの太い血管は、動脈硬化や脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の対策として紹介されてきました。けれども髪の毛の10分の1、わずか0・001㎜の太さしかないデリケートな毛細血管については、よく知られていませんでした。ところがさまざまな研究により、この毛細血管の重要性がより明らかになってきたのです。「全身の血管の9割以上は毛細血管です。毛細血管は、約37兆個ある全身の細胞に血液とともに栄養や酸素を届け、老廃物を回収して静脈に送るという重要な働きをしています」と毛細血管研究の第一人者、高倉伸幸先生(大阪大学教授)。

 

ところがこの毛細血管は、非常に脆く、少しの衝撃や摩擦で傷つきやすい存在。そして、急速に毛細血管の老化が進むのが、更年期の45歳からなのです。毛細血管にダメージがあると大切な栄養や酸素が細胞に届かず、老廃物や水分を回収する機能も低下します。新陳代謝に欠かせない栄養補給も、デトックスの働きも失われてしまうのです。

 

Journal of Dermatological Science 61 (2011)206-207

45歳を境に漏れやすい血管に! 縦軸が高いほど漏れにくい健康な毛細血管。血管漏れは45歳から始まっています。30~44歳に比べると、75~89歳では3分の1近く毛細血管が減少しています

 

この毛細血管の重要性にいち早く気づき、美と健康へのケアに取り入れたのが、君島十和子さんです。「エイジングによる肌の機能低下、くすみやシミ、シワ、たるみなどにどう対応していくかが数年来の課題でした」と話す君島さん。「しっかりお手入れをしても、以前のような透明感が戻らない…。年齢とともに進む肌悩みを解決するにはどうしたら…。この問題に向き合い、研究を重ねるなかでたどり着いたのが毛細血管ケアの重要性でした」とも。

 

全身の不調や肌、髪にも重要な毛細血管ケア

毛細血管のダメージは、全身の血行不良はもちろん、粘膜、関節、骨、脳、内臓、代謝や免疫にも密接に関係しています。

 

具体的に何が起こるかといえば、冷え、眼精疲労、ドライアイ、頭痛、肩コリ、関節痛、もの忘れ、勃起不全(ED)、メタボリックシンドローム、アレルギーなどを起こしやすくなります。さらに毛細血管の老化が現れやすいのは、肌や髪。酸素や栄養分が正常に肌細胞に届かないとターンオーバーがうまくいかず、コラーゲンやエラスチンなどの潤い成分を作り出す繊維芽細胞が活性化されません。くすみ、シワ、シミ、たるみの原因に。また頭皮の毛根下にも毛細血管が張り巡らされています。毛細血管の劣化で髪の材料となる栄養分が届かず、髪が細くなり薄毛の原因にも。見た目年齢に大きく影響します。

 

後編では、ゴースト血管を防ぎ、毛細血管力を上げる方法をお伝えします。

イラスト/堀川理万子

 

 

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