羽田美智子さんが女性樹木医に習う「心と体の整え方」①失敗こそ最高の学び


女優の羽田美智子さんが気になる〝もの〞〝こと〞からその道の達人にコツを教わるこの連載。

今回のテーマは「心と体の整え方」です。

 

 

 

 

樹木医・塚本こなみさんに習う
「心と体の整え方」

 

静かにそこにたたずむ樹の気持ちをくみ、治療する樹木医という仕事に魅せられたことがあるという羽田美智子さん。

 

その羽田さんが憧れていた、女性の樹木医第1号の塚本こなみさん。

塚本さんが"心の樹"と呼ぶ、樹齢1,300年の春埜杉の前で、OurAge世代に共通するテーマでもある日々揺らぎがちな心や体を見つめ直し、整えるための方法を教えていただきました。

 

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塚本さんの〝心の樹〞は、静岡県浜松市の「春埜山 大光寺」にある、県の天然記念物に指定されている樹齢1,300年の春埜杉。樹の前に立った羽田さんは「体中が清らかになっていくような気がします」と感激もひとしお

 

 

羽田美智子さん Michiko Hada

 

1968年生まれ。女優として映画、ドラマ、CM、ラジオを中心に活躍中。近著に『羽田美智子が見つけた 沖縄 すてき、ひとめぐり。』(光文社)がある

羽田美智子オフィシャルブログ

http://ameblo.jp/hada-michiko/

 

 

塚本こなみさん Konami Tsukamoto

 

1949年生まれ。静岡県磐田市出身。結婚後、造園家である夫の仕事を手伝い、造園会社を設立。’92年、女性初の樹木医の資格を取得。日本各地の緑化事業や古木・巨樹の保護や治療、移植に取り組む。’96年「あしかがフラワーパーク」に大藤を移植し成功。現在は「はままつフラワーパーク」理事長。著書に『おおふじひっこし大作戦』(福音館書店)など

 

 

 

 

 

樹に教えられて、
今の自分を確立できました

 

 

羽田 数年前、樹木医になりたいと思ったときに、いろいろ調べていて塚本さんの存在を知り、ずっとお会いしたいと思っていました。物言わぬ樹の状態を見極め、命を守るために対処する仕事ってすばらしいと思ったのです。

 

塚本 それは光栄です。男の世界といわれる造園業界で、女のくせにと言われながらも仕事を続け、43歳のとき樹木医になったのですが、そこで初めて“私は樹のことを何も知らない”ということに気づかされました。

 

羽田 試験に合格したあとにですか?

 

塚本 ええ。試験は14日間続き、その間たくさんの事象に対処するたびに、これも知らなかった、あれも知らなかったということを突きつけられて。樹木医になったとはいえ、これからは真剣に勉強しようと思いましたね。

 

羽田 女性初の樹木医として注目され、大変だったとお聞きしましたが。

 

塚本 男の世界で生きてきましたから、肩に力が入っていたのでしょう。生意気だ、傲慢だと言われることもありましたが、樹木医となって治療の依頼が全国から入るたびに“また1本、治療させていただける”という気持ちで仕事を重ねてきました。樹は私が治す、と思うとうまくいかないんです。“未熟者ですが一生懸命させていただくので、どう触ったらいいか教えてくださいね”と礼を尽くすことで初めて見えてくるということを学びました。

 

羽田 樹の声が聞こえるようになったんですね。何かきっかけでも?

 

塚本 ある樹を持ち主の引っ越し先に移植する話をいただき、3年かけて準備し無事に仕事を終えました。しかしその2日後にご主人が亡くなり、その2年後、樹も枯れてしまったのです。樹に対して思い入れの強いご主人の意思を受けて樹を守ろうとしたはずなのに、無意識のうちに“また成功した”という傲慢さがあったのかもしれません。その思いが、定番通りの手入れの方法しか施さず、樹と真摯に向き合わなかった結果だと気づきました。実にお恥ずかしい話です。

 

羽田 人間の医療の世界でも、最善を尽くしても自分の頑張りだけではどうにもならないことがあることを、医師としての通過点として見せられると聞いたことがあります。

 

塚本 その後、処理を依頼されて伐採したのですが、幹にそれはきれいなハート形の空洞ができていたのです。

 

羽田 えっ‼ 愛ですね。

 

塚本 そうですね。これが契機になって再び自分の傲慢さに気づき、まっとうになったんじゃないかしら(笑)。

 

羽田 傲慢さとは、普段、人がいちばん犯しやすい罪ですよね。そこに気づきながらひと皮むけていくというか。小さな成功のあとにはちょっといい気分になる自分がいますもの。

 

塚本 成功から達成感は得られますが、成長の糧にはならない。失敗こそ最高の学び。ありがたく受け取ることが大切なのだと痛感しました。

 

 

 

 

 

"春埜杉(はるのすぎ)"に会える

「春埜山  大光寺(はるのさんだいこうじ)」

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養老2年(718年)、高僧・行基が山稜を巡錫した際、春埜山で霊気に触れ、ここに開山。明治政府の神仏分離の政策のもとでも、太白坊大権現、大梵尊天、帝釈尊天、閻魔大王を祀り、のちに春埜山 大光寺と号した。行基が植林したとされる神代大杉、春埜杉は、病気を癒すとされ、信仰の対象になっている

 

DATA

静岡県浜松市天竜区春野町花島22-1 ☎053-986-0941
東名高速「袋井」ICより車で約1時間半

東海道本線「袋井」駅より静岡鉄道バスで「森町」下車、そこから車で約40分

 

 

 

 

 

撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/永塚克美(HEADS) スタイリスト/田内玲子

取材・原文/向井真樹

 

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第8回
羽田美智子さんが女性樹木医に習う「心と体の整え方」①失敗こそ最高の学び

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