海を眺めて海洋深層水につかる、室戸岬のオーベルジュへ親子旅

小野アムスデン道子

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、旅の楽しみ方を中心としたフリーランス・ライターへ。
旅と食や文化、アートなどライフスタイルについての執筆や編集、翻訳多数。
日本旅行作家協会会員。
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こんにちは小野アムスデン道子です。休暇でアメリカから日本に帰ってきている娘と親子旅でも行こうかということで、選んだ旅先が室戸岬にある「星野リゾートウトコオーベルジュ＆スパ」。理由は①初四国の娘。東京から高知龍馬空港まではマイルを利用。そこからリゾートへの送迎のバスは無料②海洋深層水を利用した通年利用できるプールとスパがある③お料理は、鰹と柚子を使った好みのイタリアン④お部屋が全室オーシャンビューで広々。ここには以前に取材で訪れていて、観光というよりおいしいものを食べてゆっくり滞在の旅を考えていたので、ぴったりだと思ったのです。

海に面して、横に長く続く客船をイメージしたというモダンな建物。真ん中にゆったりと腰かけてお茶やお菓子を楽しめるライブラリー、海や夜空の星を眺められる屋上デッキ、レストランなどがあって、どこか日本離れした雰囲気。ウェルカムドリンクで出たのは、ブンタンと小夏のジュース、そして夏シーズンなのでショウガと柚子のグラニータ（かき氷）。爽やかな飲み物をいただきながら、潮風に吹かれて一服。

プールの海洋深層水は、室戸の水深700m〜1000mという深海の湧昇流を汲み上げたもので、お部屋にはこのミネラルウォーターも置かれています。

スパは、海藻や海泥、塩などミネラル豊富な海の恵みを生かしたトリートメントで、私はふだん自分でお手入れしにくい背中のパックを選びました。その間に、娘の方は身体の浮くような海洋深層水のプールでぷかぷか。戸外には、黒潮の海を眺めながら浸かれるジャグジーもあります。

ディナーは、ダイニングのお料理が二人とも大好きなイタリアン。高知の郷土料理である皿鉢料理スタイルで、アンティパストではかわいいサイズのさまざまな鰹料理が並びます。鰹をペペロンチーノソース合わせたパスタ、トリッパからヒントを得たという鰹の腸をミートボール状にしてトマトソースで合わせたグラタン、鰹の身の生ハム仕立てなど。盛りつけも美しくて、次に何が出て来るのか楽しみなコースでした。

翌朝、ホテルから歩いて室戸ジオパークをお散歩。ジオパークとは地球科学的に重要な自然遺産で、この室戸ジオパークは、世界ジオパークネットワークに認定された景勝地です。海岸沿いには、ビシャゴ礁やエボシ礁といった巨礁や、巨大な天然記念物の亜熱帯植物アコウ、自生しているサボテンなどがあって、ダイナミックな自然の美しさを感じます。

ホテルに戻って充実の朝ごはん。まず、日の出のグラデーションをイメージしたという３種のジュース“柚子シロップと海洋深層水” “フルーツ” “キャロット”がかわいくて、おいしくて感激。その後も柚子ドレッシングのサラダ、柚子皮を練り込んだワッフルや、柚子胡椒のソースでいただくオムレツなど、朝から食べきれないほどのお料理が並びます。