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30回嚙んで視床下部の酸化を防ぐ!

根来秀行

根来秀行

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

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いし こんにちは、ぐうたらライターいしまるこです。根来先生の最新刊『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』、好評発売中です!タイトルをクリックすれば試し読みもできますよ!

 

 

さて、「脳年齢を鍛える 視床下部編」も、今回で最終回ですよ。

 

根来 こんにちは、根来秀行です。
「視床下部を鍛える根来式脳トレ」の最終講義は、前回に続いて視床下部を鍛える食ベ方についてレクチャーしましょう。

 

いし よろしくお願いします!

 

根来 早速ですが、問題です。老化の主な原因といえば?

 

いし 酸化ですか?

 

根来 ご名答! とくに脳は1日に消費するエネルギー量の20%を使い、酸素消費量は全身の1/4をも占めます。

そのため活性酸素が発生しやすく、どの部位よりも酸化が激しいのです。

 

いし 脳の中枢である視床下部が酸化するとどんな影響があるんですか?

 

根来  視床下部で活性酸素が増えると、ニューロンが破壊され、代謝調節に重要な神経も減って、肥満や糖尿病を招きます。また、脳梗塞や脳腫瘍、認知症など、大きな病気につながるリスクも上がります。

 

いし 大変だ!

 

根来 脳を酸化ストレスから守るには、第1にストレスをためないこと。

 

いし ストレス対策は脳ケアの基本ですね。

 

根来 そして、強力な抗酸化作用を持つメラトニンの分泌を高めることが大事です。メラトニンの原料で、脳のニューロン(神経細胞)を元気にするハッピーホルモンのセロトニンを、日中に十分に分泌させましょう。

 

how to eat
ひと口30回を目安によくかんで食べ、
最強抗酸化ホルモン「メラトニン」を作る

 

いし では具体的に視床下部を酸化させない食べ方を教えてください。

 

根来 セロトニンはリズム運動によってたくさん出ます。ひと口30回を目安によく嚙んでゆっくり食べましょう。

 

 

Dr.negoro_ill

 

根来 食事に時間をかけることで、視床下部にある満腹中枢も刺激され、腹八分で満足でき、過食が防げます。
腹八分が習慣づけば、細胞の寿命を長くし、また、免疫細胞を正常化する酵素を作り出す〝長寿遺伝子〟もオンになります。

 

いし 免疫が上がって長生きもできる!

 

根来 あとは、抗酸化成分の〝ファイトケミカル〟が豊富な食材を、食事に上手に取り入れるといいですね。

 

いし ファイトケミカルといえば、トマトを赤くしているリコピン、ニンジンをオレンジにしているβ-カロテン、サケのサーモンピンクはアスタキサンチン、ブルーベリーの紫はアントシアニンなどなど、いっぱいありますよね。

 

根来 いちいち成分を覚えなくても、カラフルな食材には抗酸化成分が多く含まれているものが多いので、食材選びのときに目印にするといいですよ。

 

いし それなら簡単ですね。

 

 

根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!

Dr.negoro_photo

 

 

(次回からは「脳年齢を若返らせる! 」企画第2弾「海馬編」が始まります。お楽しみに! )

 

取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン

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