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関節リウマチも今はいい薬が開発されて、上手につき合っていける病気です。/教えてDr.!第4回

ちょっと気になる病気 教えてDr.!

関節リウマチ

 

 

私がお答えします!

東京医科歯科大学 名誉教授

宮坂信之さん Nobuyuki Miyasaka

東京医科歯科大学難治疾患研究所教授、同大学第一内科教授、同膠原病・リウマチ内科教授、同医学部附属病院長、日本リウマチ学会理事長などを歴任し、現職

 

相談

朝起きると手指の関節がこわばります。更年期の症状か、関節リウマチなのか、見分ける方法はありますか?

 

答え

更年期の症状の場合は、こわばりが30分ほどで治りますが、関節リウマチは1〜2時間以上続きます。

 

 

関節リウマチとは?

今はいい薬が開発されて、 上手につき合っていける病気です。

 

関節リウマチは関節に起こる炎症で、初期段階は手指のこわばりから始まります。更年期にも似た症状がありますが、この場合は30分以内に治ります。一方、リウマチの場合は1~2時間以上続くのが特徴です。

やがて痛みや腫れが現れ、進行すると軟骨や骨などの組織が破壊され、関節が変形して動かせなくなります。

炎症が起こる理由は免疫の異常。免疫とは、私たちの体に有害な異物が侵入したときに、それを排除するシステムで、病気にならないようにする仕組みです。しかし、誤作動を起こすと、自分の細胞や組織を敵と誤認して攻撃してしまうことがあります(自己免疫疾患)。関節リウマチはこうした病気で膠原病(こうげんびょう) のひとつ。

 

 

7:3の割合で女性に多く、発症年齢は30~60代、特に閉経を迎える40~50代と、30代の出産後がピークです。ただし、最近は65歳以上の男性が発症するケースも増えています。

発病の原因はいまだ解明されていませんが、遺伝と環境要因が関係していると考えられています。とはいえ、関節リウマチの患者さんの子どもが必ず発症するとは限らず、明らかな遺伝病ではありません。

環境要因では、女性は出産後に発症するケースも。また喫煙が発症のきっかけになったり、治療薬の効きを悪くすることがわかっています。ほかに口腔内や腸内の細菌バランスとの関連も指摘されています。

原因がわからないため、予防する方法もありません。しかし、喫煙、過度なストレス、過労などの危険因子を排除し、バランスのよい食事と規則正しい生活、口腔内を清潔に保つことなどが大切です。

 

 

関節リウマチは進行すると、関節が破壊され動かなくなり、生活に支障が出てしまいます。こうなると元に戻すことが難しくなるので、早期発見・早期治療が何より重要です。

発病を見逃さないためにも、関節リウマチが疑われる場合は、内科や整形外科の中でも、リウマチ科や膠原病内科などの専門医で早めに受診することが大切。診察は問診、視診、触診、血液検査、画像診断など。治療は薬物療法とリハビリテーション、生活習慣の見直し、自分で行うリウマチ体操の実践などです。

 

 

近年は、免疫異常を改善する抗リウマチ薬と、炎症を抑制する生物学的製剤を用いることで、症状が緩和され、病気の進行を止められるようになりました。かつては「治らない病」と言われていましたが、今はコントロールしながら「上手につき合っていく病気」になっています。

 

〈まとめ〉

自分で行う対策

●禁煙やストレスコントロール。

●バランスのよい食事を心がける。

●関節が固まるのを防ぐ「リウマチ体操」を実践する。

 

病院で行う治療法

●薬物療法

●リハビリテーション(関節の運動機能の維持)

●手術療法(関節破壊が進んだ場合)

 

イラスト/macco 取材・原文/山村浩子

 

 

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