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大リーガーがメンタル強化に使う「5・5・5呼吸法」/根来秀行教授が「うつと睡眠」を解説③

ハーバード大学医学部役員教授・根来秀行さんが、メジャーリーグ選手の健康管理を依頼された時のお話を、連載担当Dr.根来番のぐうたらライター・いしまるこがインタビューします。

 

前回までのインタビューは下のリンクをご参照ください。

 

【特集】ハーバード大学Dr.根来の体内向上プロジェクト

 

根来秀行さん 医学博士 いしまるこ ライター

根来秀行さん
Hideyuki Negoro

1967年生まれ。医師、医学博士。ハーバード大学医学部PKD Center Visiting Professor、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授、社会情報大学理事。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。本連載から生まれた『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業「毛細血管」は増やすが勝ち!』『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』(ともに集英社)が好評発売中

 

いしまるこ

いつまででも寝ていたいぐうたらライター。寝つきが悪く、つい夜更かしして、朝からどんよりしがち

 

大リーガーも呼吸法でこっそりメンタル強化

いし 一連の研究が認められ、2006年からハーバード大学へ赴任。新天地で睡眠の研究はどう展開しました?

 

根来 睡眠のことはつねに頭にありながら、当初は腎臓や循環器、がんが研究のメインでした。ただ、僕が着任したハーバード大学系列病院のブリガム&ウィメンズ・ホスピタルに「睡眠医学の神さま」と呼ばれるチャールズ・サイズラー教授がいて。僕の研究に興味を持ってくれて、「一緒に何かやろう」と誘われたんです。

 

いし またナンパされた(笑)。

 

根来 それで共同研究を始めて、生活習慣に入り込んだ仕掛けを試行錯誤するうちに、07年にiPhoneの登場でスマホセンサーの利用を思いついて。ベッド上にスマホを置いて、体動で睡眠を計測するんです。そこから、眠りの状態を知るための睡眠アルゴリズムを開発し、睡眠アプリ「Sleepdays App」ができました。患者さんにも使ってもらい、診察に役立てています。皆さんもぜひ。

 

いし ダウンロード無料ですよ!

 

根来 メジャーリーガーの選手の健康管理を依頼されたのを機に、リアルタイムで自律神経を測れるウェアラブルセンサーも開発しました。試合中だけでなく、日常的に装着してもらい、自律神経の状態を24時間測定し、ストレス度を観察しました。

 

いし 何か問題が見えてきましたか?

 

根来 メジャーリーグは遠征試合も多く、東海岸と西海岸では3〜4時間の時差があるんです。そのため体内時計を合わせられず、自律神経のバランスをくずしがち。すると睡眠の質が下がり、血流も滞って体の回復が遅れ、どんなに高い実力を持っていても、本番で結果を出せないことがわかりました。

 

いし どんな指導で改善を?

 

根来 一番のポイントは呼吸法。自律神経を制御できるのは呼吸だけで、呼吸の仕方を変えれば、体だけでなく脳やメンタルまでコントロールできます。自律神経や睡眠を測定しながら、10種類の呼吸法を考案しました。

 

いし メジャーリーガーなんて、いかにもメンタル強そうですが。

 

根来 重要な試合前には心臓バクバクで過呼吸になる選手も多いですよ。なので、試合日には朝から腹式呼吸を行い、試合が始まったら「5・5・5呼吸法」などで、リラックスの副交感神経と緊張の交感神経を程よく整え、集中力を高めるんです。ワールドシリーズで何度か優勝もしましたよ。

 

 

自律神経のトータルパワーをUP!「5・5・5呼吸法」

  • ①ゆっくりと鼻から息を吐ききってから5秒間息を止めます。
  • ②お腹をふくらませながら5秒間鼻から息を吸います。
  • ③5秒間息を止めます。
  • ④お腹をへこませながら5秒間鼻から息を吐きます。

 

自律神経のトータルパワーをUP!「5・5・5呼吸法」

 

根来秀行さん 医学博士 皆さん今日も素敵な一日を!

 

撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン 取材・原文/石丸久美子

 

※次回は、コロナうつの原因について、根来先生に伺います。

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