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抗原検査キットで偽陰性が続出している⁉/根来秀行教授が解説する「コロナの最新④」

根来秀行

根来秀行

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

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新型コロナ感染拡大を防ぐために、検査の拡充が求められていますが、現状はいかに? ハーバード大学&ソルボンヌ大学客員教授・根来秀行さんに、ぐうたらライター・いしまるこがインタビューします。
(記事の内容は2021年11月29日時点の情報に基づきます)

 

市販の抗原検査キット、「医療用」と「研究用」の違いは?

いし ワクチンも100%じゃないし、決定打がないですね。もし第6波が来た場合、どんな対策を講じればいいんでしょう?

 

根来 もし第6波も第5波のように強力な場合は、少し強引な方法かもしれないですが、2週間ロックダウンして全員にPCR検査を行い、陽性者を隔離すれば、感染者をより早急にグッと減らせることは間違いないでしょう。ただし、経済活動のことも考えないといけないので、実際はそこまでの強硬策は難しいと思いますが。

 

いし なるほど!

 

根来 とにかく、まずは個人で出来る範囲で感染リスクを極力減らすこと、そして、発症前後のところでウイルスをまき散らす可能性が高くなるので、感染した人をどうやって早くチェックして、感染させる力がある人をいかに切り離していくかがポイントということになります。

 

また、第5波までの教訓を活かし、感染した人を重症化させないように、出来る限り、現状で可能な最善策を講じ、同時に病床やスタッフの確保など、医療体制の整備を先手先手で行う必要があります。

 

いし でもPCRの精度や検査スキルにも限界がありますよね?

 

根来 ですから濃厚接触者の追跡調査をしないで、PCRを増やすだけではなかなかむずかしいかもしれません

Wanted!イラスト

 

 

いし 第5波の時には、政府がPCR検査の不足を抗原検査キットで補うように、医療現場や介護施設、学校などに配布しましたよね。

 

根来 抗原検査は鼻咽頭ぬぐい液や唾液から、ウイルス特有のタンパク質を調べる検査です。15〜30分ほどで結果が出るので一見便利そうですが、残念ながら、PCR検査に比べてかなり精度が低いです。

 

検出にはある程度のウイルスが必要となるため、採取したウイルス量が少ないと偽陰性になってしまう可能性があります。

 

実際、抗原検査で陰性が出たけれど症状が改善せず、PCR検査を受けたら陽性だったという報告を多数受けているんです。

 

いし そうなんですか〜。行動制限緩和に向けた政策として、ワクチン接種歴または検査歴をもとに感染リスクが低いことを証明する「ワクチン・検査パッケージ」も導入されていますが‥。

 

根来 抗原検査キットの結果は「陰性証明」にはならないと思います。偽陰性だった人が安心して、ウイルスをまき散らす行動をするリスクを考えると、むしろ逆効果になることさえあるでしょう。

 

いし 心しておかないといけないですね。抗原検査キットは薬局でも販売されるようになりましたが、「研究用」と「医療用」と2種類があります。違いは何ですか?

 

根来 医療用キットは医薬品医療機器等法で「体外診断用医薬品」として承認を受けて製造販売しているもので、研究用キットはそれに該当しない未承認のものです。

 

研究用キットの製造販売には、日ごろ検査薬の取り扱いのない企業も参入していて、品質・性能に基準が設けられていないため、品質にばらつきがある可能性があります。

 

現在も、未承認の「研究用」と、承認済の「医療用」の両方が混在して販売されている薬局も多いため、購入する場合はパッケージに「医療用」と書かれているか、必ず確認しましょう。

 

いずれにせよ、抗原検査で陰性と出ても、感染していないと証明されたわけではないので、油断しないで感染対策を怠らず、おかしいなと思ったら医療機関に相談をしてください。

 

いし 了解です! 次回は治療薬やセルフケアについて伺います!

 

みなさん今日も素敵な一日を!

 

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根来秀行教授 ハーバード大学医学部客員教授

根来秀行教授
Hideyuki Negoro

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』、『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

 

いしまるこ(いし)

冷房も暖房も苦手なぐうたらライター。換気だけはマメに行い、風通しよく過ごしています!

 

 

撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン 取材・原文/石丸久美子

 

 

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