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【乳がん・子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん】原因と検診法/女性のがん検診4

増田美加さん

増田美加さん

1962年生まれ。医療ジャーナリスト。30年にわたり女性の医療、ヘルスケアを取材。自身が乳がんに罹患してからは、がん啓発活動を積極的に行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための患者力』(講談社)ほか多数。NPO法人 日本医学ジャーナリスト協会会員

医療ジャーナリスト 増田美加さんの 更年期女性の医療知識 アップデート講座

 

「女性のがん検診」
あなたの知らない真実

 

更年期は、がんリスクに備えたい世代です。でも、がん検診は受ければいいってものではないことを知っていますか?  正しい検診を選んで受けないと不利益につながることも。がん検診の「真実」を、医療ジャーナリスト増田美加さんがわかりやすくお伝えします。

 

 

知っておきたい! 女性の4大がんの基礎知識

更年期世代が気をつけるべき 4 つの女性のがん。知っておきたいポイントを増田さんが指南してくれました。

 

 

女性の11人に1人がかかる

乳がん

【原因は?】女性ホルモンのエストロゲンが深くかかわっています。初経年齢が低い、閉経年齢が遅い、初産年齢が遅い、出産経験、授乳経験がないなどがリスクを高めます。飲酒、閉経後の肥満、身体活動度(運動など)が低い、乳がん、卵巣がんになった血縁者がいる、良性乳腺疾患がある、高濃度乳房であるなどもリスクに。【検診法は?】マンモグラフィ(40歳以上。2年に1回)。【更年期世代が気をつ けるべきは?】40〜50代は乳がんリスクが高い時期。2年に1回のマンモを欠かさず受け、高濃度乳房なら超音波を組み合わせて。血縁に乳がん、卵巣がんの人が複数いる場合、遺伝性の可能性があるので検診でなく、乳腺外科の受診を。

 

検診+ワクチンでほぼ予防できる

子宮頸がん

【原因は?】HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因。HPVは、性交渉で感染するウイルス。感染そのものはまれではなく、感染しても多くの場合、排除されます。一部、排除されず感染が続くと頸がんに。現在、HPVワクチンと検診を組み合わせることで99%予防可能といわれています。また、喫煙も危険因子です。【検診法は?】子宮頸部の細胞診(20歳以上。2年に1回)。【更年期世代が気をつけるべきは?】子宮の入り口に発生するので、婦人科の診察で発見されやすい。自覚症状は不正出血ですが、更年期世代は月経がばらつくため見極めが難しいという問題も。定期的な婦人科受診が早期発見や予防につながります。

 

 

閉経後に増え、不正出血がサイン

子宮体がん

【原因は?】エストロゲンが関係。出産経験がない、閉経が遅い、肥満など。その他、乳がん治療で使われるタモキシフェンや更年期症状の治療のエストロゲンの単独使用も関係。ただしエストロゲンは、黄体ホルモンの併用でリスクが抑えられることがわかっています。エストロゲン以外でリスクが高いのは糖尿病、大腸がんの血縁者、遺伝性腫瘍のリンチ症候群など。若くして大腸がんや子宮体がんになった血縁者がいる人は婦人科で相談を。【検診法は?】科学的根拠のある検診法はない。【更年期世代が気をつけるべきは?】更年期世代は体がんのピーク。自覚症状は不正出血。不正出血があればすぐに婦人科で子宮体部の細胞診を。

 

 

遺伝性乳がんとのリンクもある

卵巣がん

【原因は?】排卵の回数が多いとリスクが高まるため、妊娠・出産経験がない、初経が早く閉経が遅いなどもリスクに。卵巣がんの約10%に遺伝性乳がん卵巣がん症候群があり、血縁に乳がん、卵巣がんの人がいたら乳腺外科で相談を。【検診法は?】科学的根拠のある検診法はない。【更年期世代が気をつけるべきは?】40代から増加し、50代〜60代前半がピーク。卵巣がんは予後が悪く、横隔膜、脾臓(ひぞう)などお腹に広く転移します。お腹の張り、しこりなどの症状があれば婦人科へ早期の受診を。更年期世代は経腟超音波で子宮と卵巣も診ることが大事。また卵巣のチョコレート囊胞(のうほう)は40歳以降がん化リスクが高まるため、定期的な診察を。

 

イラスト/堀川理万子

 

 

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