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作家・篠田節子さんも驚いた! 切除した右胸が”叶恭子”に!? /インタビュー中編

昨年、ステージ1から2の間の乳がんと診断され、がんができた右の乳房を全摘、その後、再建手術も受けた作家・篠田節子さん。 そのことをエッセイに書こうと決めた理由、そして最新作のエッセイ、『介護のうしろから「がん」が来た!』に込めた想いとは?

 

撮影/内田有紀子 ヘアメイク/レイナ 聞き手・構成/村上早苗

<プロフィール>

しのだ・せつこ 1955年東京都生まれ。’90年、『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’97年『ゴサインタン』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、’15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、’19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞など、受賞歴多数。そのほか、『廃院のミカエル』『弥勒』『肖像彫刻家』など多数の著書がある。

 

がんを切除した右胸が、

“叶恭子”に!

 

4月下旬、切除手術に臨むため、篠田さんは聖路加国際病院に入院した。「院内にフレンチレストランがある」といった”セレブなウワサ”が絶えない大病院である。そこに決めたことを、乳がん検査を受けた乳腺クリニックに伝えたところ、看護師さんから言われたのは……、「あの、聖路加さん、全個室ですから、差額ベッド代がお高いですよ」。

 

「看護師さんはそういうことまで気遣ってくれるんですよ。差額ベッド代が3万円以上と聞いて、さすがにひるみましたが、抱えている仕事もあったし、公立病院の大部屋しか知らない身には、これも取材と、腹を決めました」

 

実際、「フレンチレストランがあるのは隣接したビルの方で、病院内ではない」をはじめ、入院中に発見したことは多々あったよう。

 

「もちろん進行具合で違うとは思いますが、乳がんの手術は、内臓系に比べれば、体へのダメージが少ないのでしょう。術後安静にというお達しがないどころか、病院内であれば歩き回って構わないと言われ、看護師さんからは、おすすめの場所まで教えていただきました。旧館のロビーなんですが、木製の床に革張りのソファが置いてあって、まるでクラシックホテルみたいなんです。向かいにある礼拝堂の厳かな雰囲気といい、なんだか非日常を感じる空間でした。

 

きっと本能なんでしょうね。犬が新しい場所に連れてこられると、クンクンと鼻を鳴らしてそこらじゅうかぎまわるのと一緒で、探検せずにはいられない(笑)。そういえば、病院の売店には、お手頃な値段で、かわいいナイティーが売っていてね。お見舞いに来てくれた女性編集者たちと、『これは、○○さんのイメージだね』なんて盛り上がったりして。私、ふだんはウインドウショッピングなんて興味無いのに、ものすごく楽しかったんですよ。ほんの数日とはいえ、入院中は世間と隔てられていたからかもしれません」

 

ほかにも、手術室には、ストレッチャーに乗せられて……ではなく、歩いて入り、台の上にも自分で上がること、術後2日目にナースステーションの裏にある洗髪コーナーで髪を洗ってもらったこと、切除跡はテープでシンプルに止めてあるだけなど、ちょっと意外なエピソードが、リアル&詳細に綴られている。入院前からエッセイにすることが決まっていて、きっちり記録していたからかと思いきや、「その話が出たのは、がんの切除手術から4ヶ月ほど経った頃」と。

 

「実際に検査や手術、術後のケアを受けてみると、それまで抱いていたイメージと、かなり違っていました。がんの進行具合やできた場所、罹患した年齢にもよるのでしょうが、自分が思っていたほど深刻ではなく、医療技術も想像以上に進んでいて。乳がんの手術をするという話を周囲にしたら、『私もやったよ、温存で』とか、『私は切ったけど、再建してない』なんて、わりと普通の話題になっていましたしね。

 

けれど、患者さんの中には、乳がんと診断されだけでひどく落ち込んでいる人や、治療に対していろいろ迷っている人もいます。そうした人たちや、周りの人にとって、少しでも役立てばという気持ちから、検査や治療、ケアなど、一番新しいところを、できるだけ正確に、ルポしてみようと思ったのです」

 

役立つ情報をおもしろく伝えられたら・・・

 

とはいえ、お堅い医療ルポというわけではない。摘出手術の際に埋め込んだティッシュエキスパンダーによって大きくなった胸を、「右胸が叶恭子になっている!」と称したり、麻酔医を、「たった今手術を終えたというより、血刀をぶら下げて戦場から戻ってきたばかりの武者」と、小説のキャラのように描いたりと、思わず笑ってしまう場面が多々。

 

「実は、このエッセイを(WEBサイト「よみタイ」に)連載中に、遠縁がいろいろあった末に乳がんだと診断され、すごく落ち込んでいるという話を聞いたんです。『辛い治療を受けるくらいなら、このまま死にたい』と言っていると。それで、人を介して『よかったら読んでみて』と伝えたら、『笑いながら読みました。手術することにしました』と連絡をくれたんですよ。それは、すごく嬉しかったですね。こんな形で多少とも役に立てたということが。今回のエッセイの主眼は『おもしろくてタメになる』ですから」

 

そう言った後、篠田さんは悪戯っぽく笑って、「手術の前に彼女と会った時にね、シリコンを入れた私の胸を触ってもらったんですよ。『触っておくと、いいことあるかもよ』なんて言って。地蔵の頭みたいなものね(笑)」と。

 

乳がんに関する情報を、リアルに、時にユーモアを交えて客観的に描く。それは、エッセイのもうひとつの題材となっている「介護」についても同様。

後編では、認知症の実母の介護について語っていただきます。

 

介護のうしろから「がん」が来た!』乳がんと介護という重くなりがちなテーマを、作家ならではの観察眼とリアルな描写で綴った痛快ドキュメント。WEBサイト「よみタイ」に連載されたものに、篠田さんの乳房再建を担当した形成外科医との対談も新たに収録。読み物としてのおもしろさに加え、情報収集にも役立つ充実の内容だ。(本体1300円+税 集英社)

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