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いよいよ入院当日になっちゃった。不安を抱えて病院へ/50代。乳がんサバイバーになりました。

hijiri

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都内在住の50代会社員。2019年5月に乳がんと診断される。仕事を続けながら10月までに3回にわたる手術を経て、2020年1月に放射線治療が終了。現在は、10年間にわたるホルモン療法薬の服薬を継続、年に一度の検診で経過観察中。放射線治療中も継続したランニングの趣味が高じて、ランニングアドバイザー、スポーツ医学検定2級、ナヴィゲーションスキル シルバーレベル等の資格を持つ。「琉球茶道ぶくぶく茶」東京分室主催。元おでかけ女史組メンバー。

 

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手術と入院でかかる日数の目安

 

さていよいよ手術のために入院する、その日がやってきました。

私が通院している病院では、乳がんの手術日は金曜日と決まっているので、木曜日から前泊で入院することに。

 

これを読んでいらっしゃる方でたぶん一番気になるのは、手術に際して仕事をどのくらい休むべきなのか、留守の間家族は大丈夫なのか、どれくらいの日数を想定しておけばいいのか、ではないでしょうか。

 

病院やステージによっても違うのであくまで目安ですが、全身麻酔での乳房温存手術(ステージ1)の私の場合、手術の前日に入院し、翌日手術、そして術後2日を目途として主治医の判断で退院と言われていました。なお、術後の出血やふらつき、めまいなどが見られると退院が延びることがあるようです。

 

その後は、傷がふさがるまで基本自宅での療養になります。乳がんは内臓には関係ないので、食事などは問題なく寝込む必要もありませんが、衝撃や血圧を上げるような運動やアルコールは避けなければいけません。なぜなら傷口が開いてしまう可能性があるから。

 

人混み、例えば満員電車なども避けた方がいいので、10日~2週間ほどゆっくり自宅療養できる期間があると安心です。

早めに公表することで負担を最小限に

 

仕事をされている人なら、お休みする期間の業務も心配ですよね?最初私も悩みました。

 

結局、私は乳がんが判明した時点で、上司に相談の上、社内全体に告知させてもらいました。

 

私が現在所属している組織は平均年齢が比較的低め。特に若い男性は「乳がん」のような女性特有の病気については、どこか怖がったり引いてしまうような傾向を薄々感じていました。むしろちゃんと理解しておいてもらった方がスムースだろうと考えてのことです。

 

それが功を奏し、また、在宅勤務制度を利用することである程度柔軟な勤務体制を作ってもらうこともできました、後述しますが、上に書いた自宅療養の“外出禁止期間”も在宅で仕事ができたのでほぼ穴をあけなくてすみ、気持ちの負担も少なく済んだと思います。

 

そして、職場で変に心配されるより「じゃあ、本復帰したらごはんいきましょうね」みたいな会話ができるのも気持ちいいものでした。

 

職場や状況によってもケースバイケースだと思いますが、可能であればオープンにしてしまう方が色々調整しやすいのでは、と思います。

入院前にしておくといいこと色々

 

手術の前にやっておくといいことの一つが「限度額適用認定証」を受けとることです。

 

健康保険では高額療養費制度が用意されているケースが多いですが、この高額療養費制度による医療費の払い戻しは申請作業が必要、さらには払い戻しも申請してからしばらくかかるため、一時的とはいえ数十万円単位の高額の支払いが退院時に必要になります。

 

入院前に限度額適用認定証を手に入れておいて入院手続きの際に提示すれば、請求される医療費が最初から高額療養費制度の自己負担限度額までになります。後から払い戻しを申請する手間もかかりません。

 

加入している健康保険によって、また所得によって限度額も手続き方法も異なりますから、前もって調べておいて健康保険組合や役所などへの申請を準備しておくことをお勧めします。

 

さらにもう一つ、全身麻酔で手術をする場合は基本的に付き添いを求められる可能性が高いので、可能であればご家族のスケジュールもおさえておいたほうがいいです。

 

前回書いたように、全身麻酔の場合、手術中の患者に意識はありません。意識が戻るのは術後しばらくたってから。

 

そんな状態で、手術中に何らかの理由で輸血や追加の手術などが必要になった場合、親族家族の同意が必要になるからです。

 

入院当日の流れ

 

いよいよ当日の朝。なんとなく怖いようなどきどきのような、不思議な気分です。

 

とりあえず行けば後は指示通りとは思うものの、前日は仕事を片付けるためにぎりぎりまでばたばたしていたので、忘れ物はないか、なにかやり残していることはないかなど、なんだかすっきりしない気分をかかえたまま病院へ向かいました。

 

時間通りに病院へ行ったら、まずは入院手続きです。

 

前もって記入してきた手術同意書や保険証、そして前述した限度額適用認定証などを提出して手続きします。

 

患者の取り違え防止のバンドを手首に装着したら、ベッドまで案内されて看護師さんに持参品の確認と今後の説明を受けます。

いよいよですね・・・。

 

持参品とは自分で用意しなければいけない手術に際して必要なものです。

こちらも病状や手術の内容によって変わると思いますが、私が用意するように言われたものを参考までにあげておきます。

 

・バストバンド(手術後に患部を抑えるためのもの。私は病院併設のコンビニエンスストアで買いました)

・Tパンツ(紙パンツです。こちらもコンビニで購入)

・フェイスタオル(顔や体を拭くためではなく手術後にバストバンドに入れて患部を抑えるためのもの。そのためできる限り肌触りが良いものがいいです)

・乳帯ブラ(リマンマという乳がん用の下着。スポーツブラでも代用可能とのことで、私はそうしました)

左上がバストバンド、下にあるのがTパンツです。

右端にある圧縮靴下は手術用で、病院で用意してくれます。これは身動きの取れない長時間の手術による深部静脈血栓(血液の中にできる血のかたまり)ができるのを防ぐためのものです。

 

そういえば、私の入院した病院では1日単位でパジャマやタオルなどをセットでレンタルできるサービスがありました。私も利用しましたが、洗濯の心配もしなくていいし、いくらでも着替えたり新しいものを使えるのでとても楽でした。

もしこのようなサービスがあるようなら、利用を検討すると負担も減ると思います。

 

着替えて体温と血圧を測ってしばらくすると、再度超音波検査へ向かいます。

 

これは病変部位を再度確認するためです。先生によると、切除する場所が5mm広がると実質切除部分が1cm広がる(余裕の分だそうです)ので、無駄な部分まで切除しないようにきちんとチェックする必要があるのだそうです。

 

皮膚の上に直接マジックで印をつけるのですが、場所だけでなくメモ書きのようなことも書かれてなんだか肉屋さんのお肉になったような気分。

目玉焼きのように書かれている部分が切除部分です。ちょうど乳頭の真上あたり。

 

そうそう、私の場合手術対象は左胸なので、血圧計測などは全部右腕でやるのだそうです。少しでもトラブルにならないよう同じ側は避けるそうで、手術って本当に細やかな気遣いが必要なのだな、と改めて感じました。

 

その後は、食事をしてシャワーを使い、体力を使い過ぎないようにして明日に備えます。

 

気になる食事ですが、入院した当日は普通食で特に制限はありませんでしたが、全身麻酔の準備のために21時までに食べ終えることが必要でした。その後はお水やお茶も禁止の絶食期間に入ります。というか私はその理解でした。

 

ところが、実際にはその時間にはアルジネードウォーター、リンゴジュース、OS-1が出され、この3つを翌朝11時までに全て飲まなければいけないと言われました。これらは喉が渇かないからといって、飲み残すこともダメなのだそう。

 

い、意外と苦行かも・・・。

リンゴジュースは鉄分補給、アルジネードウォーターは栄養を補完して体力低下を防止するため、そしてOS-1は手術前に点滴の代わりに水分補給するためだそうです。

 

慣れないベッドと不安、そして絶食覚悟だったのに目の前にあるたっぷりの水分をどう配分して飲めばいいのか。そんなことを考えているうちに入院一日目の夜は過ぎていきました。

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