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乳房再建について正しい情報を知ろう/50代。乳がんサバイバーになりました。

hijiri

hijiri

おでかけ女史組メンバー。都内在住の50代。2019年5月に乳がんと診断される。10月までに3回にわたる手術を経て、2020年1月に放射線治療が終了。ホルモン治療を受けながら仕事を続けている。今後は年に一度の検査をこなしながら経過観察。

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乳房再建の最新情報を増田さんに聞きました

 

さて、前回、乳房再建について正しい知識を教えてくださった、増田美加さん。医療ジャーナリストでもあり、私と同様乳がんサバイバーでもある増田さんに、改めて乳房再建の最新情報をお聞きすることができました。

とても丁寧に教えてくださったので、みなさんにも正しい知識を知って頂けたらと思い、こちらでご紹介することにしました。ぜひじっくり読んでみてくださいね。

 

hijiriさん 増田さん

 

失った乳房を取り戻したいと願う女性の希望が叶う社会に

 

-過去には、乳房再建手術が当たり前にできる治療ではなかったことに正直驚きました。

 

今年、国内で乳がんにかかる女性は、9人に1人となり、数字がアップデートされました。乳がんは、今まで以上に他人事ではなくなっています。そんななか、乳がん医療は益々進歩し、患者が治療しながら働ける時代になり、人生や生活の質をあげるための治療を医療者が当たり前に考えるようになっています。乳房再建の治療の進化は、そのシンボルでもあります。

 

もちろん、「乳房再建をしない」という選択肢もあります。大事だと思うのは、望めば、乳房再建ができるという選択肢があるということです。

 

以前、乳がん後の乳房再建は、誰もが選択できる当たり前の治療ではありませんでした。2006年に「自家組織」といって、自分のお腹や背中などの組織をとって乳房に移植する方法だけが保険適用になりました。しかし、この自家組織は、移植する組織を取るお腹や背中に傷あとが残り、手術時間、入院期間が長くかかります。そのため、「シリコンインプラント(人工乳房)」を使って乳房再建をする方法の保険適用が長い間、望まれていました。

 

「失った乳房を取り戻してこそ、治療終了」という乳がん経験者たちの声と署名活動が社会を動かして、2013~2014年にかけて、シリコンインプラントを含むすべての乳房再建が保険適用になったのです。

 

-きれいな身体に戻れるなら、全摘もある意味怖くないということですね。

 

以前は、「少しでも乳房を残したい」と「乳房温存(乳房を残す)」手術を選ぶ女性が多かったものの、乳房の切除範囲が広いと、乳房の整容性(見た目の問題)が保てないことも少なくありませんでした。そういった状況の中、シリコンインプラントの保険適用が後押しとなって、無理に乳房を残して、左右差のある乳房になるのなら、乳房を全摘してキレイに再建したいと考える女性が増えてきたのです。今は、「乳房温存」を選ぶ女性より、「乳房全摘」をして「乳房再建」を選択する女性が上回っています。

 

しかし、課題はまだ多く、乳房再建は地域による医療格差が大きく、地方では乳房再建を望んでも行える施設が少ないという現状があります。乳がん患者さんに、乳房再建の情報すら、行き渡っていない地域もあるのです。

 

失った乳房を取り戻すことは、乳がん後、前向きに生きるために必要と話す乳がん経験者も少なくありません。抗がん剤などのつらい治療も、胸があるから大丈夫と乗り越えられたと話す女性たちも。もちろん、乳房再建をしない人生の選択もあります。でも本人が望んだら、どこに住んでいても、乳房を取り戻す選択ができるようになってほしいと思っています。

 

乳房再建のシリコンインプラントの自主回収問題とは

 

-私が乳がんの三度目の手術を受けた2019年10月には、国内で使えるシリコンインプラントがなく、乳房再建を希望するなら、一定期間をおいてからの再建手術しかないといわれました。一度認可されたにもかかわらず使えなくなってしまった理由を改めて教えてください。

 

2019年、乳がんの乳房再建に用いるシリコンインプラント(人工乳房)が特殊なリンパ腫を発症するケースが日本国内で1例確認されたことから、使用されていたシリコンインプラントが、発売元のアラガン・ジャパンにより、自主回収されるという事件が起こりました。このニュースは、乳がん経験者や治療中の女性にとって、非常にショッキングでした。

 

アラガン社はアイルランドの大手製薬企業で、同じシリコンインプラントは、欧州、米国でも広く使われているものです。自主回収となった理由は、このシリコンインプラントを使った一部の女性に、特殊なリンパ腫(乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫=BIA-ALCL)が発生したからです。

 

米食品医薬品局(FDA)は2019年7月24日、このリンパ腫を発症した人は世界で573人、関連があるとみられる死者が世界で33人に上る、と発表しました。さらに、日本国内でも1人の女性に発症が見つかったのです。

 

リンパ腫の発症率は、0.03%(約3300人に1人)と非常に低い確率です。定期検査を適切に実施していれば、リンパ腫の発症を防ぐために予防的にシリコンインプラントを取り除く手術を行う必要もありません。国内で1人発見された女性も、今は治療をして改善しています。

 

このアラガン社の人工乳房が日本国内で唯一の保険適用の対象製品だったことから、さらに問題が大きくなりました。自主回収によって、シリコンインプラントによる乳房再建が行えない事態となったのです。

 

このとき、乳がんの手術を控えていた女性たちには衝撃が走りました。乳房再建の手術を延期せざるを得なくなったり、自家組織の再建に切り替えざるを得なくなったり…。術式の変更、手術回数、費用、時間などの増大が起こる不利益が多数生じました。

 

乳がん経験者たちの要望書が国を動かした!

 

-乳房再建に関する、いろいろな想定が不可能になってしまったのですね。

 

ここで、保険適用のときと同様に、私たち乳がん経験者が動きました。厚生労働省に乳房再建用のシリコンインプラントの代替品の早期、承認と保険適用を求めて、要望書を提出したのです。その努力が実ったのか、回収されたシリコンインプラントの代替品が異例とも言える早さで、2019年11月、厚労省の承認を経て、保険適用へとつながり、シリコンインプラントの乳房再建が再開できるようになりました。

 

そして、もうひとつ、今年(2020年)8月に、乳房再建を望む女性たちに朗報が届きました。新製品のシリコンインプラントがもうひとつ日本国内で承認され、今年10月には保険適用される見通しになったのです。

 

 

これで国内に1種類しかなかった保険適用のシリコンインプラントがもう1種類増え、選択肢が増えたことになります。新しいシリコンインプラントを待っていた女性たちにとっては、嬉しい知らせです。でも海外には、もっと多くのシリコンインプラントの種類があります。日本でもさらに選択肢が増え、望む人が納得して自分に合った乳房を選べる日が来るといいと思います。

 

-ありがとうございました。

一日も早く、より多くの選択肢ができることを私も願っています。

 

増田さんにお話しをお聞きして感じたこと

 

乳がんになって、なにを闘病の拠り所にするかはひとそれぞれ。私のように他に目標を別に見つけて乗り切ろうとする人もいれば、できる限り元の生活を希望する人もいます。

どれが正しいか、どれが間違っているということはないのですから、できる限り、その人の“望む未来”にぴったりの選択肢がなければ、本当の満足は得られませんよね。

 

今は、乳がんだけでなく、世界中がコロナというウィルスと戦っています。どんな病であっても誰であっても、サバイバーとして望む未来を得られる選択肢が数多く用意されている、そんな未来が早く来ることを心から祈りたいと思います。

 

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