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乳がん検診「マンモグラフィ検査と超音波検査」ってどんな検査をするの?/乳がん検診の疑問に応えます

乳がん検査は大切…とはいえ、どのくらい知っていますか? 例えば、費用はどのくらい? どこで受けられる? 場合によっては「不利益」がある!? ぜひここでチェックを!

 

Q. 乳がん検診って、どんな検査をするのですか?

A. 40歳以降のマンモグラフィ検診が基本です

「マンモグラフィ検診は、乳がん死亡率を減らすという意味で、有効性が科学的に確認されています。マンモグラフィによる2年に1回の乳がん検診が推奨されていて、欧米では60~80%の女性が乳がん検診を受診、乳がん死亡率は減少し続けています。しかし、日本では乳がん検診受診率が約40%。乳がんで亡くなる人は増え続けています」と戸崎光宏先生。

 

一方で、検診は100%確実ではなく、マンモで乳がんを見つけにくい乳房があることも知られています。

 

「マンモグラフィを受けていれば万全ということではありません。検診で“異常なし”と判定されても、自覚症状を感じたり、以前と違って気になることがあれば、医療機関を受診することが大切です」(戸崎光宏先生)

 

マンモグラフィ検査と超音波検査の長所と短所

乳がん検診の基本は、「40歳以降のマンモグラフィ」。しかし、乳房のタイプ(高濃度乳房かどうか)によっては、マンモに超音波を組み合わせたほうがいい人もいます。それぞれの長所と短所を説明します。

 

●マンモグラフィ検査

乳房を圧迫板で挟み、引き延ばしてX線で撮影する検査。日本乳がん検診精度管理中央機構で認定を受けた放射線技師、医師のいる施設で受けることをおすすめします。

 

※日本乳がん検診精度管理中央機構のホームページはコチラ

 

【長 所】

  • ・ 40歳から2年に1回受けることで乳がんを早期発見し、死亡率を下げるエビデンスがある
  • ・ 脂肪の多い乳房に向いている
  • ・ しこりになる前の悪性の石灰化を鮮明に映し出す

 

【短 所】

  • ・ 高濃度乳房では、しこりが見えにくく判別が困難
  • ・ 微量ながら放射線被曝を伴う
  • ・ 乳房を挟むため、人によって痛みが伴う

マンモグラフィ/イラスト

 

●超音波検査

プローブを乳房の上で動かし、超音波を当ててはね返ってくるエコーを画面に映します。痛みもなく、高濃度乳房の人には向いています。死亡率低下のエビデンスはまだありません。

 

【長 所】

  • ・ 高濃度乳房でも、しこりがわかる
  • ・ 放射線被曝を伴わないので、妊娠中や頻繁に検査を行う必要がある人も可能
  • ・ しこりの周辺、内部の血管の様子もわかる
  • ・ 痛みはない

 

【短 所】

  • ・ 超早期乳がんの石灰化は見えにくい
  • ・ 乳がんの発見率は高まるが、死亡率低下のエビデンスはない
  • ・ 偽陽性(乳がんでないのに乳がんを疑われる)が増える可能性がある
  • ・ 医師や技師の実力によって精度が異なる

超音波/イラスト

 

「マンモのみ」と「マンモ+超音波併用」どちらがいいの?

「J-START(ジェイ・スタート)」ではまだ最終的な結論は出せていません

厚労省のプロジェクト研究「J-START」では40代を対象に、マンモだけのグループ、マンモと超音波を組み合わせたグループの有効性を比較検討中です。中間報告では、マンモに超音波を加えると、乳がん発見率が約1.5倍増、見逃しにつながっている中間期がんが約半分に減ることがわかりました。しかし、最終的な結論はまだ出ていません。

 

【教えていただいた方】

戸崎光宏
戸崎光宏さん
相良病院放射線科部長
公式サイトを見る

1993年東京慈恵会医科大学卒業。ドイツ・イエナ大学留学、亀田総合病院乳腺科部長、相良病院附属ブレストセンター放射線科部長を経て、現職。2018年より昭和大学医学部放射線医学講座客員教授を兼務。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)理事長

 

 

イラスト/カツヤマケイコ 構成・原文/増田美加

 

 

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