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意外! 「すっきり」目覚めるための最新知見とは?

梶本修身さん

梶本修身さん

1962年生まれ。大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長。疲れと眠りの研究と治療にあたりながら、テレビや雑誌などでも啓蒙活動を行う。著書多数

ちょっとした知恵で、眠りの質は上げられる!

 

寝ているのに、朝すっきり起きられない。なんだか疲れが取れない…。実は現代人の多くが"眠りの質"に悩んでいます。

でも最近は眠りに関する研究が進み、よりよい睡眠を取るための知見やグッズ、健康食品などの知恵もいっぱい! 誤った思い込みを払拭し、疲れを翌日に持ち越さない「効率のいい睡眠術」を手に入れましょう。

 

「すっきり」目覚めるためには、ただ長時間寝ればいいというものではありません。

まずは本来の睡眠の役割や、疲れを回復するメカニズムを知ることが大事。解明が進む“眠り”にまつわる知識を、疲労と睡眠の専門医である梶本修身先生に伺いました。

 

 

睡眠の目的は「疲れを取ること」!

 

なかなか寝つけない、夜中に何回も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、寝覚めが悪い…など、睡眠の不満は人さまざま。

 

「しかし本当の不満は、眠れないことではなく"疲れが取れない"ことにあります。理由は、起きている間に生じた疲れを回復させる唯一の方法が"眠ること"だから。脳や体を使うと、体の中にタンパク質の一種、疲労因子FFが生まれます。するとこれに対 抗して、疲労回復物質FRも発生。FRは昼夜問わず発生する一方、FFは睡眠中には減少するため、夜間にFRの働きが上回ることが、疲労が回復する仕組みです」と言うのは、「東京疲労・睡眠クリニック」院長の梶本修身先生。

 

マウスの実験でも、眠らずにいると7日でほぼ死に至るのだとか。睡眠不足や質の悪い睡眠を続けていると、疲労が蓄積して過労死のリスクが高まる恐れも…!?

 

 

 

心身の疲労の原因は

「自律神経の中枢」の疲労にある!

 

「肉体的疲労(運動など)と精神的疲労(デスクワークなど)は別のものと考えられがちですが、実はどちらも脳にある『自律神経の中枢』の疲れが原因。自律神経には体の働きを活発にする交感神経と、休息させる副交感神経があり、体温、呼吸、血液循環、消化吸収など、体のほとんどの器官は、この自律神経の中枢によってコントロールされています。

 

運動の際は心拍数が上がり、体温が上昇。デスクワークでは精神的緊張が起こります。脳にある自律神経の中枢は、恒常性を保つため、これらすべての器官をミリ秒単位でコントロールしています。こうした激務のうえ、自律神経の機能は年齢とともに低下し、50代では20代のほぼ1/3以下になってしまいます。加齢とともに自律神経の疲れもたまりがちになり、それが睡眠の質の低下につながっていくのです」

 

 

自律神経機能のトータルパワーの加齢推移。20代と比べると、50代で女性は約1/3以下に低下。

資料提供/東京疲労・睡眠クリニック

 

 

どうして眠っても疲れが取れないのか?

 

「日中、仕事で緊張したり、運動で体を動かしたりして自律神経が酷使されると、活性酸素が自律神経の中枢を酸化させ、疲労因子FFが出ます。その酸化を修復するのが、質のいい睡眠です(睡眠中に疲労回復物質FRが活躍)。これをスムーズに行うためには、睡眠をコントロールしている自律神経がしっかり機能し、副交感神経優位に移行しなければなりません。しかし、いびきや過剰な寝汗、寝る前の飲食などによって寝ている間も自律神経が頑張らなければならないと、自律神経は疲労困憊し、さらに睡眠の質が低下してしまいます。

 

つまり、疲労が取れる睡眠を得るためには『日中の疲労を減らし』、『自律神経が休まる環境を整える』ことが必須。これを怠ると、睡眠障害の悪循環に陥って、疲労はたまる一方です」

 

規則正しい生活が"質のいい睡眠"の第一歩

 

「私たちはある時間になると眠くなり、自然と目が覚めます。また一定の間隔で空腹を感じるなど、生まれながらにして身体リズム=体内時計を持っています。24時間周期のものをサーカディアンリズムと呼び、これが睡眠、体温、血圧、脈拍、ホルモン分泌など、生理機能を調整しています。疲れを取る睡眠を得るために大事なのが、こうした指令を出す体内時計を整えること。

 

例えば、朝の光を浴びると、自律神経を目覚めさせるセロトニンというホルモンが分泌されます。そして起きて14~16時間後には、眠気を誘うメラトニンに変化します。毎日決まった時間に起きて朝日を浴びることで、このリズムが整い、質のいい睡眠の下地ができます。自律神経を疲れさせないためには、規則正しい生活習慣を実践することも大きな手助けになります」

 

 

睡眠は入眠して最初の3時間が大事!

 

「睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠は体が眠っているが、脳は働いている状態。おもに体の疲労回復、記憶の整理を行なっています。一方、ノンレム睡眠は脳が休んでいる状態です。入眠後、最初に訪れるのがノンレム睡眠で、その後、レム睡眠が訪れ、再びノンレム睡眠へというサイクルを、ひと晩で4~5回繰り返しています(下図参照)。

 

疲労の回復には、FR以外に、成長ホルモンが関係しています。成長ホルモンは、入眠して最初に訪れるノンレム睡眠中に多く分泌されるため、疲労回復には寝始めの3時間が大事。以前は『睡眠のゴールデンタイムは午後10時~午前2時』といわれていましたが、入眠時間や長時間の睡眠にこだわるよりも、最初の3時間を確保して、よい環境で熟睡することが重要です」

 

寝始めて、最初にくるのがノンレム睡眠。この3時間のうちに成長ホルモンが分泌され、疲労回復度がアップするので、この時間の睡眠の質が最も大切です。

資料提供/東京疲労・睡眠クリニック

 

 

 

次回は、眠っても疲れが取れない原因についてのチェックリストをご紹介します。

 

 

イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子

 

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