女はトランスフォームするのだ

「まだしっかり卵巣は機能していますね。これで卵巣をふたついっぺんに取ってしまうと、ホルモンバランスが崩れて、具合が悪くなってしまうかもしれませんね」

 

 

そうそう、それが心配だったのだ。私は以前からホルモン剤がすごく体に合わない。それを考えると卵巣を取って、ホルモンが出なくなるのも、ダメージを受けるだろうなと予想がついた。

 

 

「卵巣脳腫は、これからも大きくなっていく危険性があります。あなたの年齢を考えると、卵巣を残しておくメリットはありません。右は取りましょう」
私はうなずく。
「それから、子宮筋腫ですが、これは子宮ごととってしまった方がいいかもしれない」
「……。子宮ですか?」
「うん」

 

 

右卵巣&子宮摘出。見事に、三者三様である。こんなにも違うものなのか。風邪薬をパブロンにするかルルにするかという話じゃなくて、問題となっているのは臓器を取るか取らないって話なのである。どっちでもいいやとは言えない。

 

 

私はこれまでの病院めぐりの経緯と、見事に意見が分かれていることについて、率直に医師に語った。すると、ジェントルマン先生は言う。

 

 

「たとえば、目覚まし時計にも、寿命がありますよね。壊れるときって針が進んだり、止まったりと、不規則な動き方をしませんか? あるいは、いきなりリンと鳴ることもあるかもしれなません。でも、時計によっては静かにピタッと止まることもあります。それは時計によって違うんです。個性なんですね。

 

 

今の佐々さんの状態は、時計が寿命を迎えて止まりかけているようなものなんです。治療方針というのは、その症状をどう止めるか、という方法論の違いにすぎません」

 

佐々さん_photo

 

 

ああ、そうか、なんとなく合点がいった。今までいろんな病気やケガで病院にかかってきたが、それはいずれも「治療」、つまり良くなる方向に向かって努力がなされた。でも、これは今までの治療とはちょっと違う。言ってみれば、「上手な終わらせ方」なのだ。

 

 

思春期に初潮を迎えてから今までずっと抱えてきたものをそろそろ手放すときがきたのだ。楽に手放す人もいれば、手放すときにトラブルが起きる人もいる。

 

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