心のクスリ(1)/嫌われることを恐れない 

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帝京大学教育学部教授 臨床心理士

ライタ―として「女性の生と性の健康と権利」(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)に関するテーマの取材を多数経験。
40代で大学院に入り、教育・発達心理学、臨床心理学を学ぶ。教育学博士。
スクールカウンセラー等を経て現職。
著書に『みんなで考える家族・家庭支援論』(編著・同文書院)、『フランスにはなぜ恋愛スキャンダルがないのか』(共著・角川ソフィア文庫)など。

わかっちゃいるけど・・
みなさま、お元気ですか? 私は最近、睡眠が上手に取れなくて困ってます。(いきなりスミマセン。ほんとの話)

 

仕事がちょっと忙しいこともあるのですが、そこにもともとルーズな性格と生活というのも加わり。帰宅して一杯やりつつご飯を食べて、半分うたた寝しながら録画しておいた韓流ドラマ(面白いのになぜか寝てしまう)などみて、目覚めると「ワー大変」という時間となり・・・お風呂入ってちゃんと寝床で寝ようとすると、今度は眠れなくて朝方まで悶々・・・。

 

 

翌日は寝不足でぐったり疲れ、帰宅してまたうたた寝してしまい・・という悪循環。これも睡眠障害というのかしらん? いまに始まったことではなく長いこと私の悪癖なのですが、どうやってもちっとも治らないのです。

 

 

で、いつも導眠剤や精神安定剤を用意しておいて、いざとなるとそれに頼ることになるのですが、なるべく使わないで済ませたいという思うため、「もうダメ、薬ィ・・」と決断して飲むのが遅め。すると、翌日ふらふらしながら仕事へ、という羽目に。とくに、翌朝「早く起きないといけない」、という日ほど眠れず、ジタバタします。

 

 

よい睡眠をとるためのノウハウというものは、私もいろいろ取材して紹介してきた身なので知識はあるのデス・・・でも治らない。そんなとき、敬愛する亡き植木等さんのお顔が目に浮かぶ。「わかっちゃいるけど、やめられない」、という、これって人生の極意ですね。頭でわかってできることなんて、そうそうないんですよ。カウンセリングや心理療法の極意もこの言葉に尽きる気がするなあ。

更年期_加代子ちゃんと

先日、対馬に旅行に行ってきました。彼女は、加代子ちゃんという名前の対州馬。人間の年齢で70歳くらいだけど妊娠中。がんばれ

 

 

余談ですが、私の父は40歳頃から自律神経失調症と診断されて以降、ずっと不安神経症(と家族は聞いていたが、晩年は自己愛人格障害との診断もあったな)で、精神安定剤、抗うつ剤、睡眠薬、その他もろもろすごい種類の薬を常用してました。しかも、医者からもらった安定剤だかを3日で2週間分飲んでしまい、なくなると別の医者に行って嘘ついて薬もらう(私がもらいに行かされたり)という、まあヤクチュウ(薬物依存症)ですね。

 

でも、81歳で死ぬまで、ヘンな人ではあるけれど頭はしっかりしてて、「こんなに薬飲んでも死なないしボケないんだ」と私は感心しました。
「わかっちゃいるけどやめられない」人生。多少のことは大丈夫、というのが父から学んだことの一つです。私も、困ってはいるけれど、右往左往しながら自分のダメなところとつきあいつつ、しょうがないなあと思いながらなんとか生きてます。

 

女性はうつリスクが高い
とはいえ、生きるには支えが必要です。私もそうでしたが、いわゆる更年期のなかでも、心の症状―−イライラや落ち込み、活力が出ないetc. というのは、けっこうつらいもの。うつ病の罹患率はどの世代でも男性より女性のほうが高く、しかも50代で男女差が最大になるとか。更年期障害の3割がうつ病というデータもあり、ホットフラッシュや肩こりや疲労感など身体症状で訴える「仮面うつ病」も少なくないといいます。
女性はうつのリスクが高いのです。

 

 

からだの変化に加えて家庭や職場でのジェンダー役割や(女性らしさ、主婦・母親役割など)、アイデンティティ(自分とはなにか)の葛藤が男性より複雑・・まあ悩むというのは言ってみれば人間が上等なんですね。
いずれにしても、心の症状というのは「自力でがんばる」というのは限界があり、自分で自分をどうすることもできなかったりするので、ときには人に助けを求めることが必要だと思います(私もそうでした)。

 

心を支える言葉
でもいちいち精神科や心療内科やカウンセリングにかかるのもたいへんだし、そんなに重症でもないし・・という場合、日常生活のなかでの心のクスリ、をみつけるとよいですね。私にとっては、日々、人から聞いたり、読んだりしたふとした「言葉」がそれです。記憶力が退化してるので、座右の銘というより、日々そんな言葉を発見するとよい気分になります。

 

最近では、私のこのブログを、自身のブログでいつも紹介してくれているミナさんから聞いたこんな言葉が胸に残っています。

 

ミナさんは韓国俳優のキム・ナムギルさんのファンなのですが、そのナムギルさんの言葉で、「嫌われることを恐れない」(そのままではないけれど大体の意味です)というもの。

 

「10人のうち4人に嫌われても6人味方がいれば大丈夫。嫌われまいとしたり良い人と思われようとするより、敵ができたとしても言うべきことはいう」

 

という意味だったと思います。

更年期_ナムギル_1

ミナさんがナムギルさん主演映画『海賊』のロケ地に行ってきました。海賊だけに……船!

 

更年期_ナムギル_2

撮影風景。クレーンで吊るされているのは……あの人!?

 

 

私は一人っ子だったせいもあって、子どもの頃からけっこう人に気を遣うタイプでした。だから1日外界にいると神経が疲れ切るのでした。

 

 

もともと神経質なところにもってきて親から「お友達にやさしくして、わがままはいわない」という呪いをかけられ、喧嘩が苦手、必要以上に「和」を求めるというか、無意識に「人に好かれる(良い子と思われる)ワタシ」をやってきたんですね(いまの私を知ってる人は、ご冗談でしょ、というでしょうが)。そのせいか20代の頃、ストレス性の心身症状が出たりしたこともありました。大人になってからは、何とかそこから脱け出そうともがいてきたような気がします。

 

 

それが今じゃ、年下の同僚なんかに「自分のことしか考えてないでしょ」とか、「強烈な人」とか言われたりする。そういわれると、なんだかうれしくなり、陰でニンマリします。「ワタシも成長したなあ」と。50代になっていろいろラクになりましたね。
最近では、言いたいことを我慢するということがあんまりないですね。喧嘩大好き。そういう場面になるとファイトが湧く、というかチャンスを手ぐすね引いて待ってます。

更年期_恐竜な私

福井の恐竜博物館にて

 

この前も、私が韓流ファンと知らないオジサンが飲み会の席で賢しらに、「日本の女性も馬鹿だよね。いまだに韓国ドラマなんてさ。記憶喪失とか交通事故とか、日本じゃあり得ないよね」と口を滑らしたので、「うるさいよ。アンタ、誰にモノ言ってるの。観たこともないくせにエラそうに。だいたい人の趣味に口はさむな、好きにさせろ」という意味のことを(上品に)言いました。そして、(アンタがそう言ったことは一生覚えとくからね)と心の中でつぶやいたのでした。

 

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第7回
心のクスリ(1)/嫌われることを恐れない 

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