知識を持って、ポジティブに向き合ったもの勝ち！
正しく知りたい「更年期」
「更年期って何？」「私って更年期なの？」「このつらさ、いつまで続くの？」etc。40代、50代といっても年齢によって、また人によって、更年期についての知識や、現れる症状にはかなり差があります。
ホルモンのバランスがくずれることで、実は誰にでも来る更年期は、不調の感じ方や症状の程度に差こそあれ、私たちの体に大きな影響を及ぼします。今と将来の自分の健康を考えるために、ここでしっかりと更年期のこと、学んでみませんか？
Part２
真っただ中の人に朗報
あの手この手で
更年期もHAPPYに過ごす！
今までとは違う疲労感、不眠、だるさ、のぼせ、多汗…、さまざまな症状が出ている人こそ、目をそらさずに向き合ってください。
約10年間の更年期をネガティブになることなく快適に過ごす方法と、元気で素敵な60代、70代にステップアップするための知恵を身につけたい！
保険の適用外だけど、これは気になる！
その他の更年期ケア・最新事情
更年期症状の治療法、実はほかにもいろいろあります。
アンチエイジングクリニックなどの診療メニューに注目して。
斎藤糧三さん Ryozo Saito
1973年生まれ。医師。日本機能性医学研究所所長。
更年期障害の女性にテストステロンを使用した
自律神経調整療法のパイオニア、斎藤信彦の三男。
美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、
ホルモン療法を統合した総合アンチエイジング理論を確立。
ナグモクリニックをはじめ都内３カ所で外来担当。
自分にぴったりマッチした
治療法が必ずあるはず
更年期のケアとして、最近よく目にするのが「バイオアイデンティカルホルモン（生体内同一ホルモン、ナチュラルホルモンとも呼ばれる）」です。どんなものなのか、ホルモン治療に精通した斎藤糧三先生に聞いてみました。
「保険適用のＨＲＴ（ホルモン補充療法）で使われるホルモン剤の中には、合成ホルモンもあります。経口エストロゲン製剤、黄体ホルモン製剤がそれにあたり、ヒト本来のホルモンとは構造が異なります。そもそも黄体ホルモン様の製剤は、子宮内膜の増殖を抑える（子宮体がん予防）目的で併用されるものですが、バイオアイデンティカルホルモンについては、３万人程度の小規模試験では乳がんのリスクも抑えるという報告があります。そのため、合成ホルモン剤より優れていると判断されることが多いわけです」
また、総合的にホルモンを補充する方法も急増中。これは女性ホルモンだけでなく、ホルモンの前駆体や男性ホルモンなど多種類のホルモンが対象で、足りないものをバランスよく補充するやり方。更年期の症状改善というよりもアンチエイジング目的の療法といえそうです。
「治療法として、もっと注目されていいのはテストステロン。男性ホルモンのことです。ＨＲＴでは治りにくい症状も、実はテストステロンを補充することでほぼ解決できます。テストステロンに少量のエストロゲンを加えた『混合ホルモン剤』注射剤を使うことが多いですが、平均して１カ月に１度の間隔で注射すると、そのうちに症状が消滅します。一度注射すれば、４〜６週間の間症状を抑えられることもあります。その他、保険適用にはならないものの『オーソモレキュラー療法（栄養療法）』や『全身温熱療法・ソアラα』も理にかなった療法ですので、ぜひ注目を」（斎藤先生）
【男性ホルモン補充療法とは!?】
女性の体にも男性ホルモン（テストステロン）が必要不可欠なこと、知っていますか？ 分泌量には個人差もありますが、草食男子より上回っている女性もいるとか。女性の更年期症状の治療には、国内で60年も前から使われているそうです。
「男性ホルモンは『脳に効く』とも言い、みるみる元気に、活発になる人が多いですね。また、不眠やホットフラッシュなど自律神経系の乱れが原因の症状には、男性ホルモンのほうが効きますね。一定期間の投与で症状がなくなってしまうのがメリットです」（斎藤糧三先生）
次回は、注目の保険適用外療法のひとつ、『オーソモレキュラー療法（栄養療法）』についてご紹介します。
イラスト／平松昭子 構成・原文／蓮見則子
