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それは「冷え」じゃない!「頻尿」と「おもらし」

吉川千明

吉川千明

1959年生まれ

美容家、オーガニックスペシャリスト

自然や植物の力に着目し、オーガニックコスメをはじめ、スパ、漢方、食にいたるまで、ナチュラルで美しいライフスタイルを提案

オーガニックビューティの第一人者として知られる

 

OurAgeインタビュー「美容の世界をあらゆる角度から学び、最高の知識で女性を救いたい」はこちら

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「冷え」じゃない!「頻尿」と「おもらし」のお話

 

今日は、アワエイジ世代もたくさんの方が悩んでいる「頻尿」と「尿もれ」のことについてお話ししたいと思います。
私の頻尿と尿もれ歴は、閉経前からの10年以上。
最初は「冷え」と思っていました。

冷えがよくなれば頻尿もよくなるのではと思っていましたが、それは違っていました。
もちろん!いつも体は温めてくださいね。

 

写真はアルジタルの新製品発表会で。

今は尿漏れ対策バッチリ。華やかな場所でも笑顔になりました。

 

 

私のタイプは女性に一番多い「過活動膀胱」

 

私の「頻尿」とおしっこが間に合わない「おもらし」には「過活動膀胱」という名前がついています。

尿を溜めたり、出したり、我慢したり、止めたりがうまくいきません。

たいして溜まっていないのにまたすぐトイレに行きたくなる。

いくつかの神経のコントロールがうまくいかないことが原因による「頻尿」と「尿もれ」です。

 

 

くしゃみや咳で尿が漏れたら、それは「腹圧性尿失禁」

 

尿もれの双璧は「過活動膀胱」グループの「切迫性尿失禁」と「腹圧性尿失禁」。

くしゃみや咳をした拍子におもらしをしてしまうのは「腹圧性尿失禁」。

こちらは、膀胱、尿道、膣、直腸、肛門をオムツのように

体の下から支えている筋肉が衰えたことによるもの。

出産の時の筋肉の傷みが後々まで影響することもあります。

この筋肉の名前は骨盤底筋群と言います。
くしゃみでは今は尿が漏れない人でも、放っておけば、例外なく衰えていく筋肉です。

 

そもそも尿を出すのも我慢するのも「脳」と「神経」が関係している

 

膀胱は伸びたり縮んだりできる「風船」のようなものです。

尿道は尿を出すホースの先のようなもの。

膀胱の緊張を緩めて「尿」を溜め、同時に尿道筋を収縮させて漏れないようにします。

たっぷり溜めて出口は締めておく。

排尿する時は、膀胱を収縮させ、同時に尿道筋を弛緩させて出します。

ぎゅーとしぼませてヒューと外に出す。

意識しなくてもおしっこを溜め、漏らさずにおけるのは「交感神経」の働き。

意識しなくてもおしっこができるのは「副交感神経」の働き。

「自律神経」の働きなのです。
出ている途中でも自分の意思でピタリと止めることができるのは、

もひとつ別の特別なこれもまた神経の働きです。
大事なことは、尿の出は「自律神経」が関係しているということなのです。

 

 

更年期は「自律神経」が揺れに揺れる時期。おしっこ問題も揺れに揺れる時期

 

更年期、女性ホルモンの揺れは「自律神経」の揺れにつながります。

「自律神経」は「自律」というくらい

放っておいてもうまくコントロールしてくれるはずの神経伝達機能なのですが、

更年期はそれがうまくいかなくなってしまいます。

そして、閉経後は、物忘れも含めて、少しづつ、脳の働きが弱ってくる時期。

脳の老化は、男性に対して、女性の場合は骨と並んで深刻な弱みです。

尿のコントロールには、「脳」と「神経伝達」が関係していると覚えておいてくださいね。

 

 

みんな同じよ、悩まないで。でもプランは立てて!

 

混んだ映画の途中で、トイレに席を立ち、戻れず映画を諦めたことも。
「頻尿」になると、いつもトイレを探しませんか? 駅でもデパートでも。
体調の良い時は、まだいいけれど、疲れている時や忙しい時、体調が悪い時、
トイレが間に合わず、尿がタイツを伝わった時など、

わたしも本当に泣きたくなりました。そんなこともありましたね。
しかし、泣いてばかりもいられない。
こんな寒い日に下着を濡らしたら風邪をひいてしまうではありませんか。
いやいや!
せつない思いをしないで対策を立てましょう。
以下に対処法をあげてみました。

 

 

診察を受けてみて。よいお薬がでているから

 

私は、かかりつけの産婦人科医の対馬ルリ子先生や女性泌尿器科の関口由紀先生に診てもらっています。

お薬を飲んでいます。

これまでのお薬は口が渇くのが難点でしたが、新しいよいお薬も出ててきました。


写真は、私が今、使っている過活動膀胱お薬。

古くからあるベシケアと新しくでたベオーバと一錠づつ飲んでいます。

漢方薬が良く効く人もいるようです。

お薬も先生と相談して、飲んでみて、試してみて、どちらがどう効いたか、

相談しながら自分のベストに辿りつくのがいいですね。
お薬を飲むことに抵抗がある人もいるかもしれませんね。

私も何度も質問してみました。「飲み続けていいのですか?」と。

でも、放っておいてもよくなることはなさそうです。

良い状態にしておくことが大事です。
暖かい季節には薬なしでも調子がいいことも。

寒い季節には同じ量の薬でも効かないことも。

私も、少々漏らしてもよい時などは、薬なしで過ごしてみることもありますが、

イベントなどの時は、臨戦態勢!ですから、忘れずに飲むようにしています。

勝手に辞めてしまったり、飲まない、ということでなく、

先生と相談しながら自分のQOLを高めるようにしています。

「頻尿」は命に関わるわけではないけれど、自分の生活の質に関わりますから。

 

骨盤底筋運動の結果は実に「ゆっくり」。しかし必ず今からやりましょう

 

結論から言いますと、骨盤底筋のトレーニングは絶対に今からやってください。

「頻尿」でない人も、筋肉が衰えていないと感じる人もやってください。
いやいや全員!必ず衰えますから。
骨盤底筋はとても鍛えにくい筋肉です。
今日は、この運動の仕方については書きませんが、いつかやりましょう。
私もいつも気づいたらやるようにしています。

電車に乗っている時も、美容室で髪を洗ってもらっている間も、

いつも、いつも、気がついたら、やるようにしています。

外からは何をしているかもわからないような、静かな!運動ですが、

これが将来「生活の質」の「下支え」になってくれます。
*骨盤底筋群は、4つの筋肉からなっていますので「群」とつけるのが正式なようですが、

骨盤底と言ったら骨盤底筋群のことです。

写真は週一のトレーニング。尿漏れ対策ではないですが、骨盤底筋にも効果大。

 

 

尿をがまんする癖をつけるーその理由は?

 

「頻尿」の原因に、すぐトイレに行く、十分溜まる前に行きすぎるというのがあります。

膀胱は筋肉。ちょっとしか溜まってないのにちょこちょこトイレに行くと、

膀胱の下に少し溜まっているだけで、筋肉が弛緩して十分に広がらないうちに行くことになります。

それが習慣になると、膀胱は動かないので、硬くなってしまいます。

使わないことで収縮性がなくなってしまいます。
そんなわけで、トイレに行きたくなっても「がまん」して膀胱を広げてあげてください。

膀胱は、2段階制。少したまったところで尿意を感じるのですが、

それを超えると、十分な量まで溜めることができます。

 

 

尿もれパッドも進化しています

 

うれしいことに尿もれパッドもたくさん出てきましたね。

月経用と尿もれ用は用途が別です。

素材もいろいろ。肌をいたわったものがあったり、匂いのケアができたりとうれしいですね。
それに温めるというのはいいことです。

首やお腹を温めるように、デリケートゾーンをパッドで温めるのもよいですね。
必要な日はパッドを当てる!
尿のことで自信を失って、外に全く出なくなる人も実際にたくさんいます。
でも、もったいなくありませんか?みんな同じなのですから。
こんなことで自信を失わないで、どんどん外にでましょうよ。

 

 

女性専門の泌尿器科があります

 

先日、横浜元町にある女性専門泌尿器科の関口由紀先生のところへ行ってきました。

先生とは長いお付き合いで、「千明さん、頻尿の特集やるからNHKに出て!」と言われてテレビ出たことも。

新しいお薬のことも知りたくて、久しぶりにクリニックに伺い、

尿もれに関する検査を受けてきました。
細かい問診、尿を溜めての状態、排尿の様子、検尿、腎臓のエコー、採血、

尿道や膣、肛門、骨盤底筋の状態、デリケートゾーンの皮膚の萎縮の状態まで。
私にとっては、数字はとても大事。がんばればよくなるし、サボれば下がる。

知らないでいれば、不調も老化も進んでしまいますから。
先生や看護師さん、運動療法士さんにたくさん質問して帰ってきました。
人生100年時代、この分野はとても重要で必須、新しいジャンルです。
関口先生の元町のLUNAもご紹介しておきますね。
骨盤底筋の指導も受けられます。

女性医療クリニックLUNA横浜元町   http://www.luna-clinic.jp

 

 

最後に、ストレスを減らすこと

 

閉経も何年も過ぎると、あちらこちら本当に不具合が出て来ます。
教科書通り。

別々の臓器で起こっているように見えますが、実は全部が繋がっています。

いつも体をトータルで見ることが大事だと思っています。
そしていつもマイナスの影響を与えるのがストレス。

気苦労は毒ですね。
よく寝て、食べて、運動する。楽しい心でいる。

自然治癒力は尿もれにも関連します。

「自律神経」が原因なのですもの。

夜は寝て、昼は活動!

 

最後にお知らせです。

2020年1月より、銀座にある対馬ルリ子先生のクリニックで

「吉川千明の更年期カウンセリング外来」が始まりました。

毎週金曜日の午後。詳しくこちらからご覧ください。

 

吉川千明の更年期カウンセリング外来

 

 

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