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乾く、痛む、縮む、緩む。更年期のフェムゾーンはこう変わる!

乾く、痛む、縮む、緩むといった更年期世代のフェムゾーンのトラブルがなぜ起こるのでしょうか?

 

女性ホルモン低下が最大の原因。顔以上に老化が現れやすい部分

腟口、尿道口、肛門などが集まるフェムゾーン。この部分がドラスティックに変化するのが、更年期です。

 

「更年期になると、肌の潤いが低下しドライマウス、ドライアイなど『乾き』の症状が現れます。これは女性ホルモンのエストロゲンの分泌量の低下が原因で起こります。

 

症状としては、腟の内部の粘膜組織、外陰部の潤いが低下します。それと並行して皮下組織の弾力や厚みも減少し、萎縮などの症状が現れはじめます。簡単に言えば、顔が乾燥し、シワが増えるのと同じ変化がフェムゾーンに起きていると考えるといいでしょう。

 

そして、顔以上に、腟内部は潤いがある粘膜組織なので、その変化が劇的に起こる人も少なくありません。さらに、乾燥やかゆみ、ほてりや尿失禁や頻尿、臓器脱、また性交痛で悩む人も。

 

これらを医学的に『GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)』と呼んでいます」と丹羽咲江先生。

 

顔と同様、手入れせずに放置すれば老化は進行します。女性ホルモンの減少が原因なので、放置して改善することは残念ながらありません。でも、喜田直江先生はこう言います。

 

「セクシャルな意味だけでなく、人生後半のさまざまなQOLに大きくかかわる部分です。痛みや尿もれなどがあれば、外出やおしゃれもおっくうになり、心にも大きく作用します。

 

ケアする・しないがその後にとても影響する部分。まずは、現状を知って正しく対処してほしいですね」

 

 

乾く! 痛む! 縮む! 緩む! のはなぜ?

●知っておきたいフェムゾーン

知っておきたいフェムゾーン

尿道口、腟口、肛門は骨盤底筋上につながっています。ですから、この部分は連動して不快を感じやすいという特性があります。個々のパーツだけでなく骨盤底筋のケアを考えることも必要です

 

 

乾く!

「女性ホルモン低下でまず現れるのが、乾きの症状です。顔や手が乾燥すると、肌あれを起こしやすくなり、皮下のコラーゲンなどの組織も低下するため、シワが増えてきます。

 

同様にフェムゾーンもそういう状態になると刺激にも弱くなるため、性交痛を感じたり、デニムをはいたとき縫い目に痛みを感じるといった症状が起こりやすくなります」(丹羽咲江先生)

 

痛む!

症状としては、外陰唇が下着にあたって痛い、ヒリヒリする、ほてって痛みと灼熱感があるなど、痛みの内容はさまざま。

 

「女性ホルモンが分泌されて潤っていたときと異なり、例えるならカサカサにあかぎれを起こした手のような状態になっている人もいます。実際、粘膜組織がただれたように変化している人も少なくありません」(喜田直江先生)

 

縮む!

「女性ホルモン減少による潤い低下で起こる症状のひとつで、更年期以降は、子宮も腟も萎縮し小さくなっていく人が多いですね。

 

外陰部も以前は大きな花びらのようだったのに、小さくなる人も。萎縮だけ進行するというより、乾燥、痛み、萎縮は一緒に起こることが少なくありません。痛みがひどく歩けない、座れないなど問題が出る人もいます」(喜田直江先生)

 

緩む!

出産経験のある人や肥満の人に多いのが、この症状。

 

「出産や過体重などで骨盤底筋が傷つくと、腟や尿道口、肛門などが緩んでしまうことがあります。

 

ケアで改善することもありますが、この部分の筋肉を意識しないと、加齢とともに働きが悪くなり、子宮が腟口から出る子宮脱などの臓器脱や尿もれ、便もれになることもあります」(丹羽咲江先生)

 

 

お話を伺ったのは

喜田直江さん なおえビューティークリニック院長

喜田直江さん
Naoe Kida
なおえビューティークリニック院長

医学博士。2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。形成外科医として多くの女性が悩みを抱える婦人科形成の専門クリニックを2011年に開院

 

丹羽咲江さん 咲江レディスクリニック院長

丹羽咲江さん
Sakie Niwa
咲江レディスクリニック院長

産婦人科医。1991年名古屋市立大学医学部卒業。日本産婦人科学会専門医、日本性科学会幹事。性科学者。2002年開院。性交痛などの相談、治療、フェムゾーンケアの情報発信を積極的にしている

 

 

イラスト/かくたりかこ 構成・原文/安藤由美

 

 

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