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最近、デリケートゾーンがかゆいのですが、下着で蒸れるせいでしょうか?それともムダ毛のせい? VIO脱毛すれば改善しますか?(48歳)【更年期のフェムゾーンの悩み】

デリケートゾーン(フェムゾーン)がムズムズする、かゆい…。TVコマーシャルでも見かけるほどよくあるトラブルですが、意外にも若い人より更年期世代に多い悩みなのだそうです。これって、原因は何でしょう? 今回も産婦人科医の八田先生が、懇切丁寧に教えてくれます。

 

答えてくださった方

 

八田真理子
八田真理子さん
産婦人科専門医
公式サイトを見る

幅広い世代の女性の診療・カウンセリングを行う地域密着型クリニック「 聖順会 ジュノ・ヴェスタ クリニック八田」院長。著書に『思春期女子のからだと心 Q&A 資料ダウンロード付き』(労働教育センター)、『産婦人科医が教える オトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』(アスコム)ほか。

 

♦VIO脱毛にはメリットだけでなくデメリットも

 

脱毛して蒸れやかゆみが改善するかというご質問ですが、それはないと思うんです。

 

VIO脱毛にはデメリットもあります。

例えばデリケートゾーン(フェムゾーン)をツルツルにすると、人によっては肌が下着に直接当たって擦れたり、摩擦が起こって、逆にかぶれの原因になったりすることも…。

 

髪の毛が頭を守っているように、陰毛は大切なところを守るクッションみたいな役割。

また更年期に入って外陰部が痩せてきた人なら、脱毛すると❝痩せた感❞がわかって嫌だという人もいますから、どちらがいいかは好みにもよりますね。

 

ただ、ショーツの素材は、できればシルクとかポリエステルではなくコットンがいいと思います。

「かわいい下着やセクシーなランジェリーを身につけたい♡」という気持ちもわかりますが、見た目重視のものは、得てして肌によくない素材が使われていたり、通気性が悪いものが多いですね。

 

もちろん、ストッキングやタイツによる蒸れが原因でかぶれを起こしている人も少なくありません。

 

補整下着、締めつけるようなショーツやガードルはさらに蒸れやすく、かぶれやすい。

ピタピタのレギンスやスパッツをこよなく愛している人も注意が必要です。

 

あとは、洗濯のすすぎが不十分で、洗剤が残っているショーツでかぶれやかゆみが出たりすることもあるんです。

 

♦蒸れやかゆみの意外な原因!更年期はデニムを避けて

 

そしてデリケートゾーンが蒸れる、かゆい、痛い、におうとトラブルを訴える人の中には、硬いデニムを好んではいている人が多い気がします。

蒸れやすいとわかっている人は、パンツスタイルよりはフレアスカートなどをはくほうが風が通って蒸れません。

 

男性もそうでしょう?陰嚢がラジエーター(放熱装置)の役割をして蒸れにくいようになっているんです。

ピタピタのデニムでは股間が温まりすぎて、精子にいいことがないんですよ。

睾丸の温度が37℃になったら精子は全滅します!

 

また、デニムが青いのは、もともと虫除けや蛇よけのために、インディゴという染料を使っていたからです。

昔は、女性はジーンズをはくと股間がくさくなるとまで言われていたようです。

 

硬いジーンズはどうしてもはきたいときだけにして、更年期以降はソフトジーンズなどを選ぶようにしましょう。

 

そして、かゆい、ムズムズするのは、いつもシートをつけている人にも多いんです。

おりものシート、尿もれシートの使いすぎですね。

下着の汚れを気にして日常的にシートをつけている人は要注意です。

 

かゆみというのは、皮膚が外部から受けた刺激に対する反応のひとつ。

シートや下着などの刺激によって炎症が起こります。

性器の皮膚はとてもデリケートなので、そこでかいてしまうと傷つきやすく、さらに炎症を起こすなど悪循環に陥りやすいと思います。

 

そのほかの原因として、カンジダが炎症を起こしている可能性もあります。

これは「あるある」で、ちょっとムズムズしている人の腟を調べるとカンジダ菌が出ます。

 

♦カンジダ菌の繁殖でかゆみが起きている場合も

 

カンジダ菌は真菌、カビの一種で、私たちの皮膚のどこにでもいて共存しています。

日和見菌といって普段はおとなしくしているんですけれど、体調が悪かったり疲れていたりすると勢力を増してきます。

特に腟の中は温度が高くて湿り気がある。通気性が悪いとそこにどんどん繁殖してしまいます。

 

 

カンジダ菌の繁殖の原因は、こういった蒸れやきつい下着のほか、風邪、疲労、ストレス、糖尿病やステロイド剤使用などによる抵抗力・免疫力の低下、月経前のホルモンバランスの変化などが挙げられます。

 

 

腟では「デ-デルライン桿菌(かんきん)」という善玉菌、乳酸桿菌の細菌叢(そう)が、腟内を酸性に保ってくれていますが、これらのパワー落ちてくるとカンジダ菌が増殖して、かゆみを引き起こします。

 

腟カンジダの症状はかゆみだけでなく、粘りけのある白い酒粕やカッテージチーズのようなおりものがあったり、腟のヒリヒリ、外陰部の発疹や赤み、排尿時の痛みがあることも。

 

軽度のカンジダは、放っておいても月経がくれば治ってしまうことも多いもの。

でも、症状が強いと自然治癒も期待できません。

 

腟カンジダが心配な場合は、できれば婦人科を受診しましょう。

腟カンジダと診断されれば腟錠や腟坐剤、クリームなどを使って治療します。

自己判断で市販の薬を使い、悪化させてしまうこともあるので気をつけてくださいね。

 

取材・文/蓮見則子 

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