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https://ourage.jp/column/life/interview/292191/

阿部寛さん、50代後半での初体験(インタビュー/前編)

阿部寛さんが8月26日に公開される映画『異動辞令は音楽隊!』に主演。

刑事一筋30年、仕事一途で人生を楽しむ術を知らなかった中年男のクライシスをリアルに、そしてコミカルに演じている。

人生の岐路に立ったとき、人はどうやって新しい扉を叩くのか。

カッコいいだけじゃない、哀愁を秘めたオジサンを見事演じきった阿部さんに、ご自身と重ね合わせたその演技の一部始終を聞いてみた。

 

撮影/富田一也 ヘア&メイク/AZUMA(M-rep MONDO-artist) スタイリスト/土屋シドウ 取材・文/岡本麻佑

阿部寛ポートレート

阿部 寛さん
Profile

あべ・ひろし●1964年6月22日、神奈川県生まれ。1985年、中央大学理工学部在学中に「ノンノボーイフレンド大賞」で優勝。雑誌『メンズノンノ』創刊以来、3年6カ月表紙を飾る。大学卒業と同時に『はいからさんが通る』で映画デビュー。2012年『テルマエ・ロマエ』で第36回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。是枝裕和監督の『歩いても歩いても』(08)、『海よりもまだ深く』(16)は海外でも評価が高く、チェン・カイコー監督の日中合作『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎』(18)、トム・リン監督のマレーシア映画『夕霧花園』(21)など国際的に活躍。『TRICK』『ドラゴン桜』『結婚できない男』『新参者』『下町ロケット』ほか多数の人気ドラマに主演。2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』では武田信玄を演じる。

 

オファーを受けて、

『ヤバイ!』と(笑)

 

阿部寛さんが演じると、どんな役でもハマり役に見える。これは名優の証だ。

 

『異動辞令は音楽隊!』で阿部さんが演じるのは、現場一筋30年の鬼刑事・成瀬司。犯人を捕まえるためなら違法すれすれの捜査も辞さない、古いタイプの熱血刑事だ。

上司や同僚、部下にも傲慢な態度をとり続け、職場に味方はいない。私生活でも妻とは離婚、娘には反発されて、同居する母親は認知症が進行中。

孤立する彼はやがて捜査の現場から外され、子どもの頃、和太鼓をやったことがあるというそれだけの理由で、警察音楽隊への異動を命じられる。警察組織の吹きだまりのような、個性的な音楽隊員たちと、当初は不協和音が鳴り響く。

 

新しい職場に、彼は適応できるのか? 古い価値観から抜け出せず、どん底まで堕ちた男は、どうやって次の一歩を踏み出すのか?

阿部寛ポートレート

この作品のオファーを最初に知ったとき、阿部さんは。

 

「ヤバイ!と思いました(笑)。楽器なんて持ったこともないのに、吹き替え無しで演奏してほしいと言われて、無理だ!と。

でも内田英治監督も音楽はもともと苦手だと言うし、『ミッドナイトスワン』を撮った監督ですからね。次は何をやるのか楽しみにしていたら、この作品で僕に声をかけてくれたので、これはもう、やるしかないと」

 

阿部さんに割り当てられたのは、ドラム。

 

「最初にドラムを叩いてみたら、すごいデカイ音が出るんですよ。しかも全然、太刀打ちできない。そこでドラム練習パッドという、ゴムでできた音が出ないヤツを買って、毎日ウチで、木魚を叩くみたいにポクポクと地味に叩いて練習しました。

徐々に少しずつ思うようにできるようになって、3ヶ月後くらいに撮影が始まり、本物のドラムを叩いてみたら、これが意外と気持ち良く叩けてね(笑)。そこからは、みんなと一緒に演奏する楽しさで、なんとかクリアできたかなという感じです。

途中、金属製のすごく重いスティックをネットで手に入れて、これで筋肉を鍛えて力任せで乗り越えようかと思ったんですけど、意味がなかったね(笑)」

 

 

音楽隊として活動しながら、それでもやっぱり犯人逮捕に気持ちが残り・・。さまざまなドラマを乗り越えながら、成瀬司は新しい世界に足を踏み出していく。

 

『脇目も振らず一心不乱に働いてきたミドルエイジたちの奮闘と生きざまを、警察音楽隊のメンバーにイメージを重ねて描きたかった』という内田監督の思惑通り、中年男性の危機と悲哀がシリアスに、ときにコミカルに描かれる。

阿部さんはじめ、キャスティングもばっちり。練りに練った脚本で、見応えのある作品となった。その真ん中で、ドラマチックな運命に翻弄される阿部さんの姿は、この上なくチャーミングだ。

 

「僕自身50代後半なので、中年クライシスというものを、もちろん感じることはあります。若いときと違って持久力が落ちたなとか、そういうのはたくさんありますけど。でもなんか今のところは、そこそこうまくやっていると思います(笑)」

阿部寛ポートレート横顔

次から次へと話題作、注目作に出演し、海外でも広く顔を知られている阿部さん。7月に本作をひっさげて向かった『ニューヨーク・アジアン映画祭2022』ではワールドプレミア上映され、阿部さんは〈スター・アジア賞〉を日本人で初めて受賞。英語のスピーチも流暢にこなし、大きな拍手を受けたとか。

 

「海外の仕事も、できるだけやっていきたい。別にハリウッドにこだわるつもりはないんです。いろんな国の作品に出たい。

この間もマレーシアの映画に出たとき、現場には9カ国の人がいたんです。言語はみんなバラバラだけど、良い映画を作りたいという共通した目的があるから、言わなくてもわかる、というか。何も問題なく撮影できました。素晴らしかった」

 

長年活躍し続けて、58歳の今もなお、底知れぬパワーを秘めている阿部さん。そのバイタリティの素は一体何なのか? その答えは後編へ!

 

(阿部さん自身の健康維持方法について語った、インタビュー後編はコチラ

 

『異動辞令は音楽隊!』

阿部寛『異動辞令は音楽隊!』ポスタービジュアル

犯罪捜査一筋30年の鬼刑事・成瀬司(阿部寛)は、コンプライアンスが重視される今の時代に合わず、警察音楽隊に左遷される。居場所を失い、絶望した男を救ったのは、はぐれ者集団の音楽隊員たちだった。翻弄される捜査一課の部下に磯村勇斗、認知症が進行中の母に倍賞美津子、警察音楽隊のメンバーに清野菜名、高杉真宙、渋川清彦など。原案・脚本・監督は日本アカデミー賞を受賞した『ミッドナイトスワン』の内田英治。

阿部寛「異動辞令は音楽隊!」スチール写真

2022年8月26日(金)全国ロードショー

配給:ギャガ

原案・脚本・監督:内田英治

出演:阿部寛 清野菜名 磯村勇斗 高杉真宙 倍賞美津子ほか

主題歌:「Choral A」Official髭男dism

©2022『異動辞令は音楽隊!』製作委員会

公式サイト:https://gaga.ne.jp/ongakutai/

 

 

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