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ゆるかわぽっぷでクレイジー! 浅生ハルミンさんの個展開催中!

いしまるこさん プロフィール画像

いしまるこ

自堕落なぐうたらライターですが、面白おかしくラクに生きたいという一心で動いていたら、体と心の仕事が中心に。OurAgeでは根来秀行ドクターの連載や書籍『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』を担当。

イラスト/浅生ハルミン

 

此処ではない何処かに行きたい‥。師走ってそんな気持ちにさせられますよね。

こんにちは、周期的に逃避衝動にかられるぐうたらライターのいしまるこです。

先週、ふと思い立っていざ鎌倉へ。江の電に乗り、途中下車して長谷をぶらぶら。なんとなく長谷寺へ。お参りをすませ、何気なく通路脇のチラシコーナーに目をやると、遠目からも異彩を放つポップなチラシを発見。吸い寄せられるように近づき手にとると‥‥、「浅生ハルミン ブックパラダイス—猫と古本を愛してやまないあなたに」! いしまるこが担当する根来教授の連載や書籍のカットを描いてくださっている浅生ハルミンさんの個展が絶賛開催中ではないですか!?

いしまるこさん チラシ

はっ、12月26日で終了とな!?  ハルミンさんのTwitterを見てみると、告知のツイートめっちゃありました。すみません、SNSやってなくて。でも、長谷寺のありがたい御仏のお導きにより、なんとか滑り込みで間に合いそう。

 

翌日、開催場所の「町田市民文学館ことばらんど」へ。こちらはことばや文学の魅力に気軽に出会う場所を目指した町田市の小さな文学館。数年前、ハルミンさんも敬愛する現代美術家で作家の赤瀬川原平さんの展覧会を拝見したことがあるのですが、中身が濃く、作家への愛に溢れた素晴らしいキュレーションで大満足でした。

いしまるこさん 町田市民文学館

 

今回はハルミンさんの「本の仕事」を中心に紹介する展覧会。開館15周年記念にあたる特別な会ですから期待大です。しかも観覧料は無料!! 町田市、太っ腹。

いしまるこさん 建物、猫、女の子

入り口の自動ドアには、ハルミンさんのイラストが散りばめられていて、入館前からハルミンワールドへ引き込まれます。そして館内に入ると、いるわいるわ!

いしまるこさん おじいちゃん、女の子

 

いしまるこさん 女の子、親子猫

展示室は2階です。猫に誘われて階段をのぼります。

いしまるこさん 階段の猫

のぼり切ると、ブック・パラダイスのサインボードが壁一面にジャジャーン。

いしまるこさん ポスター

おおっと、入口すぐに顔ハメコーナーが!  背景はこけし好きのハルミンさんが手がけた「全国こけし祭りのポスター」です。ハマってみるとなんだかほっこり。

いしまるこさん 顔ハメパネル

今回の主役、浅生ハルミンさんはイラストレーターでエッセイスト。猫や古本、こけし、珍園芸(!)など、自分の「すき」を追いかけて、そのフィールドワークを絵や文にしたものが創作活動の中心です。その姿勢には、彼女が師と仰ぐ赤瀬川原平さんの無用なもの、役に立たないものに価値を見出す「路上観察」の影響が色濃く感じられます。

いしまるこさん haruminさん

撮影/ただ(ゆかい)

 

かわいくて妖精のようにどこか浮世離れしたハルミンさんもOurAge世代。

猫好きが高じて猫ストーカーに!

路上観察から生まれたエッセイ『私は猫ストーカー』(2005 年)は、猫が好きすぎて、街の猫をストーキングするという彼女の実体験の記録で、のちに映画化されるほどの話題作に。本展では、「猫ストーカー誕生」 猫に導かれた観察法と題して、ハルミンさんが実際につけていた猫ストーカー記録手帳や猫マップなども展示。ほかにもたくさんの猫づくしの展示があり、猫の眼差しで街を見、猫と同化しているハルミンさんの視点がそこここに感じられ、新鮮な気づきとクスクスがいっぱいです。

 

猫を描いた原画もいっぱい。ナマで見る本物はさらに味わい深い!

いしまるこさん 絵本原画

Ⓒharumin asao

初の絵本『キッキととーちゃんふねをつくる』と扉原画

 

いしまるこさん 湖畔の家シリーズ 乾杯

Ⓒharumin asao

「乾杯」〈湖畔の家〉シリーズより2018年

 

いしまるこさん パラパラブックス

Ⓒharumin asao

「猫のパラパラブックス」シリーズ。分解図やアニメーションも見られます。

 

「イラストレーターとして、フリーになりたての頃の記念すべきお仕事なので、ぜひ見て下さい」とハルミンさんが勧めてくれた展示は、集英社の雑誌LEEの読者ページReaders Chat(1995-1999)の挿絵。ハルミンさんのイラストにしばしば登場する犬のような猫のような生き物「ペス」は、ここから誕生したことも判明しました。

いしまるこさん 絵葉書

タライに乗っているのが「ペス」。のちに猫と判明。絵葉書はこのほか2種類あり、1階の販売コーナーで購入できます。

 

滋味深いエッセイは古本耽溺で養われた!

本展のもう一つの核は「古本」。中学・高校時代から古本屋に入り浸っていたハルミンさんは、上京後、古書店「なないろ文庫不思議堂」の店番に。勝手に書いていた古本の感想文が店主・田村治芳さんの目に止まり、伝説の古書情報誌『彷書月刊』で古書評「ハルミンの読書クラブ」の連載が決定。映えあるデビュー作(1994年)となった、第1回目で取り上げていた本は、なんと私が直近で買った『深沢七郎の滅亡対談』でした。「好き」はシンクロしていきますねー。ちなみに、そのエッセイのタイトルは「男らしさとウンコの話」(笑)。ぜひ会場でご一読ください。

いしまるこさん 本

山下清、井伏鱒二、白石かずこなど超個性的な面々との終末的対談19編。

本の上の猫こけしはハルミンさん作。

 

飄々としていながらちょっぴり毒があり、おかしくも切ないハルミンさんのエッセイは、若い頃からの古本耽溺で養われていたんだなあと納得。彼女の珠玉のエッセイから絵と文が抜粋されていてダイジェストに楽しめるのも、この展示の魅力です。

いしまるこさん ハルミンさん著書いろいろ

いしまるこの蔵書。話題の最新刊『江戸・ザ・マニア』も、古本屋店番時代にハマった「趣味の本」から着想を得たそう。

「ハルミン創世記〈かわいい〉の行方」

最後にハルミンさんの創作の原点に迫った、ハルミンマニアにはたまらない展示をご紹介。イラストレーター・エッセイストになる前、実は、ハルミンさん、現代美術家として活動していた時代がありました。その頃の貴重な作品がコチラ!

いしまるこさん 貯金箱

Ⓒharumin asao

身長約1m。巨大貯金箱「うさベイビー」。 「私の思う最高密度の可愛さを立体化しました」とハルミンさん。よく見ると、使い古されたタイルでできています。

 

ほかにも、ニッチな視点に裏打ちされたキッチュでラブリーな展示が目白押し! 身近なところから自由に発想を飛ばし面白世界を創り出すハルミンワールドに、ワクワクが止まりません。

気がつくと、正午過ぎに入館してから、ランチを食べるのも忘れて夢中になり、いつの間にか4時近くに。

いしまるこさん 時計

1階の喫茶けやきでコラボメニュー「猫のパンケーキ」をいただきます。

ホイップクリームにキウイとみかんがサンド。懐かしいやさしいお味。

ミカドコーヒーとセットで500円。

いしまるこさん パンケーキ

ほっこりカワイイだけじゃない、奇想天外な発想で「そうきましたか! 」と膝を打ちたくなるような「浅生ハルミン ブック・パラダイス」。好きなことにまっすぐなハルミンさんの生き方が伝わってきて、楽しいことは彼方ではなく此処にある!

もっともっと自分の好きに貪欲でいいんだ!! と元気と勇気が湧いてきました。

皆さまも、今年の締めくくりにぜひお出かけくださいませ。

 

【映像配信】穂村弘×浅生ハルミン対談「猫のいる風景/本のある情景」

関連イベントとして、『私は猫ストーカー完全版』の「あとがき」を担当した歌人の穂村弘さんと浅生ハルミンさんが、古書・本にまつわる思い出や記憶、短歌や俳句に「猫」を登場させることの効能などについて対談。ゆるゆると心和むフリートークが録画配信されています。12月26日までなのでこちらもお見逃しなく!

町田市公式動画チャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=JNFEbzK3BvI)にてYoutube配信しています。(2021年12月26日まで)

いしまるこさん 穂村さん対談

今回、展示室は撮影NGなので、作品の画像は町田市民文学館ことばらんどさんからご提供いただきました。ありがとうございました!

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