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『いのちをむすぶ・佐藤初女』岸圭子写真展で初女さんに会えた!

いしまるこさん プロフィール画像

いしまるこ

自堕落なぐうたらライターですが、面白おかしくラクに生きたいという一心で動いていたら、体と心の仕事が中心に。OurAgeでは根来秀行ドクターの連載や書籍『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』を担当。

イラスト/浅生ハルミン

 

冬って寒いし、今年はオミクロンもいるし、永遠に炬燵でぬくぬく丸まっていたい。そんな私、ぐうたらライターのいしまるこが、えいやっ!と家を飛び出し、都心から横浜郊外までいそいそ遠征。向かった先は「神奈川県立地球市民かながわプラザ」。浜っ子は親しみを込めて、「あーすぷらざ」と愛称で呼ぶそう。スペイシーな外観がcool!

いしまるこさん あーすぷらざ

「地球に暮らす一員として、世界の文化や暮らしについての国際理解や国際平和、地球規模の課題について、日々の生活の中で考え、自分にできる身近なことから行動していく」という世界に開かれた総合施設。祝日を除く月曜休館。

 

お目当ては、『いのちをむすぶ・佐藤初女』岸圭子写真展!

いしまるこさん 写真展ポスター

詳細はコチラ https://www.earthplaza.jp/event/20220201hatusme/

 

いしまるこさん 佐藤初女さん1

Ⓒ岸圭子

Who is 初女さん?

佐藤初女さんは1921年青森市生まれ。料理上手な初女さんのもとには人が集い、いつの頃からか、悩みを打ち明けにくるようになりました。49歳のとき、敬愛する神父の「奉仕のない人生は意味がない」という言葉に胸を打たれ、本格的に奉仕の道へ。62歳のとき、自宅を「弘前イスキア」と名付け、行き場を失った人たちに解放。30年もの間、手料理で悩める人を迎え入れ、その声にひたすら耳を傾けました。
1992年、多くの支援が集まり、岩城山麓に憩いの場「森のイスキア」が誕生。おいしいごはんを作ってともに食べ、ただ黙ってそばにいてくれる。初女さんのそんな素朴な行いが、たくさんの人を勇気づけ、再生の道を開いていきました。

 

1995年、映画『地球交響曲 第二番』で「その人のおむすびを食べて、自殺を思いとどまった人がいる‥」と紹介されると、全国から問い合わせが殺到。「必要とされるなら、今このときに受け止めたい」と、突然の来訪や真夜中の電話にもできる限り応え、相次ぐ講演や取材、執筆の以来も時間の許す限り引き受け、自分の時間は一切なくなりました。
「今、何が欲しいですか?」
あるときそう尋ねると、「自分の時間がほしい」と小さく笑って初女さん、
「でも、一線を越えるたびに成長するの。一歩ずつだね

 

亡くなる1ヶ月ほど前にお会いしたときも、少し声はかすれていたけれど、「もっともっと働きたいの」と目を輝かせていた初女さん。食を通じていのちの大切さを伝えてこられた佐藤初女さんは、2016年2月1日逝去。94歳で生涯を閉じました。

 

「私には心がある。心なら汲めども汲めども尽きることはありません」

佐藤初女

 

今回の写真展タイトル『いのちをむすぶ』は、2016年3月に集英社から刊行された初女さんの遺作からとったもの。初女さんのことばと岸さんの撮影した写真をまとめたメッセージ・フォトブックです。構成はいしまるこが担当しました。
昨年末に7刷となり、亡くなられて6年が経過してなお、初女さんが多くの人々の光となって生き続けていらっしゃるのだと感じ入りました。

いしまるこさん 本

©岸圭子

『いのちをむすぶ』
佐藤初女著 集英社 1600円+税

 

『いのちをむすぶ』の刊行を記念して、東京、岡山、青森、大阪で写真展を開催したときも、思った以上の反響がありました(岡山での展示の様子はコチラ) 。その後、全国から初女さんの写真展をしてほしいという申し出がありましたが、実現には至らず。実はあーすぷらざも、タイミングが合わず1度はお断りしたという経緯が。昨年、再び共同開催のオファーがあり、その熱意に動かされた岸さん。コロナ禍の今だからこそ、初女さんが求められているという思いも強く、4年ぶりに初女さんの写真展を行うことを決めました。

 

『いのちをむすぶ・佐藤初女』写真展は、初女さんの御命日にあたる2月1日から開催。岸さんが初女さんを撮影されたほぼ全ての媒体やシーンに関わってきたいしまるこは、これは何をおいても行かなくちゃ、と、初日に馳せ参じました!

いしまるこさん 写真展内1

展示会場のプラザホールも近未来的。まるで宇宙船のような入り口にドキドキしながら足を踏み入れると‥‥、あ、初女さん! 岸さん!

いしまるこさん 写真展内2

いしまるこさん 岸圭子さん

This is 岸さん

岸圭子さんは1964年埼玉県川越市生まれ。1995年、集英社の雑誌『MORE』の取材で初めて森のイスキアを訪れて以来、公私にわたり交流を重ねた岸さんは、間違いなく、初女さんから最も信頼を得ていた写真家です。

 

「私はできるなら“普段通りの初女さん”を撮らせてもらいたいと思っていました。ですが、初女さんは何か作業を始められると、お喋りもせず、そのことだけに集中されるので、撮影するときは少し申し訳ない気持ちで“今、撮らせてもらいます”とお伝えしていました。ある日のこと、初女さんから林檎と一緒にお手紙が届き、そこには “岸さんの写真は、いつもそのまんまが写っているね”と。同じ頃、いつものように撮影のお声掛けをすると、“これからはいつでも撮ってください”とおっしゃられて。初女さんとの距離がぐっと縮まった気がしました」(岸さん)

いしまるこさん 佐藤初女さん2

Ⓒ岸圭子

 

自然豊かな森のイスキアの四季、夜明け前から料理を仕込んでいた弘前の自宅の台所、
真っ黒な海苔に包まれた丸いおむすび、にんじんの白和え、かぼちゃの煮物、
70代前半のふっくらした初女さんから最晩年の小さくなった初女さん‥。
岸さんだからこそ撮れた初女さんの丁寧でひたむきな暮らしぶりがそこここに。
新たにプリントした6点も加え、展示された作品は56点にも上ります。

いしまるこさん 初女さん展示写真1

いしまるこさん 初女さん展示写真2

「みんな、いろんな初女さんを見たいだろうなと思うから、自ずと点数が多くなる。あのときもっとああすればよかったとか、そういう忸怩(じくじ)たる思いはありますが、でもそうであれ、やっぱり見てほしい。以前の写真展では “初女さんとは会えなかったけど会えたような気持ちになった”とか“初女さんの姿を残してくれてありがとう”とか、そういう言葉をたくさんいただき、すごく励まされました。今回も、始まる前から問い合わせがかなりあって、亡くなられて6年も経っているのに、初女さん、すごいなあと思います。私はクリスチャンではないけれど、“復活”ということを考えさせられます」(岸さん)

いしまるこさん ガラスの林檎

初日の朝、写真展を訪れた女性から贈られたガラスの林檎。「初女さんの写真展をしてくれたことに感謝します」と涙ぐまれていたそう。

 

 

亡くなられてなお
より初女さんの存在を感じます

 

岸さんもアワエイジ世代。体調を崩したり、子供の受験や就職、夫の転職など、変化の激しい50代を送ってきました。まっすぐで真面目がゆえに、自分を追い込むことも少なくなかった岸さん。人生に迷ったり、疲れたとき、ふと思い出すのは初女さんのことでした。
「今、こういう状況のときに、初女さんだったらどうするかなって考えるんです。
にんじんが痛いんでないかと包丁でそーっとむく、お米が呼吸できるようにたなごごろでおむすびを握る、物にも人にも丁寧で、すべてのいのちがかけがえないと実感させてくれた初女さんのことを思い出すと、“初女さんなら今の私も肯定してくれるに違いない”って、勝手にそういう結論に至って、ちょっと人心地する(笑)。
年齢を重ねて体力も集中力も落ちて、数値的にはプラスになることはないけど、初女さんのおかげで、昔より今の方が、自分を肯定する気持ちが増し増しなんです」

いしまるこさん 佐藤初女さん3

Ⓒ岸圭子

 

生きていた頃よりも初女さんを近くに感じる、という岸さん。改めて、岸さんにとって初女さんはどういう存在?と聞くと、「すごく大好きな人!」と破顔一笑。
「初女さんは最期まで人のために働きたいとおっしゃって、その気丈さにいつも圧倒されました。その一方で、とってもお茶目で、“指しゃぶりはどうしたら治せますか”という質問に、“指よりおいしいものを作ってください”と飄々と答えたり。新千歳空港で食べたスープカリーがおいしかったからと、新しいおもちゃを手にした子どものように、毎日毎日試作を繰り返されたり。完成した改良版スープカリーは、素揚げした野菜と骨つき鶏肉がゴロッと入っていて、本当においしかった!」

いしまるこさん 岸さんと写真

「繊細で大胆、頑固だけど柔軟、本来相反するようないろいろなことを併せ持っているところがすごく好き」と初女さんへの好きが止まらない岸さん。
「こんなに大好きな人に巡り合えて、何度も写真を撮る機会に恵まれたことは、本当に幸福なこと。だからこそ、初女さんの写真は自分だけで留めていていはいけない、初女さんからいただいたたくさんのことを、できるだけ多くの方と共有したいと思うんです。会場では、2008年にNHKで放映され、何度も再放送された初女さんの映像も流しています。ぜひ、初女さんに会いにきてくださいね」(岸さん)

 

 

2/19『地球交響曲 ガイアシンフォニー第二番』上映会も!

いしまるこさん ガイアポスター

『地球交響曲』は、龍村仁監督によるオムニバスのドキュメンタリー映画シリーズ。14世ダライ・ラマ法王らとともに初女さんが登場する第二番は、シリーズの中でも人気の高い作品です。上映される機会が少ないのでお見逃しなく。

 

2/19(土)13:00~15:10(開場12:30)会場:あーすぷらざ2Fプラザホール
定員:200名(当日先着)入場無料 内容変更や中止の場合はあーすぷらざのHPでお知らせします。最新情報:https://www.earthplaza.jp/

 

 

写真展のあとに立ち寄りたい!
多国籍料理レストラン「SOBANI」

いしまるこさん SOBANI

写真展を堪能したあとは、あーすぷらざ内2F「SOBANI(ソバーニ)」へ。多国籍料理ランチプレート(800円)が人気です。写真はブラジルの豚と豆の煮込み“フェイジョアーダ”、ベトナムの揚げ春巻きなどなど。おいしい諸国の家庭料理やカフェメニューも充実。明るく開放的な空間でゆったりまったり!

 

 

取材・文・写真/石丸久美子(いしまるこ)

 

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