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江戸時代創業の老舗のぽん酢とすし酢 「齋(いつき)造酢店」

小原誉子

小原誉子

「京都観光おもてなし大使」&旅ライター
アナウンサー、テレビ番組プロデューサーなどを
経て、集英社「エクラ」などのライターに。
2011年より京都在住。
京都など、日本の文化・観光情報を伝える
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秋も日に日に深まり、そろそろ鍋の温もりが恋しくなってきました。

そこでおすすめの品が…京都六角通にある「齋(いつき)造酢店」のぽん酢です。

家庭用に登場した360ml(702円)のぽん酢は、お客様の要望でできた品。

というのは、ここで販売されるのは、京都を中心に、名だたる料理屋さんやすし店に納められる、いうなればプロ仕様であることから、大量に使える一升瓶入り。昔からここの酢を知る京都の人は、持ち運びに大変と言いながらも、一升瓶で購入していたそう。

しかし贈答品にしたいという要望も多く、ついに近年、360ml入りの瓶の登場に。

 

 

そもそも「齋造酢店」は、江戸時代に創業し、現在9代目当主が担う京酢一筋に歩んだ酢の専門店です。

店の奥にある工場では、酢酸菌を用いる昔ながらの伝統製法が受け継がれ、熟練した職人により管理された発酵具合で、独特の風味豊かで円やかな味わいの酢が生まれるのです。

 

料理の素材の味わいを引き出す純米酢「花菱酢」のほかに、より手軽に味わえる「ぽん酢」は、徳島の上勝で育ったゆず・すだち・ゆこうの果汁をおしみなく使った品で、鍋には欠かせない味わい。鍋のほかに酢の物やしゃぶしゃぶ、湯豆腐などにも合うとリピーターの多い人気の品。

 

 

初めてお店を訪れた時、営業しているのか? と思うほど、閉じられた表の戸。

恐る恐る戸を開けると、ひっそり静かな店内の木製のカウンターで作業をなさっている方が…。

「いらっしゃいませ~」と笑顔で対応してくださったのは、こちらのご当主のお嬢様でした。

 

店の奥が酢を醸造する工場…。そこにある蔵は、「鳥羽伏見の戦い」でも焼失を免れたものだとか。そこには、長年、酢造りを支えた酢酸菌が今も息づいているのだとか。

 

店には、一升瓶の純米酢や酒粕などを主原料にしたすっきりとした味わいの粕酢、そして人気のぽん酢などが、プラスチックケースに収まっています。

「お車でいらっしゃって、一升瓶で買われる方も多いんですよ」とお店の方。

 

確かに家族で鍋を囲んだら、あっという間に「ぽん酢」を使い切ってしまうことも。冬の使用頻度を思うと、一升瓶でもいいかも…と思ってしまいます。

 

 

さて「ぽん酢」と共に一般客に人気なのが「すし酢」(360ml 702円)

ご飯に掛けるだけで、美味しいすし飯ができ、家庭で手巻き寿司をしたり、ちらし寿司を作る時に重宝します。でも、こちらもサラダオイルと合わせドレッシングなど工夫次第で幅広い使い道があるのです。

 

「お取り寄せはできるんですか?」と伺うと、「はい、直接、店にお電話やFAXでご注文いただければ、お送りさせていただきます」と。贈答品用にもなる2本セットの箱代200円と送料は別途必要。

 

また、10本以上なら20本入りの箱代は無料の段ボール箱で送ることができ、その際は、好きな本数の「ぽん酢」と「すし酢」が注文できます。

 

京都の人たちは、お酢が大好きなのでしょう。和食には、酢の物が登場しますし、また鯖寿司やいなり寿司、ちらし寿司も、なにか祭事があれば必ず膳に並びます。

スーパーやコンビニでも、巻きずしやいなり寿司、また鯖寿司なども簡単に手に入り、小腹が空いたときのお助けに…。健康維持に欠かせないといわれる酢。京都人の暮らしの中に酢の存在は欠かせません。

 

「あの~ここ、知らないと入りにくいお店ですね~」というと、「はい、まぁ、昔からのお客様が多いので…」とサラリ。う~京都には、まだまだ知らない本物のお店がありそう。

「ぽん酢」を求め、来るべき本格的な鍋の季節に備えた私です。

これで冬の楽しみもひとつ増えました。

 

 

「齋造酢店」

京都市中京区六角油小路東入ル

☎ 075-221-5393 FAX 075-221-5394

営業時間 9:00~18:00(土曜は~15:00) 日曜休み

 

*尚、提携した販売店のオンラインショップもありますが、直接お店への注文とは価格が異なります。

 

 

京都の文化・観光を伝えるブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」

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