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四季とつきあうための「習わし」/しきたり19:七五三はしつけのとき、挨拶や行儀・家族の役割をおぼえさせる

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家。消費生活アドバイザー。

新潟県生まれ。 共立薬科大学卒業。 料理や家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なア ドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。 著書に『「やさしくて小さな暮らし」を自分で作る』(家の光協会)『始末な暮らし』(幻冬舎)『快適に暮らす小掃除術』 『すぐにできるエコ家事』(ともに集英社be文庫)

気持ちよく暮らす「生活のしきたり」

 

 

季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!

 

ここでは、各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。

教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。

 

 

最初のパート【四季とつきあうための「習わし」】では、日本の四季にまつわるしきたり1~21をご紹介します。

今回はしきたり19:七五三はしつけのとき、挨拶や行儀・家族の役割をおぼえさせる、についてです。

 

 

 

 

●四季とつきあうための「習わし」●

 

 

季節が移り変わる日本では、季節を暦代わりにし、移りゆく季節の変化を愛でながら日々を過ごしていました。四季は暦代わりですから、四季折々が暮らしの節目ともなり、また暮らしに、その四季を取り入れる風流さも持っていたのです。着るものには、季節の模様、桜、菖蒲、花火などを描き、併せて帯にもマッチした模様を使いました。食では、必ず旬を味わい、盛りつけにも季節が感じられるよう工夫を凝らしていました。住まいでは、 、障子をうまく使いこなし、風、雪、雨などの季節を音で聴き、眺めることで、楽しんでいました。

 

季節の節目を祝う行事も、四季を暦代わりにした暮らしには、欠かせないイベントだったのです。こうして、四季に合わせた折々の行事を行うことで、暮らしは続けられ、マンネリ化しがちな日々に、変化とけじめをつける役割をも果たしていたのです。四季の変化は暮らしの変化に結びついていたのです。いま、季節感や四季を愛でることが次第に薄れつつあるようですが、すっかりなくなってしまったわけではありません。

 

季節を感じることは、充足した暮らしをおくることです。暮らしに変化をつけるためにも、季節の行事、季節を愛でる工夫を、暮らしに取り入れてみてほしいものです。

 

季節行事は、季節に合わせていますから、暮らしの節目が感じられるばかりでなく、季節を楽しむ日本人の心の表れでもあるのです。

 

季節の移り変わりや自然の色や香りを、暮らしの中に取り入れながら、ゆとりを持って、暮らしを楽しむようにしたいものです。

 

 

 

しきたり19

七五三はしつけのとき、
挨拶や行儀・家族の役割をおぼえさせる

 

 

七五三は子どもが成長していく過程でのひとつのけじめの祝いだったようです。古くから、七五三といわないだけで、各地にはそれぞれの年齢での各行事がありました。例えば七歳女児の帯解(おびと)き、五歳男児の袴着(はかまぎ) 、三歳女児の髪置きなどですが、この年齢も地域によっては四歳でするところもあったようです。

 

また特に七歳は子ども組という組織に加わる年齢でもあり、氏子として氏神様に詣でるときでもあったことから、子どもの成長の大きな節目のときだったのです。この成長を氏神や地域社会に認めてもらい、それを家族で祝ったというわけです。

 

子どもが成長する節目を七五三と考える古来のしきたりからすると、単に晴れ着を着せ、神社参りをするより先に、この年齢からがしつけのときととらえ、子どもに挨拶、お行儀、家族の役割などをおぼえさせ、シッカリした自立心を育てていくのが、親の務めといえるのではないでしょうか。

 

もちろん、子どもがここまで成長してきたことを喜ばない親はいないはずですから、七五三を祝うにしても、十一月十五日に限らず自分の家族流の祝い方をすればいいのだと思います。わざわざ集まってまでも祝うことではないのだと考えておくほうがいいでしょう。

 

 

イラスト/みひらともこ

イラスト/みひらともこ

 

 

 

次回は、しきたり20:老いを祝うには我が家流で、についてご紹介します。

 

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